64、ギルド見学です。
水曜日、今日は休日。
朝起きると6時。
そういえば人の体は22時から6時にかけて寝るのが正しいリズムらしい。
よくは覚えていないけれど脳の休憩、記憶、体の休憩、回復など重要な意味が各時間にある。
削っていいものではない。
削ってもある程度問題ないが忘れっぽくなったりミスが増えたりするだろう。
勉強をするなら生活リズムは狂わせたら負け。
変な時間に眠っても休憩は本当の休憩にはならない。
3時寝6時起きしている私が言う話じゃないな。
私は卵を割りマグカップに入れ牛乳と大量の砂糖、塩を1つまみ、お酒を香りづけ程度に加えた。
マグカップにフォークを突き入れ黄身を割りかき混ぜると電子レンジで300W5分程度加熱。
激甘の目覚まし。
みかんを薄皮剥いて加えておくとお酒と反応して粒がバラバラにほぐれてすっきり感が出るけれど今日はしない。
お酒が入ってるので体が温まる。
砂糖と塩と水分があるのでスポーツドリンク割りに近いのでお酒を入れすぎると簡単に酔えるはず。
日常に酔ってる私にはこれ以上酔えないので分からないが。
お酒は日本酒などの清酒がいい。ウィスキーでも可。
果実酒などアルコール以外の強い匂いだと卵や牛乳などと匂いがケンカして飲めたものじゃなくなる。
給食の牛乳の匂いの原因は紙パックから匂い移りと120℃3秒という超高熱瞬間殺菌によるタンパク質などの成分の変性。
スーパーなどで売ってる少し高めのガラス瓶の牛乳であればおいしい。
あれは容器に63℃30分の低温長時間の殺菌と記載されているので大丈夫。
あれの方が栄養吸収率も高い。
日本人は乳糖分解酵素が弱い人が多いので飲むときには温めた牛乳の方がいい。
温めてあれば乳糖が正しく分解されるのでお腹がゴロゴロしにくいのだ。
温めている間に私はパンとリンゴを運び、温め終わったマグカップを運んでくる。
温め終わったマグカップの中は卵がフワフワ浮かんでいた。
私はその量がいつもより多いことに気づかず口に運びそして。
舌を火傷した。
電子レンジのW数間違えたかも。500Wで加熱してたかなぁ……。
舌が痛いよ……。
私は急いでリンゴにかぶりつき舌を冷やす。
幸運なことに丸かじり用に選んだ汁が多い性質の甘いリンゴ。
アップルパイなどに使う調理用のリンゴではなかったことが幸いした。
口内消毒にも使われる強い酸、リンゴ酸がリンゴにはあるので傷にしみるのだ。
酸っぱいリンゴだったらひどい目に合うところだった。
ナシやパイナップルだったらタンパク質分解酵素があるので更に傷にしみるところだった。
なお冬、野菜ジュースを朝は飲まない。体が冷えるから。
昼や夕方クールダウンしたいときに飲む。
ビタミンは足りないとホルモンのバランスが崩れて冷え性だとか肌荒れだとか起きるので忘れず対応。
やらなくて辛くなるのは自分自身。
なおよく調べずに行動すれば代償は自分に返ってくる。
必要摂取量などの計算は重要だ。
ビタミンでも摂りすぎれば毒になるのだから。
~~~~~~~~~~~~~~
ログインしました。
ギルドに挨拶を入れるとボスからチャットが飛んできて指定の場所に向かった。
「おはよーう!」
「おはようございます」
ギルドの看板前に行くと既にボスが待機していた。
【せいさんぎるど けもけも】。
この木の看板。やっぱり印象が濃いなぁ。
「ねぇねぇ」
「はい?」
「テン子ちゃんってさ。このギルド歩き回ったことある?」
私は即座に答えた。
「ないですね」
「やっぱりー。今日はまずはさ、ギルドを歩き回ろうか!」
「あ、はい」
「じゃあ、出発しんこー!」
「おぉー」
「テン子ちゃん、もうあまり手出していないけどギルドのデイリークエストってあるでしょ?」
ボスは歩きながら私に話しかけた。
「あれでね、ギルドポイント貯めて私たちはこの土地を買ったの!」
ボスは両手を広げ空を見上げた。
私は周囲を見渡しこの果てのわからない空間を見た。
ここの地平線は地球と同じなのだろうか?
それとも平面空間だったりするのだろうか?
地平線とは違いどこかで空間がブツ切りになっていてもおかしくない。
そういえばあの速度を出しているのに比較的威力が低い気がする。
もしかしたら低重力空間だったりするのか?
低重力なら跳躍力が高くなって威力は速度に比べ上昇率が下がる。
まぁ、速度が速くなればエネルギーは加速度的に増加していくけれど、質量が増減したところでエネルギーは比例するだけだ。
見かけ上差を感じにくいだろう。
地平線状態に見えるところが本当に地平線なのかが分からない。
地平線までの距離はその立っている星の半径が分かっていれば計算で求められる。
地平線までの距離が分かれば立っている星の半径が計算で求められる。
ここが星だとしたら後で計算してみようかな。
私が辺りをきょろきょろ見回している様が面白いのか、ボスは微笑ましいものを見るような目つきで私を見ていた。
私はそれを視界の端で見ているものの、辺りを見回すことを止めなかった。
私は自分が風景としても大して興味をギルドに持っていなかったのに気付いたからだ。
私自身が所属するギルドにすら視野狭窄で意識にも留めていない。
やっぱり私は見ているつもりで何も見ていないのだ。
欠けている。
こういう部分が欠けているから私が人間に成れないのだろうか?
私には余裕が足りないのか。
ボスは1番近い建物を指さした。
西洋風の洋館。大使館みたいな建物だ。
以前見たより少し装飾が増えている気がする。
「あれは来たことあるから大丈夫だよね?」
「はい、ギルド長館ですね」
「あそこは後日いくらでも話しできるから後回しで次いこー」
「はい。では後日楽しみにしてますね」
「ほんと!じゃあ張り切っちゃうから!」
私は微笑みながらこくんと頷きながらボスを見た。
ボスはガッツポーズをとって喜んでいた。
赤く継ぎ目のない硬く平坦な道、まるで赤いアスファルトみたいな道を歩き次の場所に向かって私たちは歩いた。
道路の敷き方が高速道路のようだ。
館みたいな施設をサービスエリアに例えると入口用のカーブした道と出口用のカーブした道がある。
道路は基本4車線。歩く人が左、走る人が右。
まだ乗り物がないようなのでそこまで恐怖を感じない。
インベントリがあるので荷物を運ぶ際に荷台を必要としないため乗り物を用意するメリットが少ないから一般化することもなさそうだ。
ロマン派が作る可能性は十分ある。
少ないメリットのうち1つは移動速度を揃えやすいのでパーティーの移動がスムーズに行うことができるじゃないかな。
魔法職は物理職に比べて身体能力の補正が低く移動速度揃えにくいから。
仲間内でわいわい騒ぐために利用する?
デメリットはギルド内以外で舗装された道路を見かけないこと。
つまりそんな速く動けないし難所は移動できない。
インベントリにしまって難所越えするという手がつかえそうだけどそれにしたってフィールドでは使用できない場所の方が圧倒的に多いだろう。
乗り物が出来るとしたら空中移動メインになりそうだ。
この世界でヘリコプターとか作れるのだろうか?
空中移動手段が作られたらサモナーが活躍できそうな場所がなくなる……。
早くとりちゃんとかからすみとか人が乗れるくらいに巨大化しないかな……。
まだ見ぬドラゴンやペガサスとかグリフォンとかヒッポグリフとかジンとか巨蝶とか……。
早くサモンモンスターを鍛えなければ!
それにしてもこの道路よく出来ている。
流れが止まらないように進行方向に角が出来ないようになっている。
これなら急いでる時も安心。
この費用はどうやって稼いだんだろう……。
「すごくきょろきょろしてるけど大丈夫?」
「え、あ、はい。大丈夫です」
挙動不審すぎてボスに心配されてしまいました。




