4 は?周回するんだが?
しばらくゲームの世界です(10話数)くらい
作者「正直ここが第一話な気が」
冷夏「ふんっ!」
作者「おごぉ!」
零「やったぜ!」
「私は帰ってきた!」
なるべく低い声を意識して、大佐のセリフを叫ぶ。
草原がそよそよとして気持ちいいし、ここにはコロニーも何もないのだった・・・
とりあえずこの小高い丘に帰って来たわけだが、おそらくチュートリアルの途中だったな・・・
どうしよ・・・広大で自由過ぎて・・・もしかしてこれ死に覚え系統なのか・・・?
『丘を下り北東へ向かうと初歩の町 グリーンベルがあります そこでこのチュートリアルは終了致します』
良かった!神ゲーだった!
僕は喜々として丘を下り、轍みたいになっている畦道を発見し、そのまま歩いていると草むらから犬・・・狼が飛び出してきた
唸りながら僕を威嚇する狼・・・体の上に緑の恐らくHPバーが存在し、アーリーウルフと名前が浮かんで見えている。
「初戦闘・・・開始だっ!」
ゆっくりと日本の刀を抜き放つと、身体が勝手に構えを取る。
両方の刀をだらりと下げ、いつでも相手の行動に反応出来るような構えだ。
おそらくこれがスキルによってアシストされた動きなのだろう。
自慢ではないが現実でこんな事は出来ないし、以前にプレイしていたA・Oでは両手剣一筋だったし・・・
じっとアーリーウルフを睨んでいると、口を大きく開けながら襲いかかってきた!
身体を半身動かし、すれ違いざまに横腹に左の脇差をアーリーウルフへと振るう。
「キャンっ!」
悲鳴と共に鮮血が飛び散る。
「ッ!」
血に驚いていると、未だ血を出しながらもアーリーウルフが僕の右足に噛み付いた。
「いっっ!!」
痛み そして僕の脚から血が流れ出す。
バクバクと逸る心臓の鼓動感じながら、二刀を振るう
右手の刀を首筋に 左の脇差を顔に 袈裟懸けに 手に肉を裂く感触を感じさせながら。
「はっはっはっ・・・」
荒い呼吸を繰り返し、少しずつ呼吸を落ち着ける・・・
「リアル過ぎる・・・痛覚があるし、それに・・・」
HPが無くなったアーリーウルフは、横たわり、死体はそのままだった・・・
他のゲームなら、光になって消えてドロップするはずなのに・・・
『初戦闘の終了を検知 倒したモンスターへ向かい収集と唱えると素材が入手出来ます 収集すると経験値と素材 稀に装備やアイテムをドロップします』
刀を鞘へ納め、アーリーウルフの死体へ向かって、『収集』と唱えた。
「!」
ブレスレットが光り、右腕が勝手にアーリーウルフの方に上がると、死体は光りに包まれた後血痕を残して綺麗に無くなった。
・EXP 7 獲得
・10コル 獲得
・草狼の毛皮
・草狼の牙 獲得
・熟練度が上昇しました
・レベルが1上がりました スキルポイント3獲得
ログが流れる。視界の左上に有る僕のHPは5程削れていた。
成程、こういうシステムなのか・・・
というか・・・
「魔法使えばよかった・・・どうやれば使えるのかもわかんないけど・・・はしゃぎすぎた・・・」
『ダメージを検知 回復にはアイテムの使用 回復魔法 町の治療院にて治療する事が出来ます。』
町で回復出来るのか・・・アイテムストレージを開くと、1010コル入っていた。
ついでに装備を確認すると、武器耐久値のゲージが少し減っている。多分鍛冶屋か砥石で回復かな?防具は服屋とか防具屋かな・・・
ズキズキと痛む脚を我慢しながら、魔法スキルを確認する
■月魔法 レベル1
・ルナヒール 詠唱により発動可
■氷雪魔法 レベル1
・リトルアイス 詠唱により発動可
・リトルスノウ 詠唱により発動可
あった!これ回復魔法でしょ!
ルナヒールと選択すると、目の前に文字が浮かび上がる、恐らくこれが詠唱呪文なのかな?
『月の精霊よ 月の雫の恵みを 今此処に』
暖かな黄色い光に包まれると、足の痛みがすっと引いていった。
・習熟度獲得
・月精霊との友好度上昇
ログが流れ、視界に映るHPが全開し、MPは三分の一程減って見える。
『後一キロ程で町に着きます 世界には様々なダンジョンや遺跡があり 最下層でのボスは討伐後、三十分程でリポップ致します レアアイテムやユニークスキルを獲得することがあります おたのしみください』
僕はさっきまでの戦闘の興奮やら恐怖やらは吹っ飛んで
「は?周回するんだが?」
と口走っていたのだった。
世間は暗い話題ばかりですが、せめて暇つぶしになれるよういっぱい更新致します。