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私、まだ死にたくない

 ピリリリリ。

 トオルのスマホに着信が入った。アカリからだった。口数が少ないアカリから着信が入ることは今までなかったので、トオルは少々面を食らった。

「……もしもし」

「……」

 電話の向こう側で啜り泣く声だけが聞こえてきた。

「……アカリ?」

「……トオル君……ごめんなさい。……私、病気になった」

「……病気?」

 アカリは震えた声で、ポツリポツリと話し始めた。

 不治の病になってしまったこと。現代の医学では治らないこと。

 愛で治癒する場合、100人以上から愛されないと治らないこと。

 それはつまり、一般人ではほぼ治すことが不可能なレベルの病気だった。

 同じ病気になった国民的アイドルがファンの力で完治した例はあるが、一般市民がこの難病にかかって完治した例は未だかつてなかった。

 普段感情をあまり表に出さないアカリが、電話の向こうで泣き崩れながら言った。

「私、まだ死にたくない……」

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