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63、解体中……

 密閉容器はどうしようか。

 今回の条件は肉が水に触れないこと。

 肉がふやけて変質しちゃうだろうから。


 圧力に耐えろとか求めてないからビニールみたいな袋があれば話が終わりなんだけどそんな都合がいいものない。

 いい感じの袋作るしかないか。

 革に生肉をつめるのは微妙だよね……。

 いやでも少し試してみようか。

 革には防水対策も雑菌対策もしてあるんだ。

 売り物にはならないだろうと思ったあの革を利用して保存すればいいだろう。


 氷というか凍らせることが出来るものってどっかで見たような……。

 あ、ボスだ。ボスの白いクナイ。


 ボスに手助けを頼む……。

 うーん、1日、2日という長時間を拘束しちゃうしダメだよね。

 頼んだ時点で考慮しなくてはいけなくなるからボスがどんな返事をしても後々社交問題になりそう。


 ここは1つサモンモンスターに氷系統の魔法を覚えてもらおう!


 カラスってなんか氷みたいな魔法が似合いそう!

 カラスの姿をした神様?で北欧神話のオーディンの使い、思考のフギン、記憶のムニンが意識の根底にあるのかな?

 何かの小説の影響か。


 少し調べてみても氷関係の権能をもっているカラスはいない。

 むしろ太陽に関係していることが多い。

 蝕や戦場、人食い、記憶や思考、知恵、不誠実などに関係していることが多い。


 ギリシア神話ではアテナはフクロウより賢いから初め使っていたらしいけど不誠実だからお役目交替されたらしい。

 ノアの箱舟では初めに外に出たけど帰ってこない。

 北欧神話でも朝行って世界見回って夕方帰ってくるはずなのに帰ってこない。

 ラグナロクの際も居なくなっていたとか。

 中国では元は10羽居た太陽の化身だったけど9羽射殺された。

 同時に10個の太陽が登ってきて蒸し焼きにされかけたからなんだけど。

 約束を守らない不誠実さの表れかー。


 で、どうするよ?次の町目指して行動かな?

 確か川原の先の先のフィールドが次の町だったか。

 水源が近くにないと町は作れないものなー。


 川原の次のフィールド、通称、川はひたすら長いってWikiに書いてあった。

 道中のモンスターも種類豊富で面倒だとか。

 レベル25以下だと戦闘で息切れしてしまうので近隣のフィールドでレベル上げろだって。

 私まだレベル20到達してない……。

 草原くらいしかまともに歩いた初期フィールドないもんね!

 森はいぬくんの独壇場だったし私に経験値が入る機会がなかったよ……。


 あ、そういえば森での移動はボスとパーティーを組んでいないからサモン出来るモンスターが増えているかな。

 サモナーのレベル上げにはサモンモンスターのレベル合計値もあったと思う。

 っていうかあったよね。

 サモナーのレベルが上がれば何かできることが増えるかも?

 ベースレベルとは違うからあまりステータス関係ないか。

 スキルのレベルが上がったところでベースレベルが低いという事実は変わらないんだよね……。


 手を動かしながら考え事を続けているとスマホのアラームが鳴った。


 時間の経過が早い。こんなにも早く2時間が経ってしまった。

 手元にあった動物の解体作業はようやく半分を超えた。

 これなら明日中に終わらせられるだろう。


 ギルドに挨拶を入れ今日はログアウト。


 明くる日もギルドに挨拶を入れ解体作業開始。


 明日からの予定はなんだったか。

 水曜は買い物しようとボスに誘われている。


 鞣し作業は木曜開始だ。

 木金土でミスをしなければ鞣し作業は終えられるはず。

 多少余った時間はサモンモンスター達とのふれあいに使えるだろう。


 次の日曜はクローを使って初期フィールドを回ろう。

 私がアタッカーになってサモンモンスターにモンスターを集めて抑えてもらえばベースレベルを上げられるはず。


 でもアチーブメントの偏り方でクラスアップする際の選択肢が変わるんだよね。

 その方法は物理系統の職業に目覚めてしまいそう。

 となるともっと考えた行動しないと。


 幻術スキルでサモンモンスターを補助していくのがベストになりそう。

 火力にはクローだってあるんだから出来るだろうさ。


 スライムの時にやったけれどまとめ狩り。

 集団を狩ることは火力さえあれば出来ることなのだ。

 いぬくんはレベルカンストしているしぬこにゃんにクローを装備してもらって戦おう。

 私がモンスターを集めてぬこにゃんが狩る。

 これなら十分いけるはず!


 いや、待て。ベースレベルを上げるのは川を抜け次の町に出るためだ。

 あ、でも行ったところでお金無かったら魔法関係に関われないかも。

 たぶん関われないような気が……。


 うん、今はしょうがないから鞣して革作ろう。

 皮の状態から加工しないと商品に出来ないものもある。

 特に骨からより皮から膠を作る方が一般的だ。

 画材としてだとか膠使うし革にまで加工しないだろうなぁ。

 それに鞣しだとか膠作り作業ってかなり時間がかかる。

 解体ギルドでそこまでしている余裕は無いんじゃないかなぁ。


 解体はATK参照だから私が包丁握っても解体出来ないのが時折あるんだよねぇ。

 いい装備ないと解体すらできないから大変……。

 ……クローで狩りしたら包丁じゃ解体出来ないのたくさん出てきそう!

 ぐは。金稼ぎ計画いろいろオワタ。


 ……そういえばクローの整備していない。

 整備費用も見繕わないとダメだ……。

 支出増加したー……。

 そういえばロッドどこにやったかな……。

 幻術って魔法とは別枠だから使ってないなぁ……。


 そういえばクローで解体出来るかな?

 出来ても包丁ほどうまく使えないのは確実だろうなぁ。


 あぁ、1人で考え込むから鬱っぽくなるんだ。

 とりあえずぬこにゃん、うさぎん、うしくんサモン!


 ここ最近ご無沙汰……いや、うしくんは初めてまともに呼んだ気がする!


 うしくんの不審そうな大きな目が心を穿つ。

 いや、ちょっと呼ぶ機会がなかっただけだよ!

 それにしても牛の目は本当に大きいなぁ。


 私は手に持っていた皮を置き……ぬこにゃんもっていかないで!

 しっぽフリフリご機嫌のぬこにゃんから皮を取り返しインベントリにしまう。

 ぬこにゃんの額を指で軽く突き、えーっていう顔をするぬこにゃんを抱え上げる。

 爪を出さないぬこパンチで抗議を受けた。

 なのでうしくんの背中に置いてみた。


 両者見つめあって固まった。


 私は我関せずと草を食べていたうさぎんも背中に置いてみた。

 うさぎんが、えっ?俺も?なんて顔している。


 1分後ぬこにゃんがうしくんに対して恐縮した面持ちになっていた。

 そしてうしくんは困ってしまってどうすればいいか分からないと困惑していた。

 うさぎんはぬこにゃんの後ろで船漕いでいる。


 私はその様子を見てとりあえずうしくんにもたれかかった。

 うしくんのサイズは子牛と成牛の中間の微妙なサイズ。

 サイズと裏腹に成牛のようながっしりした体格。


 でもうしくんなんでオス……。

 乳牛だったら牛乳の類欲しかったのに……。

 いや、子牛を生まなければ出さないから無意味か。


 牛乳1L作るのに血400から500L必要としているそう。

 血から加工して乳に作り替えるのは厳しいかなぁ……。

 乳腺細胞に赤血球を作り替える酵素があるらしい。

 酵素なら過度な熱を与えたりしなければタンパク質の変質など起きないだろう。

 成分調整を母体が行っているからあの味になるのだけどそういうこともうまく出来ないから無理かな。

 このゲームなら乳より血の方が入手しやすそう。

 乳に出来たら加工してチーズとかクリームとか作れた。


 ドイツのクリスマスは血のソーセージとブッシュ・ド・ノエルを食べるそう。

 血をそのまま加工した食品もあるくらいだ。

 血を加工してチーズやクリームが作れないか調べようかな。


 ちなみに新鮮な血だと生臭さだとかないのでかなりおいしいらしいです。 

 内臓とかと同じですね。

 どちらも足が早く時間が経てば臭くて食べられたものじゃない。

 だけれど新鮮なものはおいしい。


 うしくんが急に腰を屈めたので私は少しよろけた。

 うしくんは足を投げ出し寝そべりだした。

 ぬこにゃんとうさぎんは慌てながらもお腹側に立つことで潰されることなくすんだ。


 私は床に座りうしくんにもたれるとぬこにゃんの顔が私の顔と同じ高さになっていた。

 軽くのどをなでると1声鳴きもたれかかって寝始めた。

 うさぎんはというと既に寝ていた。

 しょうがないなと思い私は解体を再開した。


 サモンモンスター達をたまに見てなごみつつしていると、アラームが鳴る頃ようやく解体が終わった。

 時間が余計にかかった気がする。

 まぁ、終わったしいいか。


 私は挨拶をいれログアウトした。 






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