269.正義が勝たないデスゲームの運営は人ではない。正義が勝たないデスゲームの運営が人ではないことで、誰にどんな効果が期待できるか?
「佐竹ハヤトくんは、タケハヤプロジェクトの開発に支援団体が介入してきたことで、プログラムの修正を行った。
タケハヤプロジェクトのプログラムの修正は、正義が勝たないデスゲームにも反映されている。
正義が勝たないデスゲームの運営をAIに任せたことにはどんな意味があるか、分かる?」
とドッジボールの女リーダー。
「AIに運営を任せるという意味は、何か。
運営以外の部分では、人が動く。
なるほど、俺が正義が勝たないデスゲームに参加させられた件についての説明がつく。
正義が勝たないデスゲーム運営が、俺の参加を決定し、運営の決定に従い、人が動いて、俺を正義が勝たないデスゲームに放り込んだか。」
「正解。AIの運営に従い、金剛ショウタを正義が勝たないデスゲームに参加させる労働をしたのは、誰だか分かった?」
とドッジボールの女リーダー、カガネ。
「タケハヤプロジェクトを抜けた学生とその家族か。」
「正解。
タケハヤプロジェクトを抜けた学生とその家族が、正義が勝たないデスゲームに従事していた理由は分かる?」
とドッジボールの女リーダー、カガネ。
「タケハヤプロジェクトの学生は、支援団体の指示で、キノに炎上させられていた。
タケハヤプロジェクトの学生は、学校を続けることも、就職することも困難な状態に追い込まれたが。
タケハヤプロジェクトの学生の家族も、学生本人同様、苦境に立たされていた。
職や住まい、恋人や友人などを失って、社会から孤立していてもおかしくない状況に陥っていたら。
生活するための手段として、タケハヤプロジェクトや正義が勝たないデスゲームの運営の下での仕事に就くほかない。」
「半分正解。」
とドッジボールの女リーダー、カガネ。
「半分か?」
「タケハヤプロジェクトの学生とその家族の生活費を稼ぐため、という経済事情だけでは、正解と言えない。」
とドッジボールの女リーダー、カガネ。
「経済以外の理由、か。」
「AIが犯罪行為を人に指示したり、示唆した場合、罰せられるのは、誰になるかについての法律の整備は、もう済んだ?」
とドッジボールの女リーダー、カガネ。
「まだだ。
俺が正義が勝たないデスゲームに参加している間に変化がなければ、AIの利用についての法律を作るところまで追いついていない。」
俺は、法律についての話をしていて、気がついた。
AIは、使用用途が広がり、開発も進んでいるが。
AIの使用を規制する法律が間に合っている、とは言えない。
「AIの指示に従い、犯罪行為を行った当人は、実行犯として罰せられるかもしれない。
だが、AIについて規制する法律がない以上、明確な罰則の規定も基準もない。
執行猶予がつく可能性がなきにしもあらず、か。
執行猶予がつけば、実刑は免れる。」
佐竹ハヤトは、何年先の未来を見通していたのか。
「佐竹ハヤトくんは、何のために、正義が勝たないデスゲームの運営を完全自動制御AIにしたと思う?」
とドッジボールの女リーダー、カガネ。
「支援団体をこの国から退けた後。
正義が勝たないデスゲームに参加する必要がなくなった参加者が、正義が勝たないデスゲームを脱出後、大手を振って社会復帰できるように、か。」
「正解。
支援団体からの保護を目的として参加者を集めても、維持費用を集めなくては、保護機関として正義が勝たないデスゲームを維持できない。」
とドッジボールの女リーダー、カガネ。
「保護機関としての維持費用を集めるため。
正義が勝たないデスゲームに、タケハヤプロジェクトで採用していた参加者によるデスゲームと投げ銭制を導入したのか。」
「正解。
保護された者に生き延びる機会を与えるため、正義が勝たないデスゲーム運営は、保護された者が殺し合う相手を選び、正義が勝たないデスゲームに参加させている。」
とドッジボールの女リーダー、カガネ。
「タケハヤプロジェクトは、参加者の意思を確認し、参加者の人格を確認してから、参加者を確定するほど慎重に参加者の選別をしていた。
正義が勝たないデスゲームの参加者は、タケハヤプロジェクトの参加者のように慎重に選別しているような感じがしなかったのは、選別する基準が異なるからか。」
「正解。
正義が勝たないデスゲームの参加者を決める基準は、いずれ、正義が勝たないデスゲームで死ぬことを前提に選別する。」
とドッジボールの女リーダー、カガネ。
「正義が勝たないデスゲームに参加して死に至るまで、投げ銭制でいかに金を集められるか、で生存期間を決める、か。」
ドッジボールの男リーダー、タツキとふーくん、ドッジボールの男リーダーチームのチームメンバーの選別は、投げ銭制で金を集められるかが基準だったのか。
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