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274.ドッジボールの女リーダー、カガネは、サナの元へ急ごうと言う。『ラキは、刑事の立場で正義が勝たないデスゲームに参加している。サナは?』

「カガネが俺に託すことを決めたのは、生き残る可能性があるからか。」


「あんただけが生き延びられるということ?」

とキノ。


キノは、俺を恨めしげに見ている。


「可能性の話だ。サバイバルゲームが終わってみないと、誰がクリアするかは分からない。」


誰もクリアしないこともあり得る中で、俺なら、クリアできるかもしれない、程度の話だ。


「私は、あんたと行く。私は死にたくない。」

とキノ。


「金剛ショウタの疑問が解消されたなら、サナのところへ急いだ方がいい。


私も行く。」

とドッジボールの女リーダー、カガネ。


「俺も行くよ。ここにいてもね。


メグたんも行くよね?」

とツカサ。


「行くわよ。最後だから。」

とメグたん。


メグたんが、軽く最後だから、と付け足したのが、俺の心にズシッと刺さった。


俺が正義が勝たないデスゲームに参加している理由と、正義が勝たないデスゲームを運用するAIが方針転換した理由は、サバイバルゲームをクリアしてから、AIに確認するか。


AIが答えるかは不明だが。


「ラキちゃんではなく、北白川サナの元へいくことをカガネが勧める理由は、何かあるのか?」


ドッジボールの女リーダー、カガネは、ラキちゃんの元へ急ごうとする俺を引き留めて、北白川サナの元へ行くことを何度も勧めている。


「ラキは、刑事の立場で、警察の判断で、正義が勝たないデスゲームに参加している。


では、サナは?」

とドッジボールの女リーダー、カガネ。


改めて言われてみると、北白川サナが、正義が勝たないデスゲームに参加した理由を考えたことはなかった。


「タケハヤプロジェクトの学生だった北白川サナが、正義が勝たないデスゲームに参加したのは、正義が勝たないデスゲームを運用するAIが決定したから、か。」


「正義が勝たないデスゲームを運用するAIは、参加者を全滅させられる場所に、タケハヤプロジェクトを離脱した学生の一人であるサナを参加者として送り込んだ。


サナが正義が勝たないデスゲームに送り込まれた理由。

金剛ショウタは、気にならない?」

とドッジボールの女リーダー、カガネ。


死ぬしかない場所に、正義が勝たないデスゲームを運用するAIが、北白川サナを送り込んだ理由か。


「北白川サナから、正義が勝たないデスゲームを運用するAIの指示内容や、AIの変化について聞けば。


正義が勝たないデスゲームに俺が参加させられている理由と、正義が勝たないデスゲームの運営の方針転換の理由が判明するかもしれない、か。」


「サナに話を聞く時間があればこその話だよ。急ごう、ショウタ。」

とツカサ。


ツカサは、なぜ、俺を急かすのか?


「北白川サナから話を聞く時間がないのか?」


「話しながら、走るわよ。」

とメグたん。


メグたんも、北白川サナの元へ急いだ方がいいと判断しているのか?


ツカサとメグたんが走り出すのにあわせて、俺も、カガネもキノも走り出した。


「タケハヤプロジェクトを離脱した学生は、正義が勝たないデスゲームのAIに従う仕事に従事していた。


サナは、仕事をするために正義が勝たないデスゲームに参加している。


サナの仕事は、何だろうね?」

とツカサ。


ツカサとメグたんが急ぐ理由が分からない俺に、ツカサは尋ねてくる。


「サナの仕事が分からない以上、サナを見失う時間は少なくした方がいいわね。


何をするか分からないから。」

とメグたん。


ツカサに同調するメグたん。


「北白川サナの仕事、か。


北白川サナは、新人歓迎会のデスゲームで、俺に張り付いていた。


その結果、俺と北白川サナは、無傷で新人歓迎会のデスゲームをクリアしている。


北白川サナは、正義が勝たないデスゲームに参加した俺を生かすために、来たのか?」


北白川サナの目的など他にあるか?


「正義が勝たないデスゲームがショウタを生かしたいなら。


ショウタを、正義が勝たないデスゲームに参加させなければ済んだ話よ。


ショウタを正義が勝たないデスゲームに参加させたのが、正義が勝たないデスゲームのAIだというなら。


ショウタを生かす選択は、矛盾しているわね。」

とメグたん。


途中は助けられたが、今現在俺がいる場所は、死ぬしか選択肢がない。


俺は生き延びられる、と信じてきた根拠は、ただの願望だということか?


「正義が勝たないデスゲームのAIは、あんたを正義が勝たないデスゲームの中に閉じ込めたかった?」

とキノ。


「正義が勝たないデスゲームにショウタを閉じ込めたいのであれば。


ショウタが、まだ、誰も殺していないのが不思議ね。」

とメグたん。


「まだ殺していないだけで、これから誰かを殺す可能性はある。」

とカガネ。


俺は、冷静なカガネの言葉に衝撃を受けた。


「俺は、正義が勝たないデスゲームから難なく脱出するつもりでいた。


先行き不透明だったのか。」


ツカサは、衝撃を受けている俺に、足を止めるのはまだ早い、と言ってきた。


「ショウタ自身で思い出してみよう。


ショウタには、正義が勝たないデスゲームに参加させられるきっかけになった出来事があったと思うよ?」

とツカサ。


きっかけとなると、思い出せるのは。


「正義が勝たないデスゲームのコメント入力の仕事を辞めたい、と連絡したら、正義が勝たないデスゲームに参加させられたのだが。」


「それかもよ。」

とツカサ。


正義が勝たないデスゲームの運営であるAIは、正義が勝たないデスゲームに関わるのを止めようとした俺を引き止めるために、正義が勝たないデスゲームに参加させたのか?


皮肉がすぎないか?

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