表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/11

使いまわしの愛

 作戦は単純なものだった。

 出来るだけ女性と交際経験のなさそうな男子を狙う。

 交際をし、性行為を行い、愛情をもらう。

 それが無駄がなく、なおかつ最速の方法だった。アカリの奇病がいつ悪化するかは分からなかったので、事は一刻を争った。出来るだけ安全そうな男選びはトオルが行った。

 アカリは幸いにも、女性慣れしていない男子に好かれそうな外見をしていた。見た目だけでなく、性格も明るいほうではなかった。思春期で盛りがついた男子で、アカリの誘いを断るものはいなかった。作戦は面白いほど上手く進んだ。

 だいたいの男子は、一回交わると好意を肥大化させてくれた。

 行為中に甘い言葉も吐いた。本当ならトオルに使いたかった言葉は、何人もの男に使いまわした。言葉に意味は持たせないようにした。言葉を使うたびに、裏切っているような錯覚に陥る。

 その度にアカリはトオルがくれた言葉を思い出していた。

 そして「ごめんなさい」と呟くのだった。

 誰にも聞こえない声は、中絶された命のようだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ