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262.ツカサがタケハヤプロジェクトの参加者になることを選んだ理由は?

「弁護士の命が危険にさらされると分かっていたら、どの弁護士もツカサの弁護を引き受けないという事態が起こる。


弁護士が決まらないなら、ツカサの裁判は始められない。


裁判が始まらないなら、有罪判決が出ることもないのではないか?」


「弁護士が決まらない場合は、国選弁護人になる。」

とドッジボールの女リーダー。


「裁判できるように、国が弁護士を用意するのか。」


「国選弁護人の選択肢しかない場合。


ツカサの弁護を引き受けるのが、ツカサのような事例に強い弁護士である可能性は高くなると思う?」

とドッジボールの女リーダー。


「ツカサのような事例を得意分野とする弁護士は、国選弁護士に含まれないのか?」


「含まれていても、ツカサの弁護は辞退するわ。


ツカサの裁判で勝てなくても問題ない弁護士しか、ツカサの弁護を引き受けない。」

とドッジボールの女リーダー。


「裁判でツカサを勝たせてはいけないのか?」


ツカサが、裁判で勝てないことは決定しているかのような言い回し。


「俺を嵌めたのが、支援団体でなければ、弁護を引き受ける弁護士はいた。」

とツカサ。


「ツカサの弁護を引き受けて、ツカサの減刑に成功したり、執行猶予をつけることができた場合。


その弁護士は、支援団体を敵に回すことになる。


既に、この国に根を張っている支援団体を敵に回したら、どんな未来になるか。


それが分からないようでは、弁護士として食べていくのは無理。」

とドッジボールの女リーダー。


「そこまでやるのか。支援団体は。」


「やるから、ツカサはタケハヤプロジェクトの参加者になっている。」

とドッジボールの女リーダー。


「裁判で、まともな弁護を期待できずに刑が確定するよりは、タケハヤプロジェクトに参加する方が、ツカサにとって良かったのか?」


「裁判で実刑が確定して刑務所に入るより、タケハヤプロジェクトの参加者になる方が、ツカサにとって圧倒的に安全。」

とドッジボールの女リーダー。


安全とは?


「タケハヤプロジェクトの参加者になることが、刑務所にいるより、安全なのか?」


タケハヤプロジェクト内は、殺し合い必須だが。


「刑務所の中では、俺の身に何が起きても、外部には分からない。


俺に関する情報は、シャットダウンされ、どんな情報を誰に渡すかに、俺は関与できなくなる。」

とツカサ。


「ツカサが刑務所にいれば、刑務所にいるツカサを人質にとることが可能になる。


刑務所内に、支援団体の息がかかっている受刑者が何人いるか、誰が支援団体の回し者か、ツカサにも、ツカサの支援者にも分からない状態は、ツカサにとって安全だと言える?」

とドッジボールの女リーダー。


刑務所にツカサを入れると、完全なる密室が完成するのか。


「それに引き換え。


タケハヤプロジェクトは、参加者に関する情報がクローズされない。


殺し合って生き延びさえすればいいタケハヤプロジェクトは、刑務所に入るより、安全に生活できる。


一方的に、見知らぬ受刑者から危害を加えられたり、虐待されたり、殺されそうになる心配がない。


タケハヤプロジェクトの参加者は、反撃も先制攻撃も、裏をかくこともできる。


退避することも。


タケハヤプロジェクトに参加する方が、俺は人間らしく生きられたからね。


俺は、タケハヤプロジェクトへの参加を決めたときのことを悔やんではいない。」

とツカサ。


一方的になぶられて、闇に葬られるよりは、自分自身の意思で殺し合う方が、自分の人生の主導権を握ったままでいられる分、より人間的な生活を送れるか。


衣食住も保証されている。


情報からは隔絶されるが、正義が勝たないデスゲーム内で一生過ごすなら、外部の情報など、知っても使い道がない。


正義が勝たないデスゲームにいれば、刑務所の外に出る日をカウントしながら、刑務所を出た後のことを不安に思うことはない。


正義が勝たないデスゲームは、自分自身の知恵と度胸で、生き抜ける。


「私が、正義が勝たないデスゲームに来た理由は、一つ。


正義が勝たないデスゲーム内には、他の勢力が介入できないから。」

とドッジボールの女リーダー。

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