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11、鍛冶屋街散策

 カニしゃぶを調理していると数人のプレイヤーが来て合計15本買っていった。

 幻術スキル購入まであと最低22本。NPC売りで最大36本。

 カニはハサミ2本と足8本。食用に向かない小さな後ろの足2本を除くので足は6本

 最低6匹狩る必要がある。6杯?その談義はまた今度で。


 この日累計で売れた本数は24本。倒したカニの数は4匹。

 完売でした。


 次INする時も売ろう。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 川原につくとそこにはプレイヤーの集団がいた。

 売れそうな物を売る。当たり前の話だね。

 単価は18~24Y。

 高い物も安い物も素材は同じだというのになんで値段に差をつけるかな。


 処理の仕方が微妙ですね。高い人程手抜き率高い。

 ぼったくり店ですね。買いやすいところほど多い。

 値段も値段で大した差がないもんだから買う人がいる。

 カニもみんなポップした瞬間に店主猛ダッシュ。

 サモナー?いませんよ。

 私がのんびり狩る場所なんてなくなってた。


 チャンネル変えても狩るカニがいないのでやむなく移動を開始した。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 私は町に入りのんびり時間つぶしを開始。


 鍛冶屋街に入ってみるとそこはもう鍛冶をするプレイヤー達がいた。

 私はまだ出だしのフィールドに躓いているけれど普通の戦闘職はすでに山とか鉱石を拾えそうなところに到達しているのだろう。

 入口付近には幻人種の区枠にあったドワーフの姿が多く見られた。


 ドワーフ。

 テクニックが必要なパワーファイター。

 普通の人はその背の低さでギブアップをしてしまうことが多い。

 鍛冶に関してのメリットが多く戦闘では盾戦士やカウンターファイター、範囲殲滅特化のファイターが多い。テクニックがとても重要で一般向けではない種族だ。

 ロールプレイ(なりきり)が好きな人から鍛冶廃人まで需要がある。


 ロールプレイ勢の装備はピンキリなのであまり見ない。

 ガチ勢の装備は相場確認をする人を代理人に販売してることが多い。

 今の段階でそんな人を持っているのは限られる。

 前のゲームのつながりの知り合いでもなければ持ち去りなど警戒しないといけないからだ。

 短期間で仲良くなってそんな事頼んだら怖い事態になることが多いだろう。

 詐欺を働く人にとってそのアカウントはトカゲの尻尾だから。


 見ず知らずの人に代理人を依頼する場合大体2つの方法がある。


 代理人が同等の品を担保になる方式か。

 代理人に装備を売り装備を代理人が売り払った差額を報酬にする方式か。


 安心できる方法はこの2つ。


 後者は転売と呼ばれることが多く仕入れ値があまりに低く売値が高いと代理人の印象が悪くなりやすいので注意。

 実際かなり安く買いたたきしれっと高値で売る転売プレイヤーもいる。

 すごく悪い印象を受けるので晒し板(2chの匿名掲示板)に晒す人もいる。


 前者が圧倒的に優勢なのだけれど担保を用意できないことが多くあまり多くいない。

 だから鍛冶師本人が売らないといけないことが多いはず。


 吹き出しが出ている人を見つけよう。

 おおよその相場がわかるはず。


 相場の見方として注意するのはあまり高い値段や低い値段は気にしないこと。

 不安定な時は3割以上、安定している時は6~9割程度の人が出している値段が大まかな相場。

 数を見ないことには判断がつかないし情報によっては急に需要が高まり値段が高騰することもある。


 相場は一定だとは思わないこと。


 メンテで急に価値が高まるアイテムがあれば下がるアイテムもある。

 例えば今最高の火力を出す武器がある。

 供給量は少なく需要は高いので相場としても値段は高い。

 けれどメンテでより高い火力の武器が出た。

 メンテ前まで需要の高かった武器は売りに出され、メンテ後最高火力の武器を手に入れようとする。

 需要は下がり供給量は最前線が売り払うので増える。

 そして大幅な値下げが起きる。

 その後供給量が減り需要も多少はあるので少し揺れ戻りある程度の値段で少しとどまる。

 この需要はその時必要とするプレイヤー数なので時期によって上下する。

 その度に値段がずれるため、相場がぶれるのだ。


 街を歩けばプレイヤーを見ることが多い。

 160~170㎝の普人種男性が一番多くだいたい5割。

 戦士と魔法使いを彷彿とする恰好で今はまだ地味な色合いの装備が圧倒的多数。

 チンピラのように人に絡むことを趣味としているようなプレイヤーはいない。

 スタスタと歩きながらたまに吹き出しを出しているプレイヤーに何事か尋ねるという風景が広がる。


「高いよ、ねぇ、もっと安くしてくれない?」

「いくらくらいがいいんだい?」

「うーん……。」


 あぁ、この客は相場が分からないけれどとりあえず値引き交渉しようっていう客だ。

 転売する客になりやすい。


 売る方もとりあえずこの値段で並べとけばいいんじゃないというタイプで相場をそこまで気にしないのだろう。

 だから相手に決めさせようとしたにちがいない。


 客は相場を伝えて下限を攻める程度がいい。

 売る方は自身の知る相場から見てまだ売りを急いでるわけじゃないからこの値段から下げる気はないとか考えたり、売りを急ぐので値下げしてでも売り払いたいを天秤にかけ自身の出す値段の下限を決める。


 売る方にしてみたら客はたくさんいるのだ。この客にこだわる理由がない。

 だから客が買わないなら買わないでいい。

 あまりにも売れ行きが悪いなら値下げしたりアピールを大きくしたりとやれることがある。

 最悪原価割れしなければいいので捨て値売りだって出来るのだ。


 ここはゲームの中。死にはしないし大きな損も取り返しのつかない事は少ない。

 名前と評判は悪評がつけば取り返しつきにくいけれどね。

 人が減れば減るほど悪評は濃くなるから後々後悔する。

 プレイヤーが物を売ってくれないとか商品が捨て値以外では売れないとか戦闘でぼっちになるとかね。


 ちなみに今の装備相場は低い方で1万Y~でした。そんな金額ムリだ!所持金600Yも無い……。


 ぶらぶら歩いてみると手動で鍛冶してるプレイヤーがそこかしこにいた。

 慣れない作業なのかあぶなかっしい手つきで槌を打つプレイヤーも多い。

 どうみても火花とかぶつかっていてダメージを受けているプレイヤーだっている。

 中にはHPがレッドゾーン突入(20%きっている)してまでしているプレイヤーがいる。強者だ。


 ドワーフは確かVITの補正が大きくHPやDEF(防御力)が高い。

 それをあの状態にまでするということは幼女サモナーのテン子ちゃんが近づけば命の保証がないだろう。

 幼女もサモナーもなめるな!すぐ死ぬぞ!HPもDEFもないもん!


 遠くから見ると鍛造をしているプレイヤーは全員手動だ。

 1つ1つの商品がかなり時間がかかるだろうな……。


 調理スキルと同じなら鍛冶する炉や火、槌などはスキルが最低限作ってくれるだろう。

 あ、自動調理まだ試してないなぁ。

 どんな物なんだっけ?


 スマホを開きスキルをクリック。

 調理スキルで自動調理を選択するとメニューアイコンがありその隣に%と時間がある。

 成功率?と調理時間?アイコンのデザインの料理ができるのか?

 運とかも影響するのか。成功率?は20~30%……。

 たぶん高確率で失敗するな。10個作って1個成功すればいい方程度だろう。

 前作踏まえて。


 自動調理は地雷(やったら損する事)の可能性が大きい。

 成功率?が低いのはDEXとか職補正とかレベル補正とかあるかな?

 素材が良ければ成功率?も上がるかもしれない。


 鍛冶も似た感じなのかな?

 あー、でも普通にミスして曲げちゃったプレイヤーさんもいるなー。

 調理はレシピが公開されてたりしてるからやりやすいかもしれない。


 鍛冶に関しては自分で叩いて作るのは今の時代ないよね?

 あ、WEBで見たらレポートが書いてあるサイト発見。

 日本刀やそういった刃物に関しては情報があるか。


 ふむふむ。

 鍛造、プレス、粉末冶金、鋳造という手法が鍛冶にはありプレスや鋳造は金型必要。

 鍛造が1番やりにくいが最低限の設備で作れて構造を複雑化させやすく丈夫な物を作れる。

 鋳造は合金だろうと溶かせればその素材で均一な形状を作れるけれどただ薄い物は作れない。

 プレスは金属板を機械で押しつぶし型さえあればその形状に作り替えられる。

 粉末冶金は一番聞いたことがなかったが金属糸を作るために必要な技術。他の方法では作れない?


 生産はけっこう大変そうだなぁ。




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