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後編

その相手の視点です。

俺は友達が多い。

色んなやつと友達だ。


だから、同じ学校のたんぽぽのような普通な女の子にも挨拶した。


友達は挨拶から始まる。

そこから色々な話をして、自然と友達となっていく。

だから俺は挨拶をする。


初めは戸惑っていたみたいだけど、普通に返してくれるようになった。


俺とたんぽぽのような彼女との関係は、俺が挨拶をして、返してくれるだけの関係。


彼女から挨拶してくれることも、話しかけてくれることもない。

だから、俺も挨拶以外はしない。


でも、楽しんだ。

挨拶だけなのに。


初めは週に1度くらいしか気づかなかった。

でも、最近は週に3日ぐらい、彼女を見つける。

挨拶をしてすぐに別れる。


物足りないとも思うけど仕方がない。



彼女との関係はずっと変わらない。

挨拶をするだけの関係。


遠くにいても見つけられるようになった。

たんぽぽのように、似たような子は多い。

でも、彼女は、たんぽぽみたいだけど、普通の子みたいなんだけど、ちょっと違う。


大勢いても、見つけられるようになった。

でも、挨拶は週に3日。



そして、次の進路を決める時が来た。

俺と彼女と学力の差はある。


普通に行けば違う学校に行くことになるだろう。


でも、それじゃ嫌だと思った。


たんぽぽのような彼女は、『彼女』ではない。

俺は彼女の『彼氏』ではない。

俺たちの関係は恋人ではない。


俺には『彼女』がいたことがあったけど、学校が違うことになりそうで別れた。レベルを下げて同じ学校に行こうと思わなかった。


でも、たんぽぽのような、どこにでもいそうな、彼女とは、学校が違えばこの先一生会えない気がした。


それを嫌だと思った。


だから、彼女と同じ学校を受けた。


そして、同じ学校になったことを驚いていた彼女に、

「おはよう。また、よろしくな。」と言った。


この関係はまだ終わらない。


でも、いつの日か、この関係を終わらせる。

やっと気づいたこの気持ちを彼女に言ったらどんな顔をするだろうか?


彼女は、たんぽぽのようなどこにでもいそうな人だけど、俺にとっては、表情が豊かで、あたたかいたんぽぽのような可愛い女の子だ。



まだ、彼女と俺の不思議な関係が続いている。


恋人ではない。

友達でもない。

同じ学校の人というのも違う。

知人というのも違う。

俺の片思いというだけというのも違うような。


一日に1度、俺が挨拶して返してくれるだけの関係。


そんな可愛いたんぽぽのような彼女と俺との不思議な関係。


ありがとうございました。

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