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144/468

144.報道が仕事として成り立つのは、報道が与えるものだから。仕事としての報道とは何か、考えたことはあるか?情報は自分から取りに行くものだ。

報道が、仕事か趣味かを聞いたら、不愉快さを露わにしてきた。


「なぜ、そんなことを聞く。

仕事だ。」


仕事に理想を持っているのか。


「報道を仕事でしているなら、その人が欲しているのは、真実でも真相でもない。


報道したい人が欲しているのは、次に繋がる評価であり、次の仕事だ。


仕事であるということは、生活がかかってくる。


生活のために、金を稼ぐ。


金を稼ぐコツは、金を払う側を満足させること。


仕事の基本だ。


成果には対価を。


正義が勝たないデスゲームは、報道されない。


なぜなら。


正義が勝たないデスゲームは、会員制有料配信サービス。


無料で報道したら、有料配信サービスの会員がまず怒る。」


俺は、仕事にやり甲斐など求めない。


仕事は、俺にとって楽で安全で、稼げなければ、やりたくない。


俺は、大学卒業後、自活できてきた。

俺のやり方は、俺にあっていた。


俺のやり方が、合わないというより、理解できなかったのが、俺の家族。


俺は、大学卒業後、家族から距離をおいた。


俺と家族は、理解し合えないと気づいたので、傷つけ合う前に離れた。


考え方が合わなくても、俺は、家族を憎みたくない、家族から憎まれたくない。


俺は、家族と理解し合えない分、自活することで、親不孝者にはなっていない。


俺は、やりたいことしかしたくない。


俺は、やりたいことしかしないために、俺自身の環境を自分で整えた。


それに比べてタケハヤプロジェクトの学生は何もしない。


他人をあてにする面の皮の厚さ。


自分で解決する能力がないと告白していることに気づかない頭の足りなさ。


この二点以外に突出させる気はないのか。


頭が回らないから、自信満々に話せるのか。


俺は、佐竹ハヤトと会話ができなくなったのが、残念でならない。


タケハヤプロジェクトの学生が全員死んで、佐竹ハヤトだけが生きている状況なら、俺は、佐竹ハヤトの無事を喜んだ。


佐竹ハヤトも喜んだだろう。


この国の未来を生きる人も喜ぶのではないか。


「正義が勝たないデスゲームは、タケハヤプロジェクトから始まった。


タケハヤプロジェクトを始めたのは、国だから、この件は必ず報道される。


国民には知る権利がある。」


自信満々に出てくる言葉は、何の絞りカスだろうか。


「若手の官僚の発案から始まったタケハヤプロジェクトは、支援団体の暴力性と政治力に恐れをなした官僚だか政治家とタケハヤプロジェクトの学生の協力により、無事に、支援団体に乗っ取られている。


支援団体に乗っ取られた以上、報道の自由も、知る権利も、適用されない。」


タケハヤプロジェクトも、正義が勝たないデスゲームも、報道される日はこない。


「支援団体が、この国の誰が死のうと、気にならないやつらなのは、認める。


だが、正義が勝たないデスゲームは、どうだ!」


「正義が勝たないデスゲームは、タケハヤプロジェクトを乗っ取った支援団体とは、別の意思が運営している。


タケハヤプロジェクトも、正義が勝たないデスゲームも。


どちらも、完全に国の管理下にあるかどうかは、微妙なセンだ。


報道すれば、国よりも、怖いものの不興を買うと分かっていて、報道するか?


人が関与する余地があれば、人の意思が介在する。


表向きは、国が管理していたとしても、実際に管理するのは、人だ。


人には、意思がある。


人の意思は、人によって左右できる。」


言葉を発するのを止めて睨んでいるのは、同意ととっていいか?


「支援団体と支援団体の背後にあるもの。


デスゲーム運営とデスゲームの有料会員。


両方かどちらかかを敵に回して報道したとしても、その報道に誰が金を払う?


報道を見る側は、与えられる報道に金を払わない。


欲しい情報は、与えられないから、情報を必要とする国民は自分で探す。


知らないか?


報道と情報を取り巻く仕組みは、与えるか、取りに行くか。


報道を作るために、報道するために使われる金を用意して、支払うのは、誰だ?


金を用意して、支払う誰かに、タケハヤプロジェクトと正義が勝たないデスゲームを報道させる利益はあるか?


両方から攻撃されても、報道するか?


支援団体には、邪魔な官僚を殺したという、人殺しの実績がある。


報道した後に殺されるのは、官僚ではなく、誰になる?


報道した者か?


いや、違う。その報道を許した誰かだ。


報道を許した者は、死に追い込まれる。


報道した者は、いつの間にか、世間からいなくなる。


タケハヤプロジェクトの官僚と佐竹ハヤトのように。」


俺の言葉は、よく響く。


アスレチックのデスゲーム参加者は、全員が、俺の言葉に耳を傾けていた。


「ここから先は、タケハヤプロジェクトの学生に生きる価値があるかどうかの話をするか。」

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