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315.高校生だった佐竹ハヤトが、夢と希望を胸に秘めて、最初に目指していたものとは?

俺が、口に出した言葉に、メグたんもツカサも何も返してこない。


疑問形で尋ねても、答えは返ってこない、か。


メグたんとツカサは、佐竹ハヤトの味方で、俺の味方ではないのか。


今はまだ。


もっと考えろ。


正義が勝たないデスゲームを脱出する前に、メグたんとツカサを俺の味方につけておかなくては。


メグたんとツカサを味方につけないまま、正義が勝たないデスゲームを脱出したら。


メグたんとツカサ以外のタケハヤプロジェクトの参加者は、メグたんとツカサにならい、俺の話に聞く耳を持たないと思う。


思い出せ。


メグたんとツカサのスタンスは、俺に向き合うにとどまっている。


ツカサが俺に対して冷たい態度にならないのは。


俺の味方になったからではない。


サバイバルゲームで俺を殺す気が、ツカサにはないからだ。


メグたんとツカサの振る舞いはは、タケハヤプロジェクトの参加者としての俺への見極めではないか。


ならば。


メグたんとツカサを味方につけることが最優先。


二人を味方につけるためのヒントは、佐竹ハヤトがメグたんとツカサに打ち明けた内容にあるのではないかと思う。


メグたんが、わざわざ、佐竹ハヤトとの関係が良好であった話をしてきたのは、前フリだったからではないか。


佐竹ハヤトと会ったことは、メグたんとツカサに何をもたらしたか。


佐竹ハヤトとの面談で、メグたんとツカサは、佐竹ハヤトの味方になる意義を見出した。


佐竹ハヤトは、タケハヤプロジェクトの参加者になることが決まっているメグたんとツカサに、タケハヤプロジェクの説明をして理解を求めたという話だったが。


佐竹ハヤトがメグたんとツカサに求めたのは、タケハヤプロジェクトへの理解だけか?


タケハヤプロジェクトと正義が勝たないデスゲームを、佐竹ハヤトの叶えたい夢の両輪にしたのなら。


タケハヤプロジェクトの足りないところを、正義が勝たないデスゲームが補っているのではないか?


タケハヤプロジェクトを補足するために進化、もしくは改変させたものが、正義が勝たないデスゲームという形態になったのなら。


佐竹ハヤトは、何を叶えようとしたのか?


正義が勝たないデスゲームがタケハヤプロジェクトを進化、もしくは改変させて、タケハヤプロジェクトを補足するためのものに仕上げたなら。


正義が勝たないデスゲームのやり方について掘り下げていけば、見えてこなかったものが見えてくるのではないか?


俺は、頭の中で、正義が勝たないデスゲームのやり方を洗い出す。


全自動の生活環境を実現する技術が開発された場合。


生活する人が全自動の生活環境を受け入れて、機械に合わせた生活しなくては。


現時点で、全自動化した生活環境で生活することは不可能ではないか?


暮らしている人、一人一人に合わせた暮らしが、機械で成り立つか?


正義が勝たないデスゲーム内での参加者は、生活の中の時間配分を参加者の意思によって決めることはない。


正義が勝たないデスゲームの中で。


時間を決めて提供される食事や着替えを時間通りに終わらせたから、正義が勝たないデスゲーム内で、俺は衣食住に困らなかった。


正義が勝たないデスゲームの参加者は、参加者自身の都合に関係なく、洗い物や洗濯物を所定の時間内に所定の場所へ出す生活を続けなければ、食事も着替えも手に入らない。


正義が勝たないデスゲームの生活様式は、寄宿舎や刑務所にならっているのか、と考えていた。


しかし。


全自動化した社会の試験運用、を主目的としていたのではないだろうか、と今の俺は思うようになった。


人口が減少している社会において、必要な労働の総量は減っていかないのか?


佐竹ハヤトの着眼点も、俺と同じところにあるのではないか。


生産量を上げるためではなく、不足している労働者を補うために、どんな対策を実行するか。


生活に必要な労働力のうち、機械に代替できる分を人から機械へ変更することは、結果だけを見ると工業化だ。


「人ができることのうち、人にしかできないことを最小限に絞り、機械に置き換えられる労働を機械に置き換えての生活がどの程度可能か。


佐竹ハヤトは、生活そのものを自動化しようとしたのではないか?」


「ショウタが、そういう結論を出した理由は?」

とツカサ。


「機械だけで生活環境を整え、人を介しない生活を成立させれば。


人力がどうしても必要な労働に優先的に人を回せばよくなり、人手が足りる。」


どうしても人手が必要な仕事であるほど、不人気になるなら、不人気さを凌駕する特典とセットにすればどうか。


佐竹ハヤトは、縮小する社会が不便にならないように、人を、新しい生活に合わせる実験ではないか。


そう考えると。


正義が勝たないデスゲームの会場内は。


縮小していく社会に合うように、人の労力を極力削って生活を機械化した場合の実験の場として最適だ。


正義が勝たないデスゲームには、心身ともに健康な参加者だけが参加している。


心身ともに健康な参加者であれば、全自動化された暮らしに、自分自身を合わせることが可能だ。


参加者が固定しない正義が勝たないデスゲームは、サンプル集めにも困らない。

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