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130.タケハヤプロジェクトの学生が、デスゲームの舞台となる建物の中に揃っていた理由は?タケハヤプロジェクトを乗っ取ろうとした支援団体の計略。

「タケハヤプロジェクトの会場とは、この建物のことか?」


この建物は、今、デスゲームの舞台となっている。


デスゲーム内にいるということは、タケハヤプロジェクトの見学と称して入ってきて、そのまま、今に至るのか?


一度外に出て、戻ってくる理由があったなら、別だが。


現在、この建物内から出ようとしなければ、生きていける仕様には、なっている。


見学と言う名の偵察に来た支援団体と、佐竹ハヤトを裏切った、タケハヤプロジェクトの学生達が見学にきた当時は、外部から入ってきた人が見学出来る仕様だったということになる。


「その通り。

俺達は、見学に来た日から、ずっと、この建物の中にいる。」


話し手の声がかたくなった。


気が進まない話をするからか?


「この部屋にいるのは、全員、タケハヤプロジェクトに参加していた学生か?」


「その通り。」


「支援団体からは、一人も見学に来なかったのか?」


タケハヤプロジェクトの会場となる建物に、推薦する人物を住まわせようとしていた支援団体が、タケハヤプロジェクトの建物内を偵察する機会をみすみす逃すか?


タケハヤプロジェクトに使われている建物内を偵察するために、学生の見学をお膳立てしたような状態で、何もしないという選択をするか?


「支援団体からも見学に来た。


見学に来たが、一人も、建物内に入らなかった。


建物の周りを見て帰っていった。」


支援団体は、タケハヤプロジェクトが持つ二つの顔のうち、デスゲームについて何かしらの情報を得ていたのか。


支援団体が横取りを企んだタケハヤプロジェクトより、会員制有料配信サービスのタケハヤプロジェクトの方が浸透していたなら。


通り一遍の情報は、支援団体も集めただろう。


「支援団体は、知っていたのか?


この建物に足を踏み入れると、生きて出られないということを。」


支援団体は、学生を消しにきたか。


タケハヤプロジェクトが、目標とする成果を出し、佐竹ハヤトが大人しくなったのを好機だと、とらえたか。


タケハヤプロジェクトに関わってきた佐竹ハヤトを含む学生をまとめて一度に消せば、証拠は残らない、とふんだのだろうか。


「タケハヤプロジェクトを体験しながら、親睦を深めてくることを、やつらは提案してきた。


佐竹ハヤトと俺達は、もっと分かりあうべきだと。


佐竹ハヤト一人だけが、何もかも分かったような状態は良くない。


タケハヤプロジェクトに参加する学生全員で、佐竹ハヤトの知識を理解して、タケハヤプロジェクトの仕組みを共有しなくては、タケハヤプロジェクトに参加してきた、とは言えない、とやつらは言った。」


タケハヤプロジェクトに参加していた学生に、佐竹ハヤトの思考や作ったものが理解できたか?


天才と凡夫の思考は、交わらない。


凡夫は、結果を先に覚えて、結果に追いつくのが、せいぜい。


社会に戻れない学生が、佐竹ハヤトの仕様を理解したところで、誰かに説明する機会などない。


タケハヤプロジェクトに参加した学生が、佐竹ハヤトの仕様を理解するまで、佐竹ハヤトが学生に説明することに意味があったのではないか?


天才が凡夫に説明している台詞を入手できれば?


支援団体は、入手した佐竹ハヤトの説明を有効活用できる。


佐竹ハヤトの名前も、タケハヤプロジェクトに関わってきた若い官僚の存在も、タケハヤプロジェクトにつきまとった悲劇も、支援団体によって引き起こされた不都合は全部伏せて。


「佐竹ハヤトの知識や思考を理解して、タケハヤプロジェクトの仕様を学生間で共有するように、と言い出したのか。


突然過ぎる気がするが。


支援団体がその要求を突きつけてきた理由は?」


「タケハヤプロジェクトは、成果を認められて、表彰されることが決まったから、全員がインタビューに答えられるようになっておかないと、何もしていなかったと疑われる、と言われた。」


社会的な成功の機会を、学生の鼻先にぶら下げたのか。


何の貢献もしないまま、タケハヤプロジェクトに残っていた学生の目的は、社会的な成功を認知されることか。


佐竹ハヤトは、自身の力で、功績を知らしめることができた。


佐竹ハヤト以外の学生は、佐竹ハヤトだけに功績を持っていかれることに、抵抗があった、ということか。


功績をたたえられたいと考えていなければ、インタビューで説明を求められたときのことを想定しない。


功労者の佐竹ハヤトに喋らせておく。


タケハヤプロジェクトの学生は、支援団体の意図を読めなかった。


支援団体に、舌先三寸で丸め込まれ、佐竹ハヤトが功績を独り占めすることがないようにするため、タケハヤプロジェクトの建物の中に、佐竹ハヤトと共に入ったのか。


佐竹ハヤトは。


俺の友達は、予期していただろうか?


凡夫の浅慮によって、社会から抹殺されにいくことになる未来を。


俺の友達は、希望的観測というワードを使ったことがなかった。


予想して、外れなかった予想と、一人で戦ったのか?

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