第8章
ロイスとゼルグは場所を変えるために、屋上へと向かった。
階段を上りながら、2人はただ黙っていた。
屋上に着き空を見上げると、真っ青な澄みきった青空が広がっていた。
その頃アイリス達はカルト集団の征伐に行く用意をして、オデュウス支部を出ようとしていた。
空は風で雲が流されていた。
「ところで、さっきの人事異動の話はどうなりましたか?」
ロイスはしびれを切らし、ゼルグに問う。
「分かった。今からその件については話す。」
頭をポリポリとかきながら、ゼルグは答える。
ゼルグは周りを見渡して、自分達2人以外屋上にいないことを確認した。
「今回このオデュウス支部に関しては、人事異動は一切行われていない。それどころか、今年は対象外になっていた。それは、このオデュウス支部が来年に新部署を立ち上げることになっており、そのためオデュウス支部だけ来年に人事異動をすることが本部の会議で決まった。この件に関しては、来年までは機密情報とされるので情報漏洩をしないように気を付けるように。他言無用だ。これでいいか、ロイス?」
「内容は分かりました。けれど、新部署っていうのは。」
「まあ、新部署についてはまだ秘密だ。俺はそろそろ仕事に戻る。仕事が溜まっているんでな。」
ゼルグはロイスに向かってそう言うと、屋上から自分の仕事部屋へと戻って行った。
ガタガタと階段を降りて、走って行く。
ロイスはゼルグの姿を見ながら、「私も仕事に戻ろう。」と言って結局自分の部屋に戻って行った。
話はゆるゆると変わり、場所と人物を変える。
さて、アイリス達一行はカルト集団征伐のため東へと向かっているらしい。
アイリス達に迫る危険!ここからが面白くなっていく魔術管理士。
禁断魔術の恐ろしさとはー。