204.二対二?からの、二対三?ツカサの機嫌が麗しい理由は?デスゲーム内でツカサに話しかけられても冷静な人とは?ツカサが俺達に見せた持ち物。。
「ツカサとメグたん。俺とラキちゃん。二対二か。」
俺が、ツカサに返していると、違うです、と、もう一人の声がした。
「二対三です。ツカサとメグ。私とショウタとラキです。」
と北白川サナが、歩いてくる。
「このサバイバルゲームにおける無傷な五人が勢揃い。」
とツカサ。
「他は全滅か?」
「どうだろう?」
とツカサ。
火傷をしていても、生きている参加者は、まだ生きている。
生きてはいるが、死んでいないだけ、かもしれない、ということか。
人体の焼ける匂いが、俺の全身に染み付いている気がする。
サバイバルゲームをクリアするためには、タケハヤプロジェクトの参加者であるツカサとメグたんを相手にしないといけないのか。
ラキちゃんと俺と北白川サナの三人で。
ラキちゃんと俺と北白川サナの三人で、チームを作っても、ツカサとメグたんチームに勝てる想像ができない。
戦力の低下は、主に俺がいるせいだが。
俺がいなかったら、ラキちゃんと北白川サナは、組まない。
北白川サナには、ラキちゃんと組む利点がない。
二対三とは言っても、北白川サナが、ラキちゃんを助けるために動く可能性は低いか。
「珍しい組み合わせだね?サナぴょんが、俺達と顔を突き合わせることなんて、なかったよね?」
とツカサ。
サナぴょん?
「顔を合わせる意義を感じないです。」
と北白川サナ。
北白川サナは、サナぴょん呼びされても気にならないのか。
「サナぴょんは、俺が話しかけても冷静だね?
挙動不審にならないタイプなんだ?
見た目に騙されそうになるよ。」
とツカサ。
「ツカサに話しかけられて、挙動不審になるか?」
人好きする青年を擬態しているツカサに?
「正義が勝たないデスゲームで生き残るような子は、感性が独特なんだよね。」
とツカサ。
人を殺して生き延びてきたなら、正義が勝たないデスゲームの外での価値感のままではいられない、ということか。
「ラキちゃんもそうだったね。
初対面から、俺を不審がるタイプ。
俺に寄ってくる一般的な女子タイプは、基本的に長生きしない。
ラキちゃん、苦しい?
メグたんに絞められて苦しそうだね?」
とツカサは、ラキちゃんに笑いかける。
ラキちゃんは、メグたんに首を絞められ続けている。
ラキちゃんは、目だけで、ツカサに不快感を示した。
「ツカサの周りにいた参加者は全滅か?」
周りから話し声は、聞こえない。
会話しているのは、俺、ツカサ、北白川サナの三人。
「綺麗さっぱり、一人も見当たらないね?」
とツカサは、機嫌よく笑う。
ツカサからは、亡くなった参加者に対して、悔しがる気持ちも、悲しがる気持ちも感じ取れない。
代わりに、ほのかに漂うのは、喜びだ。
目標を達成したときの達成感と、成果を見せびらかしたい気持ちが、ツカサの笑顔から垣間見える。
「今に限った話ではないです。
ツカサには、近未来の死を集まるです。」
と北白川サナ。
ツカサに惹きつけられてきた参加者が全滅するのは、定番なのか。
話しやすそう、とツカサに近づいていくと、死が確定する。
ツカサが、満足そうにしているのは、現状がツカサの太客の希望にそっているからか。
「俺の人柄が、人を呼ぶんだよ。」
とツカサは、朗らかに笑う。
「何をするです?」
と北白川サナ。
「俺に聞いていいんだ?」
とツカサ。
「隠さなくてもいいです。
何を持ってきたです?」
と北白川サナ。
持ってきた?
持ち運べるものなど、このサバイバルゲームの部屋の中にあったか?
「サナぴょんは、事務的な会話が好き?」
とツカサ。
「ツカサとの会話を意味のあるものにしてるです。」
と北白川サナ。
事務的な会話なら、用件を聞きやすい、ということか?
ツカサと話したい人ではない北白川サナは、ツカサとのお気軽トークを必要としていない。
「そんなに気になるなら。」
とツカサは、ポケットから取り出したものを掌に乗せて、俺達に見せた。
「手榴弾。」
ラキちゃんは、手榴弾と聞いて、メグたんの手から離れようという動きを加速させた。
「そ、手榴弾。これは、便利グッズ。」
とツカサ。
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