表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

過去のお部屋

ミニドラゴンボールトリュフチョコ

作者: スタジオ めぐみ

専門学校時代。

初めて手作りチョコを渡した話です。

願いを叶えてシェンロン!

思いを込めて、7個トリュフを作った。

味は、最高に甘ったるいから好き嫌い分かれそうだ。

気持ちだけは最高級なので届いてほしい。

片思い中のラオウに届くといいな。

多分、渡しても99%と困るだけだと思うが、どうしても作って渡したかったのだ。

1%の可能性に賭けてみたい気持ちだ。

今までチョコを溶かしてチョコを固める意味あるのか?と思っていたが、寮の友達の助けもあり、楽しくトリュフチョコを作ることができた。

丸めたトリュフに爪楊枝で小さく穴を開ける。ドラゴンボールになるように、1つ目は穴を1つ開けてトリュフを置き、2つ目は2つ穴を開けて、それを7個作った。

さて、これはいつ渡そう…

作った時は寮の友達とワイワイやりながらだったから気が付かなかったが、このチョコ重くないか?物理的にも気持ち的にも…

トリュフチョコは市販の物より1回り大きく1つでも充分なくらいだ。それを7個。

ドラゴンボールだから、7個あげたい。

もう、どうにでもなるだろう。


バレンタインはまだ先なのだが、学校だと渡す勇気がない。

友達と遊ぶ時にラオウも来るはず。

その時、渡そう。

その日は1日中ドキドキした。

18歳のバレンタインデーで初めてチョコを渡す私。

私は18年間、恋愛もしないで何をしていたのだろうか…途中で渡す気持ちが冷めてきたが、寮の友達に「ガンバレ」って応援してもらった。やるしかない。

渡すだけ。そう、渡すだけ。


遊んだ帰り道、ラオウを呼び止める。

「まだ先だけど、バレンタイン近いからチョコを寮の友達と作って…。」

「ありがとう、でも俺甘いもの苦手なんだよね。」

「えっ?あ、大丈夫?無理なら人にあげてもいいし、捨ててもいいし…。」

「わざわざ、ありがとう。」

「ありがとう。」

バイバイして、寮まで走って帰った。

完全に困っていた。やってしまった。

卒業まであと少し…

時間がないといろいろ焦る。

その後、ラオウとは友達のまま遠すぎず、近すぎずのまま。

そう、わかってる。

最初からわかってるのだ脳みそでは。

恋愛では脳みそがうまく働かず、気持ちで動いてしまう。


月日は流れ、卒業式。

卒業式の日、私はどうしても最後にラオウと話がしたくて電話した。

電話したのは初めてで、心臓がバクバクした。

すぐに電話にでた。

気持ちに余裕はない。

「あの、いきなり電話ごめん、なんか話したくて。」

「大丈夫だよ。」

「なんだろ、えっと前から好きでその、ありがとうが伝えたくて。」

「うん、こちらこそありがとう。」

「これから、みんなバラバラだね、元気でね。」

「うん、そっちも元気で。じゃ、ありがとう。」


短い電話だった。

何を喋っていいかわからなくなる。

だけど、どうしても最後に話したかった。

失恋はもっと悲しいものだと思ったが、すごくスッキリした。

もう悔いはない。


新潟から群馬へ引っ越しの準備を始めた。

初めての1人暮らし。

初めての場所でいろんな人に出会うことにワクワクしている私がいた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点]  (^_^)/(-_-;) [一言]  高校生にもなって素直に「ありがとう」と受け取れない男とは上手く行かなくて正解だぁ!  砂糖と塩を間違ってようが前歯が折れるかと思うほど硬かろうが、「…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ