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ラヴィアン・ワールド  作者: てろめあ
明けの陽光は眩しく
3/41

1 これからいいとこなのに!


『ハロー ワールド ハロー ヒューマン』


暗転した視界に音声案内が響く


『言語選択をお願いします』


ここらへんは他のゲームと一緒か・・・


「日本」


まよわず日本を選択。これで語感解読インターフェースで外国の人でも日本語変換されて会話可能だ。

余談ではあるが、読み物とかも変換される為、現代社会に言葉の壁は基本存在しない。ALIOSをつけていれば、だが。


『日本語に設定されました 変更はコンフィグからお願いします 次に現実肉体投影の可否選択をお願いします』


少し迷いながら、「可 現実肉体投影リアルトレースで」


『承認を確認 次に 疑似魂仮定機能を起動します 軽い頭痛と吐き気が起きますが ご安心を』


「はい」


体の周りに青いリング状の光が足元から頭に迫る。

おそらくこれで体の解析?している・・・ぃぃっ!

激しい頭痛 そして強烈な吐き気を覚える。

現実であればALIOSが危険尊号を発信し、家族や救急車にに連絡されてもおかしくは無い程に。


「い!あぅぁあ・・・・ぅ・・ぇぇぇ」


断続的に続く頭痛と吐こうとしても出ない嘔吐感に倒れ込みそうになった時、嘘の様に『それ』は終わった。


『お疲れ様でした。 綺麗な魂と純度 レベル5の拒否反応を検知 お詫びをプレゼントへ送付いたします。 ■■■ rtuddiihskshoxhvisdd ■■■■』


「ぅ・・・はっはっはっ」


浅い呼吸を繰り返す。

今のは?ありえない・・・軍の訓練VRは痛覚そのままらしいけど、通常のゲームには必ず規制がかかっているはずなのに。

体が冷えていくような恐怖を僕は感じた。


『負荷を確認 記憶消去を施術 ・・・ 完了 少々お休みください。』


「えっ??」


わけがわからないまま、僕の意識は闇の中に沈んでいってしまった。



■■■■


「■■! 気持ち■■! ■■!」


遠くで、声が聞こえる

人二人が言い争っているような・・・


「■■■!■■■■!」


あれは・・そう・・・多分姉で、小学校の時に・・・・

だから、もうひとりは・・・・


「あ」


自分の目から大量に涙が出てる事に気が付き、呆然としていると、姉が僕に優しい笑みを浮かべ

まだ小さい僕を抱き上げて・・・


「もう、大丈夫だからね、零」


ひどくその言葉と姉の臭いに安心して、僕は最後にもう一人を見ると

まるで、『汚いゴミ』をみるような視線を・・・あの人が僕に・・・・


■■■■■


そよそよと凪ぐ風と揺れる草の音

清涼な水の流れる音に、僕は気が付き、目を開けた。


「ここ・・・は・・・」


確か、キャラクリをして、真っ暗になって・・・寝ちゃってたのか?

昨日は朝六時まで最近ハマって居た『ソーディアン・アトラクタル・オンライン』で聖剣堀して・・・・・・・あ、一時間しか寝てないんだった。


「うへへっ」


確率は高い方の2%の聖剣。ランダムドロップではあるが、聖獣レオルスというライオン型BOSSを神域ダンジョンで周回。そして2%で出た聖剣から最高値の属性を目指して、確か確率0.05%の壁を越えようとしていた。結果は最高値ではないが、妥協できる範囲で朝六時に気が付いて寝たのだけど、、、

そもそも、ソーディアン・アトラクタル・オンライン・・・通称A・Oは剣のみのVRMMOで、世界中の剣と流派が組み込まれたゲームだった。何よりも剣の入手方法の難易度が高く、低ドロップ率の素材を入手するか、超低確率の剣ドロを目指すか・・・しかもこのゲーム剣士しか出来ないので、モンスターの狩りが出来ない人はショップで買うしか無い、がバカ高いのだ。

いくらプレイヤーが捨て値で出品しても確実に運営の悪意とも言える『税金』システムで、トップランカーが全財産叩いてやっと初期武器並みの物は買えるという謎鬼畜仕様。

道端に捨ててもインベントリに勝手に帰ってきてしまい、恐怖すら覚えるプレイヤーが多数。廃人が新規を取り込む為に自分をPKさせたりするも剣はドロップしない仕様。

だがプレイ感は現実と齟齬が少なく、快適という謎クオリティ・・・・

正直、僕向きだったのは言わずもがな・・・


「って!いまはラヴィだよね!」


ラヴィアン・ワールド。ネットライブでは広告を見ない日はないし、掲示板も毎日情報交換で大盛りあがり。多分掲示板発だと思うけど、呼び方は皆だいたいラヴィになってる。言いやすいし。


「ん・・・・」


キョロキョロと周りを見渡すと、どうやら神殿?のような場所に居るらしい。

体を起こし、横たわっていたらしい四角い石・・・石ベット?から降りる。

朽ちた神殿・・・というのだろうか、至るところに穴が有り、窓は割れて至るところに草が生えている。

入り口であろう木製のドアへむかって歩き出した。



「うぁ・・・これすごい・・」


違和感が無い


まるで自分が本当にここに居ると思えるこのリアリティ。

これが、現実置換型MMMORPG 何者のもなれて、何でも出来る。

ラヴィアン・ワールド

心が沸き立ち、体がふわふわと飛んでしまいそうな感覚。

僕は、このワクワクが止まらないまま、扉を開け、外に出た。



「っ・・・・」


開けた大空に衛星だろうか、赤と青の星が見え、見たことのない鳥が飛んでいる。

遠くに見える山々は荘厳に、美しく聳え立ち、近くに大きな湖。

遠くには空に浮かぶ大きな白亜の白、宇宙まで伸びてそうな大樹。

しかいいっぱいに広がる未知が僕に言葉を失わさせていた。


ポーンと案内音が鳴った


『ラヴィアン・ワールドへようこそ レイ様』


音声案内と、目の前にディスプレイが浮かんだ。

・・・あれ?僕名前登録したっけ・・・・?


『チュートリアルを開始いたします。まずは右腕のリングよりメニューを開いてください。』


うながされるまま右腕に目線を落とすと、銀色に輝くブレスレットが嵌っており、触れて見ると視界にメニューコマンドが表示された。


■ステータス

■アイテム

■装備

■フレンド

■転移『現在使用不可』

■ログアウト


『ステータスを開き自信の状態の確認をお願い致します』


僕はステータスを開く


■ レイ ヒューマン (仮) LV1

■ ジョブ

■ HP20 MP10

■ A 4

■ B 5

■ M 8

■ S 10

■ R 15

■ スキルポイント 5

■スキル ユニーク

 天眼

■スキル

■称号

 

ユニークだ!キタぁ!噂通りだ!


『HPは体力 MPは魔法使用につかいます Aは攻撃力 Bは防御力 Mは魔力 Sは素早さ Rはラックとなって居ます。スキルポイントを使用すると様々なスキルが獲得出来ます スキルをタップしてみてください。』


案内に従いスキルをタップすると、カテゴリーに別れ膨大な項目が出現した。

いくら下へ項目を動かしても、終わりは無さそうだ・・・


『欲しい能力はキーワード検索や、困難な状況時、ユニーク獲得時に取得可否が案内され、または自動取得されます』


へぇ・・・じゃあ、試しに・・・

「刀」

へへっ日本の男の子ならねっ・・・・

スキル画面が目まぐるしく動き、刀に該当するスキルだけを取捨選択してくれたようだ。


『取得したい場合は二回タップか音声入力を 詳細希望時は長押ししてください』


試しに刀 一刀流をタップすると、見たこともない流派やらなんやらがズラッとならんだ。

示現流?柳生流?・・・わからん・・・いっぱいありすぎる・・・・

ちょっと音声案内試してみよう!


「えっと、僕にあう刀の魔法のスキル」


再度画面が目まぐるしく動き、項目が『3つ』だけになった。


■ 二天一流

■ 月魔法

■ 氷雪魔法


「なんか、かっこいい」


正直さっきからテンションMAXで爆上げ中で、独り言も多い気がする。気にしないけど。

一個一個詳細を見てみた。


■ 二天一流

剣豪武蔵が使ったとされる流派

二刀を使った剣術であり、少ないが一刀流を入って居る。

スキルレベルを上げると技が増えます


■ 月魔法

ルナ精霊の力を借り月の加護を得ることが出来る魔法を使用することが出来る

スキルレベルを上げると月魔法が増えます。


■ 氷雪魔法

氷雪スノウ精霊の力を借りて氷と雪の力を行使する魔法を使用する事が出来る

スキルレベルを上げると氷雪魔法が増えます。


迷わずその3つを取得し、スキルポイントが残2になった。


『ユニークを検知 詳細を把握することを推奨します』


ステータスに戻り、天眼を長押しした。

■ 天眼

常時発動 対象の発する微小な反応を把握することが出来る

二天一流のレベルと習熟が一定値に達すると昇華することができる。



ん・・・なんか先読み系スキルかな?習熟とか昇華は使い込めば進化する要素かな?


『アイテムは開くとストレージとプレゼントがございます 確認ください』


案内のままアイテムを開くとストレージは空っぽで、プレゼントにアイコンが一つはいっていた。

受け取りを選択すると視界内にログが流れた。


・打刀二対 (中・小) レア度2 (レア)


やった!ちゃんと二刀流用の武器!S・Oとは違うなあ・・・

最小は素手のほうが強いっていうタイトル詐欺だったなぁ・・・・

あつい思い出(殴り合い)を思い出しているとアナウンスが流れる。


『慣れてきましたか? 次に装備を確認し、所持しているのであれば装備してみてください』


装備項目を開くと、一覧が開かれた


■ 武器 右手 左手

■ 頭 

■ 体 幽玄の羽織 レア度2(レア)

■ 腕

■ 腰 幽玄の袴 レア度2(レア)

■ 靴 幽玄の草履 レア度2(レア)

■ アクセ


武器欄を選択すると打刀一対があったので選択すると、腰の辺りが淡く光り重さを感じると

刀と脇差が刺されて居た。

・・・・かっこよい。


『フレンドはこの世界に出会った人物と交わす事でチャットと念話が出来様になります NPC 現地人と交わした場合は念話のみ可能となります 転移は一定の場所か、アイテム所持時に使用可能となります ログアウトは現実世界への帰還が可能となります。』


なるほど・・・ん?


『現実世界からレイ様のALIOSに着信が多数来ています ログアウト致しますか?』


「ぐうっ!」


多分・・・姉だ・・・・しかし、何故?

いつもは終わるまではチャットで我慢するのに・・・・

というかラヴィはプレイ中は電話出れないのか・・・


かなりゲームに没頭したい欲を我慢しながら、僕はログアウトすることにした。


子供の時とか、凄い良い時に親とかが声かけてくるあれ。

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