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40/110

40、お金がない。

 いい加減さっさと鞣し終わらないかな?

 時間かかりすぎなんだよ!

 現実2か月かけて革1枚作れてないとかないよ!


 調理スキルの火は意識してないと消えちゃうし離れると消えちゃうし鍋は熱くなってて持ち運べない!


 うさぎんのお腹を揉み、いぬくんを枕に、ベットで横になりながら開けっ放しの扉から外にある鍋を睨んだ。とりちゃんがうさぎんを睨んでいるのは何故だろう?

 いぬくんが「しゃーない、背中貸してやるからそんな顔せんといて」とばかりに顔を舐めた。

 私は寝転がったままいぬくんの頭をなでてあげた。


 これ(燻製)が終わったら私はフードを作るんだ……。


 私がやったことのないことをやるのは処理容量的問題で出来ない。

 やったことのあることなら意識しなくてもある程度できる。

 でもこの待ち時間。やることが思いつかないなぁ……。


 ……なんか窓に不審者がいます。警察呼びましょうか。


「すみません。警察ですか?」

「ちょ!……ってLINEだから大丈夫か!」

「ではGM宛にメールでもして大丈夫ですね」

「OK。落ち着こうか」

「で、ボス何不審者しているんですか?」

「いい絵が撮れるか、ポイントを探していたんだよ」

「ふーん」

「後、女の子が部屋で普通に生活している動画を生中継」

「……」

「小説で見て知ったんだけどそういうサイトがあって売り上げを出しているらしいんだよね」

「……。私も知ってますが……」

「え、こういうことに興味あるの!」

「濫読家なので役に立たない、立てる気のない雑学は多少知ってます」

「ふーん。で、君ならそういうことをされても気にしないんじゃないかなって思いながら」

「ギャラください」

「……言うと思ったよ」

「少しそのサイトについて調べますのでお時間を」

「はーい」


 ネットである小説の妖精の庭の回について調べてみた。

 分類としてはネット風俗らしい。

 ……生中継、一歩間違えれば風俗になるのか。

 どんな目的で見るのかが問われているのだろうね……。

 性的な視線で見られればそれは風俗の区分になるか。


「風俗扱いのようですね。動画をあげても大丈夫とは思えません」

「そっか……。PV稼げそうだとは思うんだけどなぁ……」

「今まで通り生産現場をあげるだけならPVの3%分のお金。

 ゲーム内通貨もしくはアイテムでください」

「了解、了解」

「隠れて撮っているのを見つけましたら風俗目的の盗撮魔としてGMに言いますから」

「念を押さなくてもそんなことしないよ……」

「……」

「いや、そんな目で見なくてもしないからね?

 そんなことするのは私の主義に反する!」


 見ていたのはこの収拾をどうつけようか悩んでいたからです。


「信じてないな~?」

「いえ、信じてますよ?」

「しょうがないなー」


 信じてないって思わせたのかな?

 ここで下手に弁解しても信じてもらえないだろう。

 こういう手合いは物語でよく読むもの。


「本当に私はしないからね?」

「そんなことはもういいです。

 下手な弁解は誤解を深めるだけなのでいいませんよ」

「むぅ」


 これでフラグは潰せただろうか?


「ん、焦げ臭い……」

「皮大丈夫かな!」


 結論、大丈夫でした。

 調理スキルの火は弱い熱源でしかなく皮が燃えるほどの熱量はなかったためだと思われる。

 内部の枝が完全に黒く炭化し粉末になっていた。

 危ない。次に炭化するのは皮だった。


「セーフ」

「おぉ~。で、それなに?」

「ネズミの皮を鞣したもの。完成品」

「ネズミかー。

 ちょっと鑑定させてー」

「鑑定?」

「私は商人でもあるのだよ!」

「んとそれで?」

「商人のスキルには目利きっていうのがあるの、知ってる?」

「んーん」

「まぁ、そういうスキルがあってね。

 商品価値としてどの程度の値段になるのかの判断の基準にできる数値がわかったり、その特徴が見えたりするんだよね!」

「ふむふむ。商人らしいスキルなのかな?」

「メンバーの製品を調べるのにいつも利用してるのだよ!

 私の目が節穴だったらギルドがひどいことになるからね!

 それにカメラマンとしても目が良くなかったらひどいからね!」

「なるほど。そのスキルは非常に優良ですね!」

「もう私の目そのものだよ!」

「そこまで言うほどなんですね」


 会話が止まった。

 ボスの顔が何を言おうか、でも思いつかないといったような感じで、目が戸惑い口の端が歪んでいる。

 あぁ。いつものだ。

 私のコミュ障は話している人に伝染する。


 いつも笑顔でいるから本当に笑っているのかが判別つかないらしい?

 無表情など笑顔でない場合一緒にいる相手が困ってしまうのでしないようにしている。

 周囲の人が不愉快にならないようにしているから人が避ける人にはならないけれど空気感がすごい。


 相手がテンション高くしゃべっていてもこちらがそのテンションについていけない場合どうしたところで相手が冷めてしまう。

 チャットだとテンションが伝わらない。

 まぁ、地声でも音痴が響いているのか、うまくトーンが上げられないので無意味か。

 私はこれだから観賞用扱いされるのだ。話すとつまらないという意味で。


 トーンってどうやって上げるんだろう……。


「あの……革の目利きしてもいいですよ?」

「あ、そういえばそうだったね!」

「鞣し終えたですし皮は革になっているはずです!」

「ふむふむ?皮と革ってそういう違いなの?」

「皮のままだと腐りますね。革は皮の腐る性質をなくしたものです。

 保存性を高めるために必要な作業なんです!」

「ふーん……。

 お、この性質、皮系のアイテムには普通はないじゃん」

「革ですから!」

「鞣すのを面倒がる連中がいるせいで皮系アイテムはすぐ使えなくなる印象が強いんだよね。

 動画を見て作った人はそのかかる時間の長さと成功率の低さに嘆いてた。

 良質の革系アイテムは金属系アイテムよりも希少価値が高い。

 初期フィールドにしてはいい値で売れるアイテム作れるはずだよ!」

「おぉ~」

「完成度が45%、防腐性34、防水性36、耐久値が50ね」

「?」

「この革の見立てだよ」

「ふむ?低い?」

「うーん。ちょっと低いかな?」

「放置期間が長かったからね……」

「原因が分かるんだ!」

「レシピに則った時間が守れていなかったもの……」

「そっかぁ」

「次は失敗しない!」

「頑張って!」


 駄作を作っちゃったなぁ……。

 まぁ、いいや。当初の予定のネズミフードに仕立て上げようっと。


 テンは自然界では捕食者の側だから狙われにくく警戒されやすい。

 ネズミは被捕食者なので狙われやすく警戒されにくい。


 フード被るだけで効果が得られるかは疑問だけれど効果があればいいなぁ。

 テンはネズミや小さなトリ、ウサギなどを食べる肉食でお肉が不味く、ネズミはムシや草木、木の実などを食べる雑食性でそこまでお肉は不味くないらしい。

 食べてる物が草木だとお肉にビタミンでも配合されるんだろうか?

 アザラシを主食とするホッキョクグマの肝臓はビタミンAが豊富すぎて食べたら毒だなんて話もあるから肉食だからビタミンがないというわけではないだろう。

 魚を主食とするアザラシの食いすぎで生体濃縮が起きた結果ホッキョクグマはビタミンAを肝臓に蓄えすぎて毒になるのかもしれない。


 でもこの革どうやってフードにしようかな……。

 あ、道具作成のスキルツリー取らなきゃ。

 まずはそのお金を集めなきゃ……。


 金策が大変だ!


 スライム玉を売り払って……購入するスキルは3つ目だから2700Yだから270個か……。

 手持ちに210個程あるから売り払って……

 残り60個程必要だから1時間であつめきれるかな?

 今日はスライム達で教育だ!


 ウサギは剥ぎ取りの手間があるので即金にはならない。

 さっき狩ってきたウサギはスライム軍団を処理してる合間に剥いでいくことにしよう。

 今日の残り時間はここに使おう。


















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