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歯が出てて暗い人間は西野七瀬しかいない

 咲希が紹介してくれた女性とは新宿で会った。咲希もその子も都会の人間だった。僕は原付がバリバリ音を鳴らすような田舎の人間。

 メッセージのやり取りを数日続けて、電話をして、今日会うということになった。

「こんにちは!はじめまして。」明るい子だった。いかにも咲希の友人といった子。

「荷物は最小限って感じだね。いいね。」彼女は口を曲げてそう言った。僕の荷物は確かに少なかった。両手で収まるような巾着を肩から下げている。

「そちらはかわいいバッグですね。」そう言うと、彼女は鼻を膨らませて手提げのバッグを僕の顔の前に持ってきた。僕でも聞いたことのあるブランドの、黄色いバッグだった。

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