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27.デスゲームで現役引退が決まると、求心力も落ちる?テニス経験者っぽい男は、ラキちゃんにちょっかいをかける。『反抗的な態度は、頭にくる』

男リーダーチームの他のメンバーも、男リーダーをチラチラと見て、気にしだした。


男リーダーの十人グループは、男リーダーを中心に集まっていたのか。


リーダーが、この後いなくなるのが確定した、となると。


リーダーの求心力は衰え、次のリーダー決めが始まる。


現役引退を表明したら、周りから人がいなくなる。


どこかで聞いたことがある話だ。


外の世界だと、引退後の生活の心配をしないといけないけれど、デスゲームの中で、引退宣告されたら?


死あるのみ。


「ドッジボールで見せ場を作ったのは、ダントツでラキちゃん。


俺達の次のリーダーは、ラキちゃん?


ラキちゃんが次のリーダーになるんだったら、俺、ラキちゃんにボール当てるのやめて、ラキちゃんのご機嫌取りしとこう。


俺は、リーダーと違って、今日で終わりじゃないから、先のことを考えて行動しないと。


ラキちゃん、俺と仲良くしてね?


俺、運動神経いいし、仲良くなった女の子には、優しくするタイプだよ?」

と、テニス経験者っぽい男は、お気楽そうに、ラキちゃんに売り込みを始めた。


テニス経験者っぽい男は、今回の件では引退宣告される心配をしていない。


確信があるのか?


余裕があるからか、楽しく周りをおちょくっているように見える。


ラキちゃんが、テニス経験者っぽい男を見る目は、

デート中に、彼氏が席を外したタイミングで

『すみません、アンケートいいですか?』

と声をかけてきた男を見る女の子のようだった。


ラキちゃんは、無言だ。


テニス経験者っぽい男に向けるラキちゃんの目は、胡散臭いな、コイツ、と、ラキちゃんの気持ちを雄弁に語っていた。


「俺、女の子に、ゴミを見るような目を向けられるなんて、生まれて初めて。


分かっていたけど、全然、興奮しない。


俺、女の子に罵られて喜ぶ性癖はないんだ、ごめんね、ラキちゃん。」

ヘラヘラ笑っていたテニス経験者っぽい男は、一瞬でまとう雰囲気を変えた。


「俺、誰にでも親切にするタイプじゃないんだよ。


声をかけた女の子に、反抗的な態度をとられると、頭にくるからね。」

とテニス経験者っぽい男。


ラキちゃんは、黙って、テニス経験者っぽい男が話すのを聞いている。


「元気が取り柄な女の子のラキちゃんは、男に反抗的な態度をとったら、どうなるか、知らないんだろうなあ?


どうなるか、知りたくない?」

とテニス経験者っぽい男。


ラキちゃんは、無言を貫いている。


ラキちゃんに盾にされているふーくんが、痛い、と言いながら小さく身じろぎした。


「リーダー。

今から巻き返したい、まだ死にたくない、と思うんだったら、俺からのアドバイスを参考にして。


リーダーも、諦めずに見せ場を作ってみたらいい。


リーダー一人では、厳しいけど、誰かを道連れにしてみたら、ソロ出演が延期されるかもしれない。


リーダーは、元気で動けるんだし、悔いのないように動いておけば?」

とテニス経験者っぽい男。


「タツキさん。頑張ってください。俺は、応援しかできませんが。」

と野球してそうな男。


「リーダーは、応援されているんだ?

俺は、応援がてら、ヒントをあげよう。


今はドッジボール中だから、内野は外に出れない、外から内野には入れない。


リーダーが見せ場を作りたいなら、内野の中で何かするしかない。


内野って、今、誰がいたっけ?


リーダーの他に二人。


ラキちゃんと、ふっしー。


リーダーは、どっちと見せ場を作りたい?」

とテニス経験者っぽい男。


さっきの逆だ。


立場が逆転している。


ドッジボールの中で、リーダーが命令して、テニス経験者っぽい男にラキちゃんを狙わせた男リーダー、タツキ。


テニス経験者っぽい男から、命令じゃなくアドバイスを受けている男リーダー・タツキは、命令じゃなくても、テニス経験者っぽい男に従うだろう。


男リーダーには、後がない。


「性格悪い。」

とラキちゃん。


「俺は、俺に優しい人に限り、男女問わずに親切にするよ。ラキちゃん、残念だね?」

とテニス経験者っぽい男。


男リーダーは、黙ってラキちゃんとふーくんに近づいてくる。

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