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48、ねずみんととりちゃんは

 予期していない遭遇だった。

 相手が何か目的をもって話しかけてくれたのは助かった……。

 目的もわからずだと何を話せばいいかわからず以前みたく恐慌状態に陥ってしまったかもしれない。

 相手がわたわたしていると私までわたわたしてしまい、混乱状態が加速してしまう。

 特に男性相手だと……あれ、私は男だよね?なんで男性恐怖症めいた状態が……。


 男性相手から話しかけられる時は敬語で話しかけられる。

 そして私も敬語で返事し徐々に女?など思われていく……。

 初対面でも付き合い方を考えさせる雰囲気でもあるのだろうか……。

 それは不良のような人でさえ変わらない。

 不良ってなめられたりしないようにするため威圧などしてくるらしいのに。


 めぐるんって女の子だよね。など一体何度言われたことか……。

 会って数日の人に言われるレベルで私は女の子しているのか……。

 おかまとか言われたことはないのが不思議でしょうがない。

 言われたくはないが。


 私の雰囲気が人に話しかけてもらえない原因なのだろう。


 くよくよ考えてもしょうがない。

 何か思っても事実は変わらない。

 変えるために何をするかを考えないと。

 

 今回は経験値稼ぎしてくれるようなレンタルの頼み方をしていなかった。

 彼らが急に進化するなんてことはたぶんないだろう。


 それと思い返せば私がサモナーとして大成するためには人型よりも特殊環境に強いモンスターである必要がある。

 通常環境下であればステータスが勝るプレイヤーにサモンモンスターが勝る点は特にない。

 プレイヤーは装備を変更することで幅広いフィールドで活動できる万能性がある。

 特定環境下でプレイヤーよりも有利に立ち回れなければサモンモンスターに価値がないのだ。


 レンタルしてわかったのはサモナーという職業がサモンモンスターの保管庫程度の価値しかないこと。

 サモンモンスターの真価を発揮させられるのはサモナー以外のプレイヤーだ。

 サモナー職のパーティーは頑張っても中堅が限度。火力が足りないから。


 だから特殊進化でいぬくんの長所を伸ばすようにしたのは正解なのだ。

 別に選択が間違っていたわけじゃない。

 特定環境下における適性が上昇することは喜ばしいことなんだ。


 モンスターの特殊進化は出来るだけしたほうがいいだろう。たぶん。


 いぬくんのアチーブメントを検証したところ大きな偏りがあった。

 やはり進化を考えると特殊な条件を満たさないといけないのだろう。

 アチーブメントからだけではわからない条件もあるのかもしれない。


 アサシンドッグに進化するためには忍者が育成に関わらなければいけないとか。

 忍者の武器を使わなければいけないとか。

 忍者の命令を聞かなければいけないとか。

 あとは……あまり思いつかない。

 ここに時間か回数か戦闘回数かが関係しているかもしれない。

 勝利回数とかもありえるかな。

 今回の育成では関係ないけれど死亡回数とかの育成条件も考えられる。


 こういう条件があったとして考えると私自身が育成しきるメリットはないだろう。

 武器使用が条件じゃない時サモナーだけでは作れないだろうなぁ……。


 レンタル機能を利用した進化条件の設定はされているのだろうか?

 そこまで条件付けを厳しくした場合システム負荷が大きいだろうなぁ……。

 バグりそう。

 今までバグに出会っていないのは奇跡?

 私以外にサモナーいないなんてよく聞くけれど、その場合私がサモナー関係のバグに出会う確率はかなり高いはずなんだよね。

 ほかにサモナーがいればその人がバグに出会って運営に報告し修正をかけられるなんてことあるだろう。

 ……私のストレスがないからあまり気にしていないけれどここまでバグに出会わない新職は考えにくい。


 私よりも先に進んでいるサモナーがいるのかもしれない。

 私よりもボッチを極めている?プレイヤーの噂にまるでならない存在。

 発見困難なプレイヤー?

 いや、それは困難だ。

 サモナーはどうしたところで火力がない。

 つまり低レベルフィールドをさまようことにならなければおかしい。

 お金をつぎ込んで武器を持てば……課金アイテムを売り払いゲームマネーを入手し武器を購入。

 初期、課金アイテムの価値は低いからどうしたところで安い。


 やり直すためにかかる時間が短くすむからだ。

 1日で作れるデータと何か月とかけて出来たデータ。

 価値は同じですか?思い入れは同じですか?違うだろう。

 だから課金アイテムはゲーム開始から時間が経つほど価値が高くなる。


 初期は課金アイテムを数売らなければいい武器を入手出来そうにはない。

 別に重課金プレイヤーがいてもおかしくないか。

 ここの会社の自称微課金が数十万課金していたのを知っているし。

 その人の重課金の基準が百万以上なのだろう。

 実際百万以上課金している重課金廃神勢の存在がいる。

 その人達を知っていれば数十万では微課金なのだろう。


 課金アイテムはあれば便利。インベントリの上限を増やしたり、いろいろな選択のやり直しが出来るから時短が出来る。

 それらをプレイヤー間でゲームマネーと交換することで仕事に忙しい社会人でもすぐに強くなれる。

 アイテム売買で通貨代わりに課金アイテムを利用することだってある。

 それらを加味してそんな金額を課金してしまうのだから人の欲はすさまじい……。


 たぶん私の先輩に当たるサモナーは重課金社会人プレイヤーだろう。

 ログイン時間自体は短いはず。

 じゃなければ私が唯一のサモナーなんて噂を聞かないはず。


 そういう人がいるからサモナーが存続できるのかもしれない。

 他の職業に比べ情報量が多い、バグを量産するかもしれない、プレイヤーに悪影響を与えるかもしれない。サモナーはそういう職だ。

 重課金プレイヤーがいないなら簡単に廃止されてもしょうがない職だろう。


 サモナーの先輩がいるとすれば会ってみたいな。

 色々未確認の情報を入手できるかもしれない。

 おすすめの武器などあるかもしれない。


 今日は膠が完成する予定日だ。

 少し忙しくなるかもしれない。

 遊んであげる予定のサモンモンスターはカニちゃんだ。


 生存本能が強そうで遊びの概念があるのか気になる……。

 遊びの方法が思いつかない子、パート2。


~~~~~~~~~~~~~~~~


 ログインしました。

 スマホを開きチャットを呼び出そうとするとメールがたくさん届いていた。

 戦闘したのか……。


 ねずみんととりちゃんはカンストしてたのだった。


 スモールマウス【ねずみん】は進化できます。

 進化可能種族

 通常種族

 スモールラット

 体重1キロ。体高0.2m

 戦闘能力が高くなった大型のネズミ。体が大きくなり全体的に能力が上がった。


 特殊種族

 ハングリーマウス

 体重0.5キロ。体高0.05m

 体の大きさの割に非常に重いネズミ。食べた物を高密度に濃縮し身体能力を高める。

 食事が足りないと力が出すことができない。


 スモールバード【とりちゃん】は進化できます。

 進化可能種族

 通常種族

 ラフィングバード

 体重0.3キロ。体高0.3m

 別名、嘲笑鳥。体が大きくなり声が低くなり鳴き声が嘲笑するかのような癇に障るものになった。


 特殊種族

 ハッピーバード

 体重0.1キロ。体高0.05m

 幸運を約束してくれる……かもしれない。


 なんだろう。この微妙な選択肢。


 特にとりちゃん!

 進化する選択肢がひどいよ!

 鳴き声が癇に障るか、不確定の幸運かとか!

 選ぶのはハッピーバード1択だけどさ!

 癇に障る声なんて聞きたくないし。


 ねずみんは体が大きくなるか、燃費の悪い食いしん坊になるかか。

 体が大きくなったら小型動物の強みがなくなるしハングリーマウス1択だろう。


 ねずみんの能力は一見強そうだがどうせ落とし穴があるだろう。

 上昇率が低いとか、満腹上限があったり、上昇率上限があったりするとか。

 もうどんとこいやー!


「とりちゃんが青くなった!」

「ねずみんが白くなった!」

「あ、こんばんはです」


 なんかボスも似たような事していた気がする。


「お、テン子ちゃんがログインしたのか。

 つまり、これが進化なんだな」

「です」

フォロさん(ギルドマスター)に言われて戦闘してみたんだがすぐカンストして驚いたよ」

「ちなみにどういう方法で戦いましたか?」

「俺のほうはモンスター探しと気散らしかな。

 攻撃力は俺で十分足りるんだが隙が少ない敵相手だとかなり有効だったんだ。

 戦闘がすごくやりやすくて感謝したよ」

「俺も同じだ」


 パンダもグリズリーも白熊も身振り大きくお互いの感想を言い合っていた。

 ねずみんもとりちゃんも敵に突っかかっては攻撃を躱すという手法をとり敵の集中を削ぐという仕事をしていたようだ。

 足手まといにならなくてよかった。

 ただ戦っていた相手が全部先のフィールドのボスらしいのはすさまじいですね……。

 それをほぼソロで倒すなんてプレイヤー格差がすごいです。


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