190.メグたんとラキちゃん。メグたんが語るメグたんと如月ハコさんの関係に、ラキちゃんは?メグたんは、ラキちゃんが正義が勝たないデスゲームに参加したときから?
8月4日、複数話、投稿
ラキちゃんは、冷静さを失い、感情のままメグたんにぶつかっていく。
「ラキちゃんは、ハコとは正反対ね。
ハコは、感情的に振る舞っているように見せるのが上手かったわ。」
とメグたん。
「ハコさんが、正義が勝たないデスゲームから脱出することを諦めなかったのは。」
とラキちゃんは、叫びかけて、最後まで言わなかった。
「ハコは、プロの刑事だからね?
脱出の手段は、潜入捜査の初日から探していたわよ。」
とメグたん。
「ハコさんが刑事だと知っているのは、メグがハコさんに逮捕されたからですか?」
とラキちゃん。
「同僚だったからよ?」
とメグたん。
ラキちゃんの動きにブレーキがかかる。
「メグも刑事?」
とラキちゃん。
「同僚で、同期。
そこそこ付き合いがあったのに、ハコは、容赦なかった。
ハコは、味方を騙すのも上手だったから、私もうまくしてやられたわよ?」
とメグたん。
「ハコさんのことを恨んでいますか?」
とラキちゃん。
「私は、今が快適だから、恨まないわよ?」
とメグたん。
「ハコさんを恨んでいないなら、どうして、ハコさんを。」
とラキちゃん。
「ラキちゃんは、難しく考えすぎ。
ハコを助けることは、私にとって楽しくないからよ?
ハコも私には、警戒していたわ。
私を警戒するなんて、ハコも落ちぶれたものね?」
とメグたん。
「どういう意味ですか?」
とラキちゃん。
「ラキちゃんは、正義が勝たないデスゲームに何をしにきたの?」
とメグたん。
ラキちゃんは、黙った。
「ハコは、交代要員がいる、と話していたわ。」
とメグたん。
「え!」
と驚くラキちゃん。
「ハコにしては、どうして、そんな迂闊なことを話したのか、ラキちゃんは不思議に思う?
ハコがいなくなった後にきたラキちゃん。
ハコの後輩のラキちゃん。」
とメグたん。
「メグは、私が、刑事だと知っていたのですか?
私が刑事だと知っていて、私に人を殺させたのですか?
正義が勝たないデスゲームから、私が脱出できないようにしたのですか?」
とラキちゃん。
「ラキちゃんが刑事なこと?
勿論知っていたわ。」
とメグたん。
「私を正義が勝たないデスゲームから出さないようにしたのは、なぜですか?」
とラキちゃん。
「正義が勝たないデスゲームには、都市伝説的な話があるのよ、ラキちゃん。
昔の知り合いに会ったら、命日へのカウントダウンの始まり。」
とメグたん。
「昔の知り合い、ですか?
ハコさんとメグは、確かにそうですが、メグは生きています。」
とラキちゃん。
「私とハコだけではないわよ?
ラキちゃんは、自分自身で経験済みよ?」
とメグたん。
「私?私の古い知り合い、とは、ふーくんのことですか?」
とラキちゃん。
「そうよ。ふーくんは、今どうしている?」
とメグたん。
「ふーくんは、ドッジボール以降、見ていません。
ふーくんは、ドッジボールで、怪我をして、精神的にも打ちのめされていました。」
とラキちゃん。
「ふーくんが心配?大丈夫よ。」
とメグたん。
「大丈夫ですか?」
とほっとするラキちゃん。
「ふーくんは、もういなくなったわ。」
とメグたん。
「いなくなった?ふーくんが、いなくなった?」
と繰り返すラキちゃん。
「正義が勝たないデスゲームには、もう、ふーくんはいない。
ふーくんの心配をしなくても、大丈夫よ、ラキちゃん。」
とメグたん。
「メグ、それは、大丈夫とは言いません!
ふーくんは、亡くなったという意味ですよね?」
とラキちゃん。
「早とちりで、感情を高ぶらせないで、ラキちゃん。
ラキちゃんを安心させてあげるために、ふーくんの話題を出したのよ?」
とメグたん。
「私は、ふーくんについて聞いても、何も安心できません。」
とラキちゃん。
「ラキちゃんは、生き延びて、ふーくんは死んだ。
都市伝説に信憑性が増したわね?」
とメグたん。
「私とふーくんが都市伝説を体現した、とメグは言いたいのですか?」
とラキちゃん。
「新人は、起爆剤であり、戦力でもあるのよ、ラキちゃん。」
とメグたん。
「ドッジボールで、誰にも私の手の内をよませなかったから、私は生き延びました。
都市伝説ではありません。」
とラキちゃん。
「ラキちゃんとふーくんの件で都市伝説の検証をしたいわけではないのよ、ラキちゃん。」
とメグたん。
「何のために、私は、メグから都市伝説の話を聞いているのですか?」
とラキちゃん。
「都市伝説は、唯々諾々と受け入れて、終わりではないのよ。」
とメグたん。
「メグは、都市伝説が、根拠のない噂だと証明したいのですか?」
とラキちゃん。
「参加者には都市伝説と言われているけれど、都市伝説ではなく、一つの法則だとしたら?
カウンターを仕掛ける余地は大いにあるわ。」
とメグたん。
「都市伝説を一蹴したいのではないのですか?」
とラキちゃん。
「ラキちゃん、都市伝説ではなく、正義が勝たないデスゲームの法則だと考えてみて?
顔ぶれが変わらないと、視聴者も退屈するわ。
正義が勝たないデスゲームの参加者の入れ替わりは、視聴者にとっての刺激になるわね。
退場者には、死の入れ替わり戦。」
とメグたん。
「法則としては、あり得ると思います。」
とラキちゃん。
「ラキちゃん、私は、正義が勝たないデスゲームでの暮らしを気に入っているのよ。
新人が、私の生存を脅かし、私の人生を楽しくないものにしようとしていることは、自明の理。
ラキちゃん。新人は人生を退場してもいいと思うわよね。」
とメグたん。
「メグが正義が勝たないデスゲームの中に私を押し留めた理由は、私を殺すためですか?」
とラキちゃん。
「強がっているラキちゃんを可愛がってあげるわよ?」
とメグたん。
メグたんとラキちゃんのお喋りは、ここまでだった。
メグたんとラキちゃんは、再び掴み合いを始めた。
メグたんに殺されそうだ、と知ってからのラキちゃんは、メグたんの出方を見ながら動いたりはしなかった。
早め、早めに、ラキちゃんから攻撃を仕掛けていく。
俺は、メグたんとラキちゃんの戦いを見て、ラキちゃんが不利になったら、ラキちゃんを助けることを決めた。
俺が、ラキちゃんのためにできることは、ピンチに陥ったラキちゃんの助けになること、くらいしかできることが思いつかない。
ラキちゃんのピンチは、すぐに訪れた。
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8月4日は、8月3日より、投稿話数、少なくなります。




