キミは僕になる!
僕の身体は、物心つく頃から動かなくなってしまった。
身体を動かせる場所も決まっている、、、!
両目と左手の小指だけ。
あとは、、、まったく動かせないんだ、、、!
だから僕は、ずっと病院のベットに寝たきりの生活なんだよ。
でもね、、、!
目で追って、文字を打てるパソコンのお陰で、僕の思っている事を
みんなに伝える事が出来るんだ、、、!
お父さんやお母さん、妹には本当に感謝しているよ。
それに、病院で仲良くなったピットにも感謝しているよ。
ピットは、僕より1つ下の男の子で、身体は自由に動かせるみたい
なんだけど、、、?
頭の中に腫瘍があるらしく。
手術では、取り除くことができないらしい、、、!
ピットは、今も放射線治療や抗がん剤治療を頑張っているんだ、、、!
*
ピットと初めて会った時の彼は、元気そうで髪もフサフサで
顔色も良く、いい肉付きの体型だったのに、、、!
半年もすると、、、?
髪の毛が抜け落ち、ガリガリに痩せていって顔色も青白く悪くなった、、、!
それでもピットは、弱音を吐かずに頑張っていたんだ、、、!!!
『ねえねえ? トーリィー! ボクも頑張るからトーリィーもがんばれ!
病気になんか負けてたまるか! そうだろう、トーリィー!』
『あぁ! 僕もがんばるよ! いつか身体を自由に動かしてみたい!』
『そうだ! トーリィーが諦めてないのに! ボクも生きることを諦めない!』
『ピット! 君と友達になれて良かったよ!』
『ボクもだよ! トーリィー!』
▼
僕とピットは、お互いを励まし合った、、、!
病気に負けない! これから強く生きて行こうと、、、!!!
・・・でもその3か月後、、、。
ピットは、亡くなってしまった...。
その事を知ったのは、僕の家族に聞いた時だった、、、!
『ねえ? 最近、ピットが僕の病室に来ないんだけど、どうしたの、、、?』
『・・・うーん、治療が大変なんじゃないのかしら、、、?』
『そうだよ! トーリィーは自分の事を考えたほうがイイ!』
『・・・お兄ちゃん、本当の事を言うわ! ピットは、もう亡くなったの!』
『えぇ!?』
『どうして? お父さんもお母さんも、本当の事を言わないの? そんなの
おかしいよ! ピットは、一生懸命に自分の病気と戦っていたのに、、、。』
『・・・そうね! ごめんなさい、でもトーリィーがショックを受けると思って!』
『・・でも言わなかったら? もっとショックだよお母さん!』
『すまん! トーリィー!』
『いつ? ピットは、何時亡くなったの、、、?』
『一昨日の夜中よ! 急に心臓発作を起こして! そのまま、、、。』
『何か僕にピットは言ってた、、、?』
『“トーリィーには、病気に負けないで欲しい!”って!』
『うっ、ううっ、ピット、、、グスン、』
ピットが、亡くなった事を聞いて怖かった、、、!
僕もいつか、、、?
そんな日が来るのかなって、思ってしまったから、、、。
*
この日の夕方、、、。
僕の主治医の先生が、僕に大切な話があると家族も含めて話をしてくれた、、、。
『先生、大切な話って何ですか、、、?』
『実は、まだ実験段階なんですが、ひょっとしたら? トーリィーの身体を
自由に動かす事が出来るかもしれません!』
『えぇ!?』
『健康な体に、トーリィーの意識を取り込むのです。』
『でも、それは! 生きた方の体と言う事ですか、、、?』
『いえいえ! 亡くなっている方の体を冷凍保存してあるので! その方の
体を使います! もし? トーリィーがすると言うのであれば! トーリィー!
君の場合はピット君の体を使おうと思う、、、!』
『・・・ピットって? 嘘でしょ? そんな事が、、、!?』
『これは! ピット君の最後の願いでもあるんです! トーリィーの体を
自由に動かせるようにさせたい! それが、彼の最後の願いでした!』
『・・・ピット、』
『どうするトーリィー?』
『ピットの最後の願いを叶えるよ!』
『そうか! するか!』
『トーリィー! ちょっと待って! 実験段階と先生は言いましたよね!
もし、上手くいかなかったら? どうなるんですか、、、?』
『それは、、、“植物人間”になるかと、、、。』
『・・・そんな、』
『確かに、、、覚悟がいる事です! どうされるかは、、、? トーリィーが、』
『いや? 僕はするよ先生! これはピットの為でもあるんだ!』
『・・・トーリィー、』
『トーリィー! いいんだね! それで!』
『うん!』
僕の決意は、どんな事を言われても変わらなかった、、、!!!
これは! ピットがくれた贈りものなんだと、、、!
僕は思ったから、、、!
▽
1週間後、、、。
僕は家族を説得して! 手術をする事になった、、、!!!
手術時間は、なんと28時間もかかった...。
大手術になったんだ、、、!!!
僕の意識をピットの体に取り込むことが凄く難しかったらしい、、、!
二つを一つにするんだから、、、!
そんな簡単な事じゃないのは、僕でも分かっている、、、!!!
*
僕は手術後、丸一日経って目を覚ました...。
なんだか? 凄く不思議だった、、、!
僕だけど、僕じゃない感じ、、、。
僕が目を覚ますと、、、?
そこには、家族と先生がいた、、、!
『トーリィー! 大丈夫かい?』
『・・・あぁ! どうやら? ちゃんと生きているみたいだよ!』
『トーリィーが、喋った!』
『お兄ちゃん!』
『トーリィー!』
『もう! 大丈夫みたいですね! 手術は成功です!』
『先生、ありがとうございました!』
『ねえ? 鏡が見たいんだけど、、、?』
『トーリィー、びっくりしないで見てね! はい!』
『・・・ううん。』
鏡に映っていたのは、、、?
・・・ピットだった!
いや? 今日から僕の体になったピットだ、、、!
僕は鏡に向かってこう言った、、、!
『これからは! ふたりで一緒に生きて行こうな、ピット!』
*
僕はこうして! 第二の人生をピットと共に歩んでいる、、、!!!
最後までお読みいただきありがとうございます。