319.俺の憶測。サバイバルゲームの参加者の生き残りを分類してみれば?支援団体の関係者は、三つに分類できる。
俺がしたいことをするために、俺は、俺がやらなくてはいけないこと、やらなくていいいことを分けて考える。
さて、メグたんからどんな答えが返るか。
「この国から支援団体を取り除くために。
支援団体に関わりのある人ごと取り除いていく。
それが、正義が勝たないデスゲームの運営であるAIが導き出した結論か?」
正義が勝たないデスゲームの運営であるAIが、手足となっているタケハヤプロジェクトの学生を使い、タケハヤプロジェクトの参加者の協力を得たところで。
支援団体と支援団体に関わりのある人達をこの国から取り除けるか?
支援団体を根こそぎ排除できるか?
俺が重視していて、力を入れたいのは、この国から支援団体を根絶すること。
根こそぎ排除できたなら、二度と根が張らないように対策を講じる。
敗退しても、支援団体は、態勢を立て直して再び攻めてくる。
何度でも、手を変え品を変え、より姑息な手段を使って。
今、この国は、支援団体にとって、手に入りかけている高級な果実だ。
酸っぱいぶどうのキツネとは違い、支援団体が諦めることはないだろう。
俺は、正義が勝たないデスゲームを脱出したら死ぬまで、支援団体に徹底的に抗い、この国に支援団体が存在することを拒否する姿勢を取り続け、支援団体がこの国から根絶するように動く。
俺は、やりたいことを見つけた。
俺がやりたいことをやり遂げるために、俺は手順を踏む。
俺は、やりたいことをやるときに邪魔されるのは好かない。
俺は、正義が勝たないデスゲームを脱出後のターゲットを決めた。
それは。
異変の芽を感じ取りながらも。
責任も重荷も負いたくもなく、自分さえ楽にやり過ごせればいいと問題が大きくなっていくのを見て見ぬふりしたり。
騒がれたらうるさいからと手を貸したりしていたであろう人達。
その人達の今は、どうなっているだろうか?
何にも煩わされることなく、平穏の中にいるのではないか。
正義が勝たないデスゲームを脱出後に確認するまでは、オレの憶測でしかないが。
もしも。
もしも、の話。
支援団体による問題がこの国で起きていることに気づいた人がいて、支援団体が根を張り巡らせる前に、人目につくような形で、問題提起ができていたら。
今、この国に、タケハヤプロジェクトと正義が勝たないデスゲームは存在したか?
支援団体による問題を指摘したら、閑職に回されたり、消されたり、言い出しっぺとして責任を押し付けられたりする風潮は既にあったか?
その風潮があったとしたら、いつからか。
この国に巣食い、俺の友達を死においやった支援団体を放置したやつらは、どれぐらいいる?
一人も逃しはしない。
全員、働かせよう、俺の下で。
俺が正義が勝たないデスゲームを脱出したら。
俺の思うままに、俺に従わせよう。
今の俺には、手足のように動かせる人員がいない。
ちょうど良かった。
少子高齢化の人手不足も一気に解消する。
俺の中には、高揚感と冷静が混ざり合っている。
メグたんとツカサは、俺の問いかけにうんともすんとも返事をしない。
正義が勝たないデスゲームの運営であるAIの仕様について、などという質問を俺がしたせいか。
佐竹ハヤトは、正義が勝たないデスゲームの仕様について、メグたんやツカサに話していたかもしれないが、話さなかったかもしれない。
メグたんとツカサが答えたい質問を投げないと、二人は答えない、か。
どんな質問なら、メグたんとツカサは答える気になるのか?
まず、質問にあたらないところから探るか。
「現在、この国における支援団体に関わりのある人は、大きく四つに分類できる。
一つ、この国の優秀な頭脳。
二つ、我利我欲の塊。
三つ、無知蒙昧で無思考。
どれも、支援団体にとって使い勝手がいい。」
「聞くわ。」
とメグたん。
俺は、メグたんの興味をひくことに成功したようだ。
「俺は、支援団体の関係者の分類に考えついたとき。
サバイバルゲームの人選について、腑に落ちた。」
「へえ。
ショウタは、サバイバルゲームの参加者が、さっきの三つのタイプに分類できる、と考えたんだ?
ショウタの分類結果は?」
とツカサ。
ツカサの気もひけたか!
メグたん同様、ツカサも、俺の話題に食いついている。
「優秀な頭脳は、北白川サナとカガネ。
我利我欲の塊が、キノ。
無知蒙昧で無思考なのは、何も知らずに参加していたラキちゃん。」
タケハヤプロジェクトの参加者であるメグたんとツカサを除いた、正義が勝たないデスゲームの参加者の生き残りは、三タイプに振り分けることができた。
ツカサとメグたんは、俺が三つのタイプに分類できた結果として、実際にいる正義が勝たないデスゲームの参加者の氏名を出しても、興味を失っていない。
メグたんとツカサの気を引く話を俺は続けられそうだ。
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