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214.俺、ラキちゃん、北白川サナのチームは、本題についての話し合いを始めた。『リーダーの私に従えないなら、チームを抜けて。』とラキちゃん。

「状況判断がショウタに出来てよかったです。」

と北白川サナ。


ラキちゃんが見ているのに、格好のつかない真似などできるか。


「自尊心が肥大して己を見失ったのだろう、と面と向かって俺に言うやつがいるとは思わなかった。」


北白川サナは、失礼過ぎないか?


「私が遠回しに言ったからこそ、ショウタは、考える時間ができて、冷静になれたです。」

と北白川サナ。


穏やかにまとまったのが、北白川サナのおかげだと、北白川サナは言いたいのか。


「北白川サナは、どれだけ失礼なことを俺に言えば気が済むのか。」


俺は、北白川サナとは違って、失礼なことをしない。


北白川サナが俺に失礼なことをしても穏やかな時間が保たれたのは、俺のおかげだ。


「失礼なのは、私ではないです。」

と北白川サナ。


「俺が失礼だと言いたいのか。」


北白川サナは、とことん失礼だ。


「本題に入っていい?」

とラキちゃん。


「いいです。」

と北白川サナ。


「ラキちゃん、本題とは?」


「これからの行動は、リーダーの私に従ってもらう。

それが嫌なら、チームから抜けて。」

とラキちゃん。


「ラキちゃん。」

俺は、キリッとしているラキちゃんに呆けそうになった。


ラキちゃんがいるチームから俺が抜けるなど、あり得ない。


「従うです。」

と北白川サナ。


「ショウタは?」

とラキちゃん。


「ラキちゃんは、俺に頼らないのか?」


俺は、チームを組めば、ラキちゃんに頼られると考えていた。


予想に反して、俺は、ラキちゃんに、全く頼られない。


俺は期待していたわけではない。


俺、ラキちゃん、北白川サナの三人なら、俺しか頼る人がいない。


ラキちゃんと北白川サナは、俺を頼るはず。


俺は、ラキちゃんに嫌な思いをさせないように、北白川サナに頼らせる方法を考えていた。


ちらっとだが。


俺は、俺の思考に何の疑問も持たなかった。


真っ先に俺に寄ってきそうだと思っていた北白川サナは、一人でツンケンしている。


北白川サナは、一体何が気に食わないのか。


ラキちゃんは、俺にツンケンしている北白川サナと、分かり合っている。


俺は、ラキちゃんとも北白川サナとも分かり合えていない。


俺達は、俺が、結びつけたチームのはずだが。


「ショウタは、手榴弾をお願いね。」

とラキちゃん。


「手榴弾をお願い、か。」


ラキちゃんは、手榴弾を持つことを除くと、俺に期待していないのか。


「ショウタは、ショウタが考えるいいところを見せようと考えたらダメです。


ショウタの考えるいいところは、ショウタしか賞賛する人がいないです。」

と北白川サナ。


「北白川サナは、俺へのあたりが強くないか?」


「ショウタには、あたりを強くしないと伝わらないです。」

と北白川サナ。


「北白川サナのあたりが強いことしか伝わってこないが?」


「ショウタは、失礼です。」

と北白川サナ。


「注目。」

とラキちゃん。


俺と北白川サナは、口を閉じて、ラキちゃんを見る。


「私達が、三人で一つのチーム。

メグとツカサは、二人で一つのチーム。


私達以外のチームがあってもおかしくない。」

とラキちゃん。


「さっきの手榴弾の爆発で、結構な数の生き残りが戦闘不能になったと思うが。


まだいたか?」


「いるです。」

と北白川サナ。


「俺も知っている顔か?」


「ラキやショウタが話をした噂好きの二人組は、手榴弾の集まりの中にいなかったです。」

と北白川サナ。


「噂好きの二人組は、どんな顔をしていた?」

とラキちゃんは、二人組の顔を思い出そうとしている。


「顔と首を火傷している女の二人組。

一人は、ドッジボールの女リーダー。

もう一人は、ドッジボールのチームメンバーのトレードを言い出した女で、ふーくんに交代を迫っていた。」


「分かった。ありがとう。」

とラキちゃん。


二人組といえば。


「サバイバルゲームが始まる前、ツカサに絡んでいた三人の男のうち、一人は、ツカサが手にかけた。


残りの二人の死亡はまだ、確認していない気がする。」


「ツカサに絡んでいた二人組がまだ生きているなら、今頃、ツカサに絡みにいっているわ。」

とラキちゃん。


「ツカサと因縁があるのか?」


「メグは、ラキを後釜ポジションだと警戒したです。


その二人組が、ツカサにわざわざ絡みにいったのなら。


二人組は、ツカサの後釜ポジションの可能性が高いです。」

と北白川サナ。


「二人組でも、後釜なのか?」


「後釜ではなく、ツカサを殺すために送り込んだのが二人組という可能性もある。」

とラキちゃん。


「その二人組の狙いがツカサなら、ツカサのいない私達は狙われないです。」

と北白川サナは、淡々としている。


北白川サナの言う通り、二人組が敵にならないなら、助かる。


俺達は、三人いるが、戦力としては、男二人組に劣る。


正面からぶつからないで済むなら、それに越したことはない。


「俺達が警戒するのは、俺達以外の誰か、か?」


「気にするのは、他のチームだけではないです。


これからの勝利条件が明示されていないです。


私達は、他のチームとこれから何をするのか知らないです。」

と北白川サナ。


「警戒以上にできること。特に何も思いつかないわね。」

とラキちゃん。


「新しい条件が言われていないなら、最初に言われた条件が継続中になるのではないか?」


「『どんな方法でもいい。何人でも殺してください。』

これのこと?」

とラキちゃん。


「確か、その条件は、まだ撤回されていないです。」

と北白川サナ。

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