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14、ギルドに

 手始めにスライムに対して印象操作を使ってみた。


 スライムは敵だ。


 8字……。これくらいしか書き込めないのにな……。


 スモールレッドスライムは印象操作のレジストに失敗した。


 あ、スマホの戦闘チャットのログにこんなの流れてきた。


 印象操作をかけたスライムは他のスライムを襲い反撃された。


 スモールレッドスライムの印象操作は解けた。


 ……。攻撃されると解けるのかな?

 これは中々扱いが難しそう。

 カニちゃんは味方と印象操作すれば捕まえることが出来るかも。

 これなら攻撃1撃で解けるスキルでも大丈夫そう。


 画像はどうしようか。

 ここの木とあそこのでかい岩でいいかな。

 スマホで写真を撮ると幻影操作を発動してみた。


 まず地面の一部を対象に木の幻影を設置。

 スマホの画像から縮尺変更が出来たので最大サイズを試してみた。

 現状10mが限度でした。実物よりも小さくなった。


 そのすぐ隣に生やそうとすると設置できませんと戦闘チャットのログに表示された。

 木の枝がぶつからない場所にまで行くと幻影が設置できた。


 個数に限界があるのか、範囲に限界はあるのか調べてみた。


 個数の限界は10個。範囲はスキル行使者から半径20m。

 幻影同士がぶつかる場合設置が出来ない。


 危惧していたことだが幻影は裏から見ても同じだった。

 真っ白ではなく裏からも同じ画像を張り付けていたのだ。


 生物でやれば前後に顔がある物になるかもしれない……と思ったが情報が足りないためスキルが使えませんと戦闘チャットのログに出た。

 生物の場合全身が映っている動画が必要になるらしい。

 生物でないなら出来るということで漫画のイラストをWEBで拾って転写してみた。

 出来ました。


 漫画は3Dにすると違和感しかない。


 巨乳キャラだしてみたら胸がすごく飛び出してます。

 あと目が大きすぎ。


 貧乳キャラは目が大きいくらいで特に問題はなし。

 毛穴とか見えないから爬虫類っぽいテカりとか髪の毛が板っぽいとかあるけどね。


 ねんどろいどの写真だとわりと普通に見える。なんでだろ?

 ちなみに最大サイズは10mでした。……とても大きいです。


「おぉ!〇まるちゃんじゃん!」


 後ろから声が聞こえたので振り向くとギャラリーが……。

 なしてこんなにギャラリーにかこまれるん?


 飯テロ注意、グロ注意、巨大物体がわいてきますだから?

 うーん。とても嗅覚や視覚に鮮やかに写りますね。

 逃げる?


 ……きれいに囲まれてます。


「黒い獣人サモナー、解体幼女テン子ちゃん!じゃん」


 なんでしょう、そのなんか中学の図書館にあった撲殺〇使ドク〇ちゃん!みたいなアクセント!

 アニメあるらしいですね……見てないですが。


「ねぇねぇ、ちょっとこっちに来てよ」


 ちなみに今日は週休の日でした。平日、朝の午前6時。なんでこの時間にこんなに人がいるんだ!


~~~~~~~~~~~~~~~~~

 備考枠


 ニートの活動時間は大体午前12時から深夜3時。

 地味に9時間くらい寝ているんですよね。

 ログインは週105時間くらい……。


 社会人は休日であればがっつり午前10時から深夜2時。平日はあまり見ない。

 ブラウザゲームだと仕事中に遊ぶデスクワーカーをよく見かけるがVRMMOでは流石に出来ない。

 その分PCで情報を十分漁ってから休日がっつりやっていくので効率的に強くなるプレイヤーが多い。

 ログインは週16時間くらい。


 ゲーム以外に趣味はないっていうプレイヤーが多いからがっつり課金ブーストかけるのでニートを超える強キャラを持つこともある。

 課金アイテムが欲しいゲームマネー裕福勢からゲームマネーを巻き上げるのでゲームマネーも自分で稼がないでいいし経験値稼ぎだけすれば即最前線。


 学生は平日午後3時から深夜0時、休日だと午前8時から深夜0時まで。

 ログインは週70から77時間。

 課金ブーストは小遣いでやることがありその額は月1000~10万円くらい。

 まったく課金しないでやることが多い。


 主婦層は午前9時から午後6時、夫の帰りが遅い場合午後9時くらいまで遊んでいる。

 夫婦仲がいい場合夫と休日は旅行に行く人が多くログインしていない。

 ログインは週54から72時間。

 あまりお金をかけない人もいる中がっつり100万単位で課金する人もいる。

 どこの富豪の奥様なんだろうか?


 ちなみにゲームしている主婦の人は皆幸せそうで夫婦仲が良かったです。

 ゲームで憂さ晴らしと社交を出来たからでしょうかね?

 田舎でも近所付き合いうすくなってきていて社交は出来ないですから。

 現実の井戸端会議は幼稚園の時以前しか見たことないですね。


 結論を言うと普段午前6時にログインするプレイヤー層はいないということ。

 ニートも社会人も疲れて眠り学生もこの時間は眠ってることが多く主婦は忙しい。


 私は黒い会社に勤めてるわけでないし独り身なので忙しくもない稼ぎ時の時間。

 プレイヤーがあまりいないからモンスターがたくさんいる時間。


 私のログインする時間は平日2,3日に1度、午後11時から午前4時。休日午前4時から翌午前4時。

 ログインは週34から39時間。デスクワーク社会人よりは多いけれど他のグループには負ける。

 時間帯は世間一般のグループとは被らない時間が中心。騒ぐ人も少ない。


 ちなみに1時間のVR機器付きネット喫茶利用料は平均300円程。

 たいていフルで稼働しているため元をとるのに5ヵ月~7ヵ月程度ですむ。

 1月21万程稼いでくれるのだ。


 もしフルタイムで入れるほどユーザーが裕福なら購入しているだろう。

 学生なら月280時間つまり8万4千円程度。1年で100万近い額になる。


 主婦やニートや学生は実のところそこまでログイン出来ていない。

 まぁ、廃ニートは個人機器もってるだろうけれど。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 あ、そうか、まだこのゲーム過疎ってないのでそもそもの分母が大きいからこの時間に来るプレイヤーも少なくないのか。

 私みたいな時間配分でくるグループもいないわけではないのだろう。

 どこの職場なんだか。


 で、彼らは分類するとニートか社会人の可能性が高い?

 学生はこの時間まだ入店出来ない?

 成人だということは想定できた。


 会話の内容を予期することはあまりできない。

 幻術スキルで実験していたこと。

 解体という言葉を使っていたことから生産スキルの解体について既に情報があるだろう。

 幻術スキルについてしか知りたいと思うことはないはず?


 落ち着いてモチ搗いて行ってみるのだ。


「何か御用でしょうか?」


 ギャラリーは何故か空気を緩ませながら雑談していた。


「本当にLINEの吹き出しで答えてるよ」

「生吹き出し!」

「おま、言いかたw!」

「はいはい、テン子ちゃんってどこかのギルド入ってますか~?」

「俺のところに来いよ!」

「私のところよ!」

「お、おらのところに来てほしいんだなぁ~」

「お前ふざけた話し方するなよ!普段まともにしゃべれるだろうが!」

「さっきのって幻術スキルだよね?」

「獣人の種族スキルだ。wikiにもうのってただろ。お前は見てこい」

「生産ギルド【けもけも】に入らない?」

「料理人ギルド【フードファイターズ】においでよ!」

「解体ギルド【ジャック・ザ・リッパー】がお前の居場所だ!」


 ギルド勧誘が目的でしたか……。

 スキル関連はもうwikiに上げ済みとはお早い。

 まぁ、まだ初期だから探究もある程度早いのだろう。

 うーん。


 うーん。 


 え、本当にどうしよう?


「サモナーなのですがギルド入れるのですか?」


「そんなの周りのモンスター見ればわかるじゃん」

「いつもスライムに乗って移動しているじゃん」

「カニを頭に乗っけといて何を言ってるんだ?」

「そこのうらや……けしからんネズミがモンスターだと知らないとでも?」

「あの草原に初めて来た時の容赦ない解体の動画とか見れば君のセンスがわかるさ!」


 解体幼女言われましたもんね。


「では主な活動時間について質問です。

 1番活発に活動している時間はいつですか?」


「私のところで活発な時間は午前0時から午前2時かな。

 IN(ログイン)したら挨拶している人は答えるのが約束ね。

 たいてい誰かしら答えるからいつでもOKよ」

 耳からして狼?犬の獣人種はいなかったはずだからあの形は狼だろう。

 赤い狼のお姉さんが生産ギルド【けもけも】の人。

 名前はフォロ。


「俺のところもほとんど同じだな」

 紅髪黒瞳のがっしりしたおっさんが解体ギルド【ジャック・ザ・リッパー】の人。

 名前はマイケル・オストログ。

 戦闘ギルドと言われたら納得できる風貌だろう。


「僕のところもそうだね」

 緑髪緑瞳、耳の先のとがり方からしてエルフの兄さんが料理人ギルド【フード・ファイターズ】の人……。

 フードファイターって大食いの人だよね!?

 そんな人にまるで見えないよ!

 ……あ、筋肉以外で太くなることはないんだった。

 名前は菜食主義者。

 ……エルフって確かにベジタリアンだっていう認識あるよね。


「そういえばなんで私を誘いにここまでの人が?」


「ギルド誘いに来たのはたぶん3人だけだぞ」

「君が幻術スキルで派手なことしてたから集まったんじゃないか」

「1人でもあそこまでする君だからギルドに加われば大いにインスピレーションが湧くと私は思って探してたの」

「おいおい。それは俺のセリフだな。

 あの戸惑いのない手つき。覚悟はかなりあると見えた」

「君なら(視覚的に)おいしい(おもしろい)料理を作りそうだ!」


 エルフさんはベジタリアンだろうが!


 まぁ、皮をなめして干す場所が欲しかったことだ。

 とりあえずギルドに入ってみよう。

 空気が合わなければ断って抜ければいい。


「ちょうどギルドを作るか入るか考えていたところです。

 渡りに船だったので入らせてもらいます。

 調理スキルをもっていますので、解体で様々なアイテムが入手出来ます。

 これらのアイテムは調理には向かないだろうというものもあります。

 解体だけをやりたいわけではなく生産も楽しみたいので生産ギルド【けもけも】さんのところに入らせてもらいたいと私は思います」


「よっしゃー!」

「ち、しょうがねぇな。気が向いたら来いよ!お前ならいつだって歓迎できそうだ」

「残念ですね。君なら(視覚的に)おいしい(奇天烈な)料理がたのしめそうでしたのに」


 なんかエルフさんの発言に副音声が聞こえるのはなんでなんだろう?







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