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22、調理部門

 自分の嫌なことは人も嫌だ。

 では自分が何も嫌に思えなければ人も嫌に思わないのか。

 違うだろう。

 だから私は人が、これは嫌だな。っていう話を聞くと私はしないように注意しようと思う。


 ただそこを気にしすぎても人は嫌だという。


 欠点もまた愛嬌だ。ということも聞く。


 どこまで気にすればいいのかが分からない。

 人間はめんどくさい。


 雑談の話題を気にする。

 周囲が何を話しているのかを聞き判断し会話に加わろうと努力してみる。

 1人になってる人とは話ができた。

 2人以上になっている人には上手く関われなかった。


 何を話せばいいか、何を相手が望んでいるか。

 想像して話しかける。

 タイミングも考える。


 文章を読む。

 その書き方から作者がどういう風に考えて話をするかが分かるから。

 多くの人に売れている本を読む。

 共感する人が多い。もしくはそうありたいと思う人が多い。興奮できる人が多い。

 そこから一般の価値観を学んでいく。

 自身の価値観は分からなくなった。


 価値観とは感情と同意義だ。

 何かに対して嬉しい。憤る。悲しむ。楽しむ。という価値を見出すのだから。

 自身の価値観が分からないということは感情を失うことと同意義だ。


 私は自身に役割を与える。

 この役割(立場)ならここを優先しここを捨てるだろう。

 役割を見出せば必然と価値観が作られる。


 でもそれは私自身の価値観だろうか?


 もう私は自分が見えなくなった。


 ただ思う。私は自分を語りたい。

 役割ではない自分を語りたい。

 私という価値観を元に人と話したい。

 私は人と雑談ができるようになりたい。


 でも私には役割という意味での価値観しかわからない。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 私は調理部門のところに行った。

 4人のプレイヤーがやがて集まった。


「よろしくお願いします!テン子です!」

「よろしく、僕はツナだ」

「よろですー。僕はこんですー」

「よろ。俺はシルバーだ」


 お昼に会った【こん】という背の高い狐獣人の男。

 【ツナ】と名乗る黒豚獣人の男。180㎝くらい。

 顔面を豚にするとはネタに走るなぁ……それとなぜツナ(マグロ)?そこはハムだろう。

 【シルバー】という銀色の狼獣人。

 狼頭がやたらとかっこいい。2mくらい?


 ちびっ子はダメですか?

 みんな大きいです。


「集まったが何するんだろうなぁ」

「そうですねー。ギル(ギルド)マス(マスター)から何か話があるかもしれません。

 少し雑談でもどうですかー?」

「そうだね。じゃあ、軽く自己紹介でもしようか。

 言い出しっぺの僕から時計回りでいこう。

 僕はツナ。コックと剣スキルのツリーをメインに鍛えている。

 得意料理はマグロの海鮮丼」

「おー。コックか。生産メインで行く気満々だな。

 俺はシルバー。ファイターと調理スキルのツリーをメインに鍛えている。

 得意料理は焼き肉」

「へー。じゃあお肉はシルバーさんに任せようか。

 海産物なら僕に任せてほしいな」

「次は僕の番だよー。

 僕はこん。シルバーさんと同じでファイターと調理をメインにしてるよー。

 得意料理はサラダかなー」

「こんさんはソースを考えるんですか?」

「野菜は切り分け方によっても味が違うんだよー。

 簡単に言えば千切りキャベツと葉っぱをちぎったキャベツは違うっていう感じかなー。

 付け合わせのソースも重要だねー」

「なるほど。いろいろ考えることが多そうですね。

 私はテン子です。サモナーと調理スキルをメインに鍛えています。

 得意料理はあまりないですがWEBにあるレシピを参考にいろいろやってます」

「ふーん。サモナーって大変なんだっけ?」

「ですね。火力はない。サモンモンスターは倒せる敵しか召喚できない。

 初期のうちはスライムとカニくらいしか倒せないですね」

「ひどいな……」

「サモナーって町でも見かけないね」

「補正も低いので職業としてはイロモノ枠ですね」

「でもサモンモンスターはかわいかったね」

「かわいさしかないですね」

「それ言っちゃダメでしょー」

「テン子さんはチャットの吹き出しでしかしゃべる気はないんだ?」

「子供の姿で大人の声が出たら不気味じゃないですか」

「そっか、そうだよね」


「はいはーい。とりあえず部門で仲良くなったところで話をするよー」


「ギルマスが叫んでいるし話を聞こうか」

「だねー」


「まず部門のリーダーを決めちゃいます!

 リーダーは月末に次の人に交代するから気にせずね。

 リーダーは私に近い……えぇ!逃げないでよ!

 じゃあ部門で1番遠かった人!」


「あちゃー。僕かー」

「こんさん。よろしく」

「面倒な仕事が多かったらいやだなぁー」

「その時は手伝うさ。次は我が身って奴だからな」

「ありがとー」


「リーダーの仕事は部門にギルド全体の連絡事項を伝えることね。

 簡単なことならギルドチャットで話すけど複雑だった場合示さないと分からないかもしれないから。

 リーダーはIN(ログイン)したら1度はギルドに来てね。

 ほかの人は基本自由行動で!」


「特に制限はなさそうだね」

「変なことがなさそうでよかったよー」


「ギルドで行事をするとき参加可能な時間帯をまとめるのもお願いね!」


「まぁ、それくらいならいっか」

「緩い感じでよかったー」


「とりあえず以上!では自由に行動しましょう!

 アウフヴィーダーゼン!」


「どういう意味?」

「ドイツ語でさようならっていう意味」

「よく知ってるな」

「高校で習ったから」

「大学じゃないんだ」

「ドイツ語は高校。だいぶ忘れてるかな」

「ふむふむ」

「あ、もう午前2時になってる。

 ごめん。これ以上は付き合えないかな」

「おつかれさまー。僕も落ちるー」

「お疲れ様です」

「では、さようなら」

「おつ。俺も寝るか」

「じゃ、みなさん、おやすみなさい」


 時間も時間なのであっという間にギルドから人の姿がなくなった。

 私は寝てたこともあり疲れが薄いので1狩りしてから落ちる(ログアウトする)ことにしよう。


 ギルドから出ると外は日が射していた。

 金曜の午前2時はゲーム内時間で14時。昼なのだ。


 現実時間で人が減っていく時間であることもあり狩りやすいポイントもたくさんあるだろう。

 あと2時間しっかりレベリングしていこう。


 今回通うのは林です。

 昼なら倒せるモンスターがいるかも。

 夜に出るモンスターは大きいものが多いらしくカニちゃんでは足止めが出来ない可能性が高い。

 おバカなモンスターに出会えるといいですね……。

 切り株にぶつかって死んでしまうウサギとか古事にあるけど実際はどうなんだろうか?


 1つ、スライムの楽園のグラフィックの凝り具合と比較して物申したい。


 この林はどこの近所の雑木林ですか?

 町の近所の林だからこの程度と言いたいのだろうか……。

 前回入ったときはさらっと見て林って判断した。

 今回はよく見てみた。


 茶色い枯れ葉で敷き詰められた地面。

 幹の細い木や低木の密集具合。

 青々した細長い針葉樹。


 見事に田舎の集落傍の雑木林です。


 まぁ、ウサギやタヌキといった比較的小型の哺乳類が出そうな林ですね。

 ネズミやコトリが被捕食者としているかな。


 で。エンカウントしました。


 蛇です。シマヘビサイズの小さな蛇とエンカウントしたのでした。

 頭は丸いのでたぶん毒はない。


 近づいてきたので掴んで抑えてカニちゃん、ねずみん、とりちゃんで頭を一斉攻撃。

 体に巻き付いたりぐるぐるしたり抵抗してたけれど頭を潰されれば普通に死ぬんです。


 ねずみんやとりちゃんは丸のみの危険があったけれど私サイズであればそんなことは起きない。

 また蛇は毒をもつ蛇以外犬歯をもたないので噛まれても痛くない。

 噛む力も弱いのでなおさら。

 首を抑えれば飲み込むこともできないので事実上無効化出来るのだった。


 でもサモンモンスターのレベル上げといてよかった。

 鱗があるため防御力が高めだった。

 包丁の刃が鱗を切れなかったのだ。

 解体できない……。


 しょうがないのでドロ抽選したものの何ももらえませんでした。

 確率が悪いのか、運が悪いのか。






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