表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/464

30.テニス経験者っぽい男は、デスゲーム内の秩序を壊しにきた?

俺は、画面を見ながら、我がことのように緊張した。


男リーダー、タツキは、デスゲーム内で、人を殺してこなかった。


男リーダー、タツキが、殺人に忌避意識を持っている人物だと仮定すると、俺の未来が、男リーダー、タツキの姿だ。


俺は、今まで、誰も殺したことがない。


俺は、デスゲームの中に入っても、殺されたくないし、誰も殺したくないんだ。


俺は、デスゲームから脱出することをめざしているから。


デスゲームから脱出して、社会に溶け込むときに、デスゲーム内で殺人を犯すことは、マイナスになるとしか考えられない。


デスゲーム内では、至るところにカメラがあり、完全犯罪など成立しない。


俺は、俺のために、人殺しになりたくない。


他人の命を、とか崇高な志は、崇高な人が満足するまで唱えていればいい。


俺は、自分一人が生きるのに精一杯だから、他人の命の結末なんて、最初から見る気もない。


「チョロい勝負に満足しているところが、人間としての厚みのなさを証明しているよ、リーダー。


リーダーには失望した。

もっと楽しませてくれても良かったのに。


今回に限り、見せ場じゃない、とは言わないでおくよ、俺は。


リーダー。

次回は、もっとちゃんした見せ場を用意してくるよね?」

とテニス経験者っぽい男。


ラキちゃんが、男リーダー、タツキより先に口を開いた。


「答えなくていい。見せ場がなかったら、死が早まるだけだから。」

とラキちゃん。


「ラキちゃんは、俺の癇に障る生き方が好きなんだね?


ねえ、ラキちゃん。

俺を苛々させて、長生きしようとするのは難しいよ?」

とテニス経験者っぽい男。


「リーダーをけしかけて、リーダーと私を両方潰そうとしておきながら、言い訳する?」

とラキちゃん。


テニス経験者っぽい男は、今日、言葉だけで、デスゲーム内にうっすらと存在していた秩序を破壊した。


男リーダー、タツキの元にまとまっていた体育会系の男は、タツキの指示を聞いて動いていた。


タツキの指示がない限り、無法な行いをしていなかったような気がする。


男リーダー、タツキは、ふーくんを尊い犠牲に選出し、ラキちゃんを見せしめに使った。


男リーダー、タツキが、何を目的に指示したか、は、誰の目にも、はっきりと分かりやすかった。


男リーダー、タツキが、生き延びるために、テニス経験者っぽい男のアドバイスを受け入れた。


タツキは、同じチームメンバーで、内野にいた、自分以外のメンバーに攻撃を加えた。


ドッジボールで、内野が内野を害さないというルールは、今日、有名無実化した。


テニス経験者っぽい男は、爽やかそうな見た目で、デスゲーム内にあった、ある種の均衡、平穏を無くした。


当事者が、そうとは分からないくらいに、自然に、男リーダーの立場を奪い取り、ラキちゃんというスケープゴートを仕立て上げる。


男リーダー、タツキの元には、もう、人は集まらないだろう。


男リーダー、タツキといると安全という神話は、テニス経験者っぽい男一人によって崩れた。


テニス経験者っぽい男は、リーダーの座を狙う発言はしていない。


テニス経験者っぽい男の発言からして、騙されて担ぎ上げられることもないだろう。


近づいてくる人を顎で使いそうな気はする。


テニス経験者っぽい男は、デスゲーム内を引っ掻き回すためにいるのか。


なんの目的で、引っ掻き回す?


秩序だったデスゲームでは面白みがないから、だとすると。


デスゲーム内の秩序を壊して、混沌とさせることで、テニス経験者っぽい男に、利点はあるのか?


テニス経験者っぽい男は、運営側だったりするのか?


もしかして、運営側が投入したとか?


なんで、今?

楽しんでいただけましたら、ブックマークや下の☆で応援してくださると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ