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160.メグたんとテニス経験者っぽい男ツカサの二人、タケハヤプロジェクトの参加者に、正義が勝たないデスゲームの脱出について、俺が聞いた理由。

メグたんとテニス経験者っぽい男ツカサと同じ部屋に入ったときから。


メグたんとツカサが、俺を見定めるのと同様に、俺も二人を観察している。


画面の美醜について、もっともらしく述べていたメグたんの本心は、別のところにある。


同じタケハヤプロジェクトの参加者のツカサに俺を引き合わせること。


正義が勝たないデスゲームの次のデスゲームが始まる前に、ツカサに俺を俺として認識させるため。


メグたんが、正義が勝たないデスゲームの画面の外で、俺をツカサに会わせようとした動機は、何か?


メグたんとテニス経験者っぽい男ツカサは、二人とも、配信されていることを第一に、どう魅せるか、を考えて、誰といる姿を見せるのが、自分自身にとって、より良い結果に繋がるか、を計算して、振る舞っている。


ドッジボールで死んだ、デスゲーム運営から送り込まれていたおーちゃんは、デスゲーム運営から送り込まれた知識ではなく、タケハヤプロジェクトの参加者としての経験を活かして、目立たなくしていたのではないか?


ドッジボールで死んだおーちゃんが、タツキが人殺しをしないで済むように、と考えて立ち回ってこれたのは、他の参加者よりも、デスゲームの経験値が高かったからできた。


おーちゃんは、配信される生活と建物内の構造を熟知していた。


おーちゃんの追い落とし役として、デスゲーム運営は、メグたんとツカサの二人をドッジボールに投入している。


おーちゃん、メグたん、ツカサは、デスゲームだけでなく、生活が丸ごと配信される暮らしの経験から、いつ、どこで、どう動けば、自分の望む結果を出せるか、が、頭に入っている。


モエカが、メグたんを敵に回さなかった理由は、明白。


勝つ見込みがゼロだから。


自ら参加を決めて、年単位で、デスゲームを生き抜いてきたタケハヤプロジェクトの参加者に、ぽっと出の正義が勝たないデスゲームの参加者は敵わない。


モエカは、正義が勝たないデスゲームの最初期の参加者だった。


モエカは、モエカの後に、正義が勝たないデスゲームの参加者として新しく送り込まれてくる参加者と、モエカ達が来る前に、タケハヤプロジェクトの参加者として滞在していた参加者との差に気づいたのではないか。


モエカは、生き延びる戦略として、タケハヤプロジェクトの参加者であるメグたんといた。


昨日まで、モエカの戦略は有効だった。


今日、モエカの戦略が失敗したのは、デスゲーム運営が、モエカを死なせる判断を下したから。


俺は、そう考えていた。


俺が、佐竹ハヤトの繋がりで、自分とも繋がりがあると知ったモエカも、デスゲーム運営の指示を疑っていなかった。


だが。


メグたんに案内された部屋に入ってからの俺は。


モエカの死が、デスゲーム運営の意図したものであったかどうか、疑問に思っている。


メグたんが、モエカを死なせたくなったから、死なせたのではないか、と疑っている。


モエカの死は、デスゲーム運営の意思ではなく、メグたんの自由裁量だった可能性はないか?


デスゲーム運営に、モエカを死なせる理由はない。


一方。


タケハヤプロジェクトの参加者であるメグたんには、モエカを殺す動機がある。


モエカが佐竹ハヤトの自殺幇助を行い、佐竹ハヤトが死ぬ前に、正義が勝たないデスゲームを始めたせいで、メグたんをはじめとするタケハヤプロジェクトの参加者の環境は激変した。


タケハヤプロジェクトの参加者が、納得して参加を決めたタケハヤプロジェクトは、正義が勝たないデスゲームになった。


タケハヤプロジェクトの参加者になんの説明もなく。


タケハヤプロジェクトの参加者の同意も得ず。


デスゲーム運営にはない、モエカを殺す動機が、タケハヤプロジェクトの参加者にはある。


もう一つ。


デスゲームが終了後、正義が勝たないデスゲームの参加者であるタケハヤプロジェクトの学生は、すぐに、スマホにきた指示を見て、アスレチックの部屋を退出していた。


だが、メグたんは?


メグたんが、アスレチックの部屋の出入り口で、俺を待っていたのも。


俺と話をするために、ツカサの待つ部屋に俺を案内したのも。


メグたんのデスゲーム後の行動は、デスゲーム運営の意思によるものか?


どちらも、メグたん自身の意思によるものだとすれば。


正義が勝たないデスゲーム中の行動は、デスゲーム運営の意思に従ってさえいれば、タケハヤプロジェクトの参加者には自由裁量が許されているのではないか?


タケハヤプロジェクトの参加者は、正義が勝たないデスゲームの参加者とは異なり、デスゲーム運営の意図を伝達されている。


正義が勝たないデスゲームでは、何の説明もないが、デスゲーム運営は、タケハヤプロジェクトの参加者を、正義が勝たないデスゲームの参加者とは別枠で扱っている。


タケハヤプロジェクトの参加者が、デスゲーム運営の意図にそう行動をすること以外の縛りがないなら。


刑事だったラキちゃんの先輩のハコさんが、正義が勝たないデスゲームを脱出していながら、舞い戻ってきて、おーちゃんに死へと導かれた件。


タケハヤプロジェクトの参加者が、ハコさんの脱出にかんでいた、と、今の俺は予想している。


ハコさんが、おーちゃんに死へと導かれたのは、タケハヤプロジェクトの参加者が協力して脱出させてやったのに、舞い戻ってきたことへの報復、もしくは、罰則だったのではないか。

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