218.情報の一部を当事者に伝えて、当事者に問題行動を起こさせる女二人。ツカサに絡んでいた男二人。手を組んでいるのか、はたまた?
「確認するけれど、三人とも、ここで、やってしまうということね?」
とドッジボールの女リーダー。
「一人くらい、生かしておいて欲しいというなら、相談にのる。」
とツカサに絡んだ男のうちの一人。
ツカサに絡んでいた男二人のうちの一人は、肩につくくらいの髪が、チリチリに焦げている。
背中を覆う長さなら、背中も焦げたのだろうか?
「いらない。高くつく。」
とドッジボールの女リーダー。
「生きていたところで、面白くもなんともない面子が揃っているだけ。
誰が、死んでもいい。
全員でも、いいわ。」
とドッジボールでふーくんとのトレードを申し入れた女。
顔と首に火傷を負った二人組の女とツカサに絡んでいた男は、息が合っている。
正義が勝たないデスゲームの参加者同士で、繋がりを作ったのか。
会話から察するに。
今日のサバイバルゲーム中にできた繋がりではない。
今までに、同じような場面を乗り越えてきた者同士が、協力してきたことを匂わせる会話。
情報通で噂好きな女二人組は、嘘ではなく、真実を一部だけ、当事者に伝える。
情報通で噂好きな女二人組から噂の一部を知らされ、心を乱された人が、周囲を引っ掻き回すようになったり、破滅的な言動を始めることを、女二人組は期待している。
娯楽のない正義が勝たないデスゲーム内で、自らのために、自らの欲する娯楽を作り出している女二人組。
俺、ラキちゃん、北白川サナの三人は、三人とも、女二人組のお眼鏡にかなわなかったのか。
三人とも、女二人に振り回されるような性格はしていない。
ハコさんも。
ハコさんは、潜入捜査をしている刑事の自覚があったはず。
ハコさんは、振り回されるフリをして情報を引き出していただろう。
俺は、今に至る前に女二人組と話をしていた。
俺の中で女二人組は、既知。
問題は、男二人組。
「男二人は、ツカサに絡んでいたところを見たが。
仲良しか?
四人とも。」
「俺達が仲良しでも、仲良しでなくても、気にすることはない。」
とツカサに絡んでいた男のうちの一人。
ツカサに絡んでいた、肩までの髪がチリチリになっている男の髪に、ついつい、目がいってしまう。
他は無事なのに、髪だけに、火がつくのはどんな状況か?
髪だけつかまれたか?
「死んでから考えてみたらいい。
生きていなけりゃ、時間は有り余るほどある。」
とツカサに絡んでいた男のもう一人。
ツカサに絡んでいたもう一人の男は、スキンヘッドにしている。
スキンヘッドの男は、頭皮も首周りも、火傷をしていない。
ドッジボールの女リーダーと、ドッジボールでふーくんとのトレードを申し入れた女は、二人とも同じような場所に火傷を負っている。
女二人組と男二人組の見た目は、対照的だ。
女二人組は、べったりくっついて離れないが、男二人組はどうか?
「悠久のときを思考にあてればいい。」
とツカサに絡んでいた男の一人で、肩までの髪が焦げてチリチリになっている男。
「私達に対しての殺意が高めなのは、私達が新参者で、あなた達が、付き合いのある中堅どころだから?」
とラキちゃん。
「中堅どころ?
古参ではないのか。」
四人からは、ふてぶてしさを感じるのだが。
「古参の参加者なら、メグやツカサに愛想を振りまく必要がないわ。」
と痛烈な分析をするラキちゃん。
「愛想を振りまかなくても生きていける私ってすごい発言?」
とドッジボールの女リーダー。
「ハコといいラキといい、いるだけでつまらない。
ラーキー、ラーキー、早く死んで?
新しい参加者と交代してよ。」
とドッジボールでふーくんにトレードを申し入れた女。
「お客様、チェンジ希望ですかー?」
と肩までの髪が焦げてチリチリになっている男。
「チェンジ、チェンジ。
無傷でケロッとしている女なんか、つまらない。」
とドッジボールでふーくんにトレードを申し入れた女。
「お客様。つまらない毎日には、刺激がお勧めですよ。」
と肩までの髪が焦げてチリチリになっている男。
「どんな刺激をくれるわけ?」
とドッジボールでふーくんにトレードを申し入れた女。
「なるべくご希望にそいますよー?
お客様は、お得意様ですからー。」
と肩までの髪を焦がしてチリチリにした男。
「じゃあ。今から私を退屈させないでよ。」
とドッジボールでふーくんにトレードを申し入れた女。
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