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個人経営の店は中の様子をうろちょろ眺めて結局入らない
バーに入った。バーと言ってもチェーン店で、中は僕らと同じような若者ばかりだった。カクテルの値段もお手ごろだ。僕は青いやつ、彼女は黄色いやつを注文した(どちらもとても恥ずかしくて言えないような名前を付けられていた)。
彼女はマコといった。マコは咲希の高校の同級生だった。大学付属のニューヨーク校。僕は自分より頭のいい子は苦手だったけれど、彼女の明るい性格は魅力的だった。こういう子を求めているのだよな、今僕は。なぁ隼人。ドンピシャだ。