十四話 仇討ちは終わらない
「あ」
その場を離れようとして探は春樹の元に戻る。
「今からあんたに魔導システムあげた人探すから一緒に大学来てくれる?」
「はあ?なんでそんなことすんだよ」
春樹は探の言う意味がわからない。
「確かにあんたは兄さん達を殺した仇だ。けど、そのあんたに魔導システムをあげた人はあんたを仇に仕立てあげた真の仇てことになる。だから探すんだ。あんたならその人の顔知ってるでしょ?」
「でも俺は人殺しだぜ?学校でも噂になってるし顔なんか見られたら一発アウトだ」
春樹は協力を渋る。
「そんなの帽子深く被ればいいでしょ、いいから行くよ」
そう言うと探は春樹の腕を取る。
「おい引っ張るなって」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
そして再び索の大学、探、さくら、 聖麗、春樹はそこに来ていた。
「ねえ探、この人だれ?」
さくらが春樹を指さす。
「三上春樹だよ、本人に直接魔導システム売った人確認してもらった方が早いと思ってさ」
「え、大丈夫?刺したりしない?」
さくらは不安になる。
「大丈夫だって、そんなことしないよ。ね、三上さん?」
「ああ」
「ほんとかなぁ」
さくらの不安は拭えない。
「でも、どうやって魔導システムの商人を探すのかしら?彼らは神出鬼没と言われていてこちらから探すのは困難なはずよ」
聖麗が言う。
「もう一組、魔導システムを使える人たちに俺達は会っている。彼らを探そう」
「彼ら?」
探の提案に聖麗が首を傾げる。
「あ、三上軍団!」
さくらがピンと来て言う。
「誰よそれ」
「そんなやつらいたか?」
聖麗どころか春樹まで疑問を浮かべた。
「この間集団で俺達を襲ったやつらのことですよ。ていうか三上さんまで知らないとか変ですね」
「俺はそんなやつら知らない、いるとすれば…………まさか!」
春樹は三上軍団と名乗った男に心当たりが見つかりはっとする。
「やっぱり、知ってるんですね」
探が確認する。
「ああ、電話番号も知ってる。今呼び出す」
春樹はそう言ってスマートフォンを取り出し三上軍団のリーダーを呼び出す。
「おやおやお客様、今日はお友達をたくさん連れていかような用件でございましょうか?」
現れた三上軍団のリーダーは最初探達に接したのとは違う態度で春樹に話しかける。
「用があるのは俺じゃない」
春樹は探達に目を向ける。
「おや、三上さんを追っていたあなた方が何を聞くのです?」
彼はからかうように言う。
「あんたって一人なの?それとも組織で動いてるとか?」
探が聞いた。
「我々のことをお聞きで。いいでしょう、お答えしましょう」
彼は組織の概要を話し始める。
彼らはアンダーウィザーズ、魔導システムを売ることで人類のさらなる発展を目指す組織である。街のいたるところ、会社や学校などにも潜み魔導システムを売りつけるのだ。そうすることでより多くの人間に魔導システムが渡るのである。
「で、その元締めというか本部はどこにあるの?」
「それはお答えできませんねえ、それを教えたら流石にクビになってしまいます」
「な………ふざけるな!お前が三上さんに魔導システムを売らなければ兄さん達が死ぬことはなかったんだ!お前達のせいで!」
探がアンダーウィザーズの彼に詰め寄る。
「馬鹿言わないでください。彼は元々想い人を力づくで奪いたいという欲があった、だからわたしの誘いに乗ってサークルをめちゃくちゃにしたんじゃないですか」
彼は春樹の心情と行動を淡々と述べる。
「でも、今まで彼はそんなことしなかった、魔導システムを手にしたからおかしくなったんだ!」
「もういい、俺が悪い、俺が悪いんだ」
春樹が探を止める。
「でも………」
「あいつらを殺したのは俺だ、それは間違いない。間違いないんだ」
春樹が自分を責めるように拳を握る。
「まったく、せっかく力を手に入れたのにその力を使ったことで落ち込むなんてどういう風の吹き回しです?」
アンダーウィザーズの彼が春樹に言う。
「たとえ殺したいほど目障りだと思っても、潜縷も殺してしまったかりんも、伊藤も、大事な仲間だったんだ。殺していいわけがなかったんだよ、俺は…………間違ってたんだよ」
春樹が自らの後悔を人前で口にした。
「ふん、くだらないですね。正体がバレたならずらかります、次に来るのは別の人なのでが我々だと気づかないでしょう」
アンダーウィザーズの彼は探の手を振りほどいて去って行った。
「二度と来んなー!」
さくらがその後ろ姿に文句を言った。
探の仇討ちは終わっていない。彼は春樹をかどわかし、索達を殺す要因となったアンダーウィザーズを必ず壊すと誓うのだった。
今回もお読みいただきありがとうございます。ブックマークや評価、感想お願いします




