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揺蕩うもの

山吹色の液に繋がれて薄ピンク色の波なみの中、長い時間白い壁を見る。

「具合悪くありませんか?吐き気とかは?」

「大丈夫です」

何回やり取りしただろう同じ問と応え。






本日、絶賛流産と格闘中







気付けば33歳になっている。もう片手で収まらないほどに妊娠、流産を繰り返している。

「流産辛いよねぇ、私もあるのよぉ。大丈夫、ちゃんと産めるから!」

そんな風に励ましてくれた職場のお局は元気だろうか。未だに産めてないと知ったらあの時の無責任な励ましを撤回してくれるだろうか。今にして思えば、まだ打ちのめされていないうちは励ましが心に届くが、1度ぺしゃんこになると励ましは毛を逆撫でる何かに成る。


毎度毎度、10週の壁を越えない。

心音が聞こえて、その次か次くらいに長いエコーの後で

「……今日は1人で来ましたか?」

って恒例の問が降ってくる。


私はわざと1人で来る。夫と来るとそういった時に泣くのを我慢出来ないから。1度、その場で思いっきり泣いた事があったけど、泣き止むまで待合室にも戻れないし、泣き顔は周りの興味を引くだけだし、いい事は無かった。もちろん自分のストレスがそれで減ることはなかったから、私は1人で産婦人科に来る。

来るって表現にしたのは来たきり帰れてないから。切迫流産でそのまま入院、本日入院5日目。血混じりのおりものは止まらず、よって止血剤の点滴も止まらない。毎日500mlのブドウ糖注射液と共に身体に入ってくる。

もう少しで終わるなぁ、ナースコール押さなきゃ…とか思ってるといつも終わってて管を血が登ってたりする。


あ、ほら。やっぱり。


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