表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
127/472

127.タケハヤプロジェクトが、妨害を退けた方法とは?俺は北白川サナに鎌で両太ももを切られた女の台詞を思い出している。『目をつけていた土地』

「タケハヤプロジェクトの同じ建物を会場にして、会場内の出来事を会員制の動画として楽しむ有料サービスが、タケハヤプロジェクトのプログラムとして、同時にたち上がっていた。」


「タケハヤプロジェクトという名称の別々の企画が、同時に同じ場所で始まっていたのか?」


第三者が、混同するように。


「別々ではなかった。

どの企画も、タケハヤプロジェクトそのものだった。


泥棒学生と泥棒学生を擁護した政治家と、その支援団体の専門家だけではなく、佐竹ハヤト以外の学生も、刑務所で服役する代わりにタケハヤプロジェクトに参加する、という企画だけがタケハヤプロジェクトだと思いこんでいた。


佐竹ハヤトは、そう見せることに成功したんだ。」


タケハヤプロジェクトとして関わってきた人達には、一つの企画を押し出して、注目を集める裏で、佐竹ハヤトは、タケハヤプロジェクトを潰さない企画を用意したのか。


「タケハヤプロジェクトは、適性をみて、参加者を決め、参加者には専用の建物内に住まいと仕事を与える。


会員制有料配信サービスを始める前に、参加者は、十分用意できていたということか。


会員制の有料配信サービスの会員も、事業として軌道に乗るほど集まっていたのか?


有料配信を廃止できないほどに。」


話し手は、回想を話すと気力がわくようだ。


全体にやる気を感じられない風情だった第一印象を裏切って、楽しそうに話している。


「その通りだが、それだけではない。


タケハヤプロジェクトは、会員制有料配信サービスの名称になっていた。


タケハヤプロジェクトが、何かを第三者が調査したとする。


刑務所に服役する代わりに地方都市の建物内で仕事をしながら暮らすこと。


会員制の有料配信サービス。


誰が調査したところで、素人でなければ、この二つにたどり着く。」


理解した。


「刑務所に服役する代わりに、の方は、関わった面子が限られていて、知名度も高くない。


乗っ取るには十分な条件が裏目に出たか。


タケハヤプロジェクトとは、何か?と問われると、会員制有料配信サービスが、メインだという調査結果が出てくるようになっていたのか。」


「その通り。


泥棒学生はともかく、政治家と専門家と支援団体の阿鼻叫喚は、笑えた。


タケハヤプロジェクトで、あれほど笑ったのは、後にも先にも、あの一回だけだ。」


その場面を思い出したのか、話し手は、顔をほころばせた。


「あいつらは、タケハヤプロジェクト、イコール、会員制有料配信サービスの図式をなくそうとして、逆にタケハヤプロジェクトの存在を広めていったんだ。


タケハヤプロジェクトは、会員制有料配信サービスの廃止を宣言して、その日のうちに撤回した。


会員制有料配信サービスにも関わらず、会員に説明せずに、廃止を宣言したら、どうなるか?


会員制有料配信のうちは、秘密が漏れない。


会員も配信者も、危ない橋を渡っている自覚がある。


会員制有料配信サービスを廃止するとなると、秘密を秘密にしておく必要がなくなる。


タケハヤプロジェクトが、有料配信サービスを廃止にする動きを見せたとたん、光の速さで、タケハヤプロジェクトの秘密が広がった。


その秘密は、一般社会では非難の的になるものばかり。


皮肉にも。」


結果、タケハヤプロジェクトは、廃止の宣言を即日撤回せざるをえない状態に追い込まれたのか。


秘密が露見したときに非難されるのは、個人だ。


タケハヤプロジェクトを非難するとき、誰を非難する?


タケハヤプロジェクトの学生側代表は、泥棒学生。


オブザーバーとして、名前を乗せていた政治家。


順当にいくと、この二人は非難される。


この二人だけが非難されたなら、タケハヤプロジェクトは、会員制有料配信サービスの廃止を撤回はしないだろう。


「廃止を撤回した、ということは、支援団体に火の手があがったのか?」


「タケハヤプロジェクトを始めるために専門家を派遣した団体は、専門家の派遣だけでなく、タケハヤプロジェクトの根幹に関わっているという書面を残していた。


支援団体は、タケハヤプロジェクトを乗っ取る目的で、残した書面に足を引っ掛けられたようなものだ。」


プロに特定されたのか。


書面が、会員に回覧されたのだろう。


俺は、新人歓迎会で、北白川サナに太ももを鎌で切られた女を思い出した。


北白川サナに太ももを鎌で切られた女の台詞通りだと、目をつけていた土地を先に、タケハヤプロジェクトが掻っ攫ったという解釈になる。


北白川サナに鎌で太ももを切られた女は、土地に目をつけた時期を明言していたか?


タケハヤプロジェクトの因縁を聞いた今なら。


支援団体が、タケハヤプロジェクトの参加者を入れ替えて住まわせたい場所として選定していたが、会員制有料配信サービスを廃止できなくて、参加者の入れ替えが頓挫したため、手に入らなかった土地、という解釈もできる。


北白川サナが、デスゲーム運営が送り込んだという点を加味すると?


北白川サナに鎌で太ももを切られた女は、支援団体と関係の深い組織に所属していた、か、使われていた、ということになってくる。


新人歓迎会の参加者のうち、北白川サナと俺以外を生かす気が、運営にはなかった理由があるとすれば?


俺以外の新人歓迎会の参加者は、タケハヤプロジェクトに、何らかの形で関わってきた過去がある、ということにならないか?

楽しんでいただけましたら、ブックマークや下の☆で応援してくださると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ