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289.正義が勝たないデスゲームを運用するAIは、何の目的で、俺を正義が勝たないデスゲームに参加させたのか?

タケハヤプロジェクトを離脱した学生は、タケハヤプロジェクトを離脱した学生同士での助け合いを掲げて実行した。


「佐竹ハヤト一人を、支援団体への生贄にすることで、その他のタケハヤプロジェクトに関わった学生は助かる、とタケハヤプロジェクトを離脱した学生は考えた、か。


佐竹ハヤトという犠牲を黙認したのか。


佐竹ハヤトと同じ志を持つ仲間だと言い合いながら。」


俺は、絞り出すような声になった。


「佐竹ハヤトくんの味方は、いなかったわ。どこにも。」

とカガネ。


北白川サナは、タケハヤプロジェクトの学生の二番手の頭脳として、支援団体に狙われ、支援団体の計画通りに取り込まれていった。


佐竹ハヤトを支援団体が取り込もうとした場合。


支援団体は、天才、佐竹ハヤトに壊されたかもしれない。


支援団体は、佐竹ハヤトを取り込む危険性を考えて。


弱らせて追い込み、知恵を搾り取った後、搾りかすになった佐竹ハヤトを処分すれば、支援団体に害を及ぼすことはない、という結論に至り、実行に移したのではないか?


「カガネが、正義が勝たないデスゲームの脱出を目指す俺に、佐竹ハヤトの知り合いだから、とこれから出会う誰かに気を許すな、と警告していたのは。


タケハヤプロジェクトを離脱し、正義が勝たないデスゲームに参加していない学生とその家族が、佐竹ハヤトを見殺しにしていたからか。」


タケハヤプロジェクトを離脱した学生は、タケハヤプロジェクトを脱出した俺の利用を考えて味方することはあっても、俺の味方になるとは限らない、ということか。


「正義が勝たないデスゲームに参加していないタケハヤプロジェクトを離脱した学生は、何もしないことを選択し、佐竹ハヤトくんを助けなかった。


佐竹ハヤトくんは、仲間として付き合いを続けているはずのタケハヤプロジェクトを離脱した学生の誰からも、助けも得られなかったわ。


サナと同じく、ね。」

とカガネ。


俺は、分かったことを口に出した。


腹の中にためておくなど、できなかった。


「タケハヤプロジェクトの学生とその家族は。


自分達が見殺しにして非業の死を遂げた佐竹ハヤトの遺産である正義が勝たないデスゲームの仕事に就いて生き延びた。」


「佐竹ハヤトくんという防波堤を失ったすぐころのタケハヤプロジェクトを離脱した学生とその家族は、生き延びただけで、死なないわけではない状況だったわ。」

とカガネ。


「正義が勝たないデスゲームの仕事をしているうちに、命の危険にさらされない時間が長くなり、タケハヤプロジェクトを離脱した学生とその家族は、生きていくことへの緊張感が薄れていったのか。」


「正義が勝たないデスゲームの仕事をすることにより、生活と精神が安定したことでね。」

とカガネ。


「その結果、タケハヤプロジェクトの学生とその家族は、己の欲望を満たすことを考え始めた。


既に、欲望の実現へ向けて動き出しているのか?」


タケハヤプロジェクトを離脱した学生とその家族の身勝手さに憤りをおぼえるのは、俺が佐竹ハヤトの友達だからか?


「タケハヤプロジェクトの学生とその家族は、正義が勝たないデスゲームの運営であるAIに使われている状況に不満を持つようになったわ。」

とカガネ。


「タケハヤプロジェクトを離脱した学生は、不満を解消しようとして、佐竹ハヤトが作り上げた正義が勝たないデスゲームを運用するAIに下剋上を挑んだのか?」


「タケハヤプロジェクトを離脱した学生は、正義が勝たないデスゲームの運営であるAIを、使う側になろうとしている。」

とカガネ。


なるほど。


「正義が勝たないデスゲームが、北白川サナに指示した内容は、予想がつく。


正義が勝たないデスゲームに俺を参加させて、殺せ、か。


北白川サナの性格的に、俺を殺せと指示された、などということは、俺に話さない。」


正義が勝たないデスゲーム運営の狙いは、タケハヤプロジェクトを離脱した学生が、正義が勝たないデスゲームを運用するAIを書き換える切り札として利用しようとしている、佐竹ハヤトが唯一実力を認めていた俺の死、か。


佐竹ハヤトの環境の話を聞いた後では、俺の能力だけで、佐竹ハヤトが俺を後任に名指しした、とは思えない。


タケハヤプロジェクトを離脱した学生を信用できなかった佐竹ハヤトは、俺の名前を出すことで、牽制したのではないか?


少々賢いぐらいでは、佐竹ハヤトの作るものを理解できないと思い込ませたのではないか?


佐竹ハヤトが、北白川サナを後任の名前にあげなかったのは、タケハヤプロジェクトを離脱した学生とうまくいっていない北白川サナでは、佐竹ハヤトの二の舞になることが予想できたからかもしれない。


北白川サナが、佐竹ハヤトほどの才能に恵まれていないのならば、孤高の天才でいることは難しい。


俺を生かすのは北白川サナ本人の意向だ、と北白川サナは俺に話している。


北白川サナが、俺を生かして正義が勝たないデスゲームを脱出させようとしているのは、支援団体の意向でも、タケハヤプロジェクトを離脱した学生の意向でもない、ということか。

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