永久恋情―トコシエレンジョウ―
あの人が好き。
ただただあの人と一緒にいたくて、隣にいたくて、声を聞きたくて、匂いを嗅ぎたくて、同じ空間で同じ思いでを共有したくて、独占したくて。
あの人は、××にいつも優しくて、構ってくれて、心配してくれて、気遣ってくれて、素敵な笑顔を向けてくれる。
そんなあの人を見るたびに××の胸の鼓動は強く早くなるのをあの人は知らない。でも…知らないのがちょっと嬉しかったりするのだ。これが、あの人に恋してる、とわかっていたから。
でも……
何故、あの人の隣にアイツがいるの?
何時も××の邪魔ばかりして、××の欲しいものを横からかっさらって行く。当の本人には自覚は無く、言えば理解するが言わなければ××の事を考えずに行動する。
こっちの気も知らないクセに…!
「ねぇ、殺してもいい…?」
独りぼっちの部屋に幾度目かの呟きが染み込む。
聞き手などおらず、返ってくるモノなどないがただただ××の殺意が膨らむだけだ。
あぁ、あぁ。殺したい。アイツを。アイツの泣き叫ぶ顔を、悲鳴を、慟哭を、痛みに歪む顔を、後悔に満ちた顔を見たい。
「あは…あはは」
いつから、何だろう。
いつから、こうなってしまったんだろう。
いつから、アイツといることが苦痛になって、比較されるのが恐怖になって、アイツばかりが優遇される世界になったのだろうか。
きっと、それは産まれた時からなんだろう。
「はははっ……ぁはは……」
こんな世界なんて……、―――しまえばいいんだ。
「やぁ、黒く淀んだ、強い欲望を持った子。
私なら、君の願いを叶えてあげられる」
真っ暗な冷たい空気が満ちた部屋に、××以外の女性の声が響いた。
部屋のすみにいた××は慌てて、部屋の中を見回す。
「私は……君の願いを、一つだけ叶えてあげられる」
見つけた。
真っ暗な部屋の真ん中に、青髪の女性が立っていた。部屋の灯りをつけていないため顔はわからない。
でも、女の顔より、××が気になったのは
「願いを、叶えてくれるの…?」
女は言った。『願いを、一つ叶えてあげられる』と。
それは、乾いた土地に水が染み込むような感覚を××に与えた。
「代償なんて必要ない」
「ほ、本当!?」
返事は頷きだった。
「じゃ、じゃあ……!!」
「――――――に気をつけて」
何か言っているが、××は何処吹く風の如く無視した。
「お願い…!!」
震える声だが、確かに伝えた。
それを聞いた青髪の女は、
「確と聞いたぞ」
さぁ、仕返しの始まりだよ