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25.デスゲームにおいて、手を汚さない参加者は、ソロ回が用意される?ソロ回は、逃げ場なし、見せ場オンリー。毎回、好評、高視聴率、高収益!

画面越しに見るラキちゃんは、何を考えているか分からないけれど、不機嫌そうにしている。


「リーダーは、デスゲームに参加していながら、自分の手を汚さないで生き延びようとしているよね?


次に召されるのは、リーダーだね。


ソロ出演、おめでとう。」

とラキちゃん。


召される?


天に召される、のか?


ラキちゃんが、言うなら、ただ、天に召されるだけでは足りない気がする。


召喚される、の召される、とか?


ラキちゃんの言うソロ出演って、なんだ?


「は?そんなわけ。」

と男リーダー、タツキは、即座に否定しようとした。


「あり得る。」

と言ったのは、男リーダーチームで、内野を三人に減らす際に、外に出た一人。


野球してそうな男は、ラキちゃんの発言を真剣に受け止めている。


「溺死した女は、誰も手にかけていない、と自分で話していた。


逃げ切れるから、デスゲームの中にいても、手を汚さないで済むんだ、と。


手がきれいなことが自慢だと言っていた。

溺死する前日に。」

と野球してそうな男。


「デスゲームで、逃げ回っているだけだったら、引きずり出されて、ソロをやらされるのも仕方ない。


参加者が逃げ回る姿を見ているのが楽しいなんていうデスゲームの視聴者はいない。


今まで、ソロ出演を決まったのは、そういう人達。」

とラキちゃん。


最近の、女の溺死で、ソロ出演。


俺が、演技ではないと気づいた回のことか。


水没からの脱出というテーマで、俺は見ていた。


思い返してみる。


参加者である女性は、部屋に閉じこもろうとしていた。


なんのために、女性は、そんな行動をした?


水没からの脱出というテーマを知っている俺は、参加者の女性の行動が、最初から理に適っていないと思って見ていた。


手を汚したことがない、なぜなら、逃げ回ってきたから、と野球してそうな男に話していたことが、女性の真実なら。


水没からの脱出のデスゲームが始まる前に、女性は、地階の部屋の扉を閉めていた。


窓がない部屋で、扉を閉めて閉じこもる理由が、女性にはあった。


そう考えてみると。


女性が、水没していく部屋から逃げ出そうとしなかった説明がつく。


女性は、水没した部屋に隠れていた。


見つかることがなければ、捕まることなく逃げ切れば生き延びられる。


デスゲームに参加した女性は、いつものように、隠れることを選んだ。


いつもは、女性が隠れているうちに、デスゲームは終了する。


水没していく部屋からの脱出というデスゲームが、開始したのは、いつだ?


水没していく部屋からの脱出というテーマを知っている俺は、女性がなかなか、部屋から出ていかないことにやきもきしていた。


女性は、水没していく部屋からの脱出というデスゲームのテーマを知らなかったのでは?


俺は、参加者の女性がテーマを知っているものだと思いこんで、動画を見ていたけれど。


今のライブ映像を見ていると、デスゲームのテーマなんて、一文字も記されていない。


デスゲームのテーマは、参加者には知らされないのが正解か?


参加者本人が知らないうちに、テーマが決められていて、デスゲームが始まっている?


デスゲームの参加者が、参加したいデスゲームを選んで参加しているわけではない?


デスゲームの中にいる参加者の全ての時間は、デスゲームに費やされる?


一人だけで、デスゲームに参加することを、ソロ出演と言い表すのなら。


ソロ出演が決まったら、その瞬間に、死が確定したも同然。


ラキちゃんが、積極的に動いていたのは、ソロ出演を避けるため、か?


ソロ出演の選定が、デスゲームに参加していながら、デスゲームの視聴者を楽しませるための貢献度が低い参加者を重点的にピックアップしていると想定してみると。


集団でいるときに、集団に埋没して、目立たず、見せ場がないような参加者は、危機感を持つ。


男リーダーは、人を殺した経験がない。


野球してそうな男も、顔色が優れないから、まだ、人を殺していない。


ラキちゃんは、どうなんだろう?


「ソロは、毎回、逃げ場なし、見せ場オンリー。


自分の手を汚さないポリシーは、デスゲームの外でしか意味がない。


デスゲームの外でうまくやれていても、中では、同じようにはいかない。


言い訳しながらでも、手を汚す方が生き延びる確率は上がった。


残念だね。


ソロ出演は、毎回、高視聴率をたたき出して、高収益の目玉商品。


リーダーは、策士、策に溺れて、早死にが確定した。


リーダーが、パシリにしていたふーくんの方が、今日だけでも、見せ場が多かったよ。」

とラキちゃん。

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