番う夜
「ただいま」
「あら、おかえり。今日は早かったわね。」
「んー?そういやそうか。まぁ元から楽な仕事だったしな。それに…まぁ、色々やりやすかったし」
「あら?リザードマンの彼と当番一緒だったの?珍しいわね」
「何故、あいつだとすぐ分かる…?」
「何年夫婦やってると思ってるの?それぐらい分かるわよ」
「ぐ…」
「ほーんと仲良いわよねー。彼の奥さんに妬かれるわよ?あ、そうそう。奥さんで思い出したけど、彼女、妊娠してたわよ。三ヶ月」
「まっ…じか!?はー…あんな若いハーピーの嫁さん貰った時はどーなる事かと思ったが、やるこたぁやってたか。こりゃいいや。ははは。今度、からかいに行かなきゃな!」
「そういうとこよ?」
「…何が?」
「雄ってのはこれだから…」
「は…?」
「はー…もーいいわよ。それで?あの子たちより夫婦歴は私たちの方が長いわよね?」
「ん?まぁそうだな」
「先越されたなーって思ってるのは、あんただけじゃないって思わないの?」
「え…?えー…今日はお仕事ちょっとハードだったんだけどなー…なんつって」
「あら?今日は満月なのにもう疲れちゃったの?歳かしらね、狼男さん」
「言ったな…明日の朝まで乾く間もないってくらいにするからな。覚悟しとけよ」
「ふふ、望むところよ。なにせ私は人魚だもの。乾いたら死んじゃうわ」