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季節の空  作者: 柊 由
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1話*これも運命?

新しい制服に腕を通す。

憧れのブレザーにチェックのスカート。

新しい靴に新しい鞄。

今日から高校生活が始まるという実感に心が躍る。

私の名前は森岡夏もりおかなつ

高校生になったら、新しい友達作って、お弁当一緒に食べて、帰りはいろんなところに寄り道して・・・。

してみたいことがたくさん!

え?恋を忘れてるって?

私は恋愛に全く興味がない。

中学の時に告白されたことはあった。

だが全て断った。

理由は男が嫌いだから。以上。

野蛮人だし、いい加減だし、ガキだし、もう存在自体ありえない。

出来ることなら私立女子高に進学したかったんだけども。

私の家からは遠く、泣く泣く公立共学の学校を受験した。

とりあえず極力、野蛮人の男共と関わらず生活していきたい。

「おっはよ~なっちゃん。今日からバラ色の高校生活が始まるね~。」

のほほ~んとしたしゃべり方のこの子は有野美沙ありのみさ

「バラ色って・・・その表現、古くない?」

この子はみなみ 芹香せりか

大人っぽくてとても頼りになる。

二人とも中学のときからの親友である。

「おはよう。早くクラス表見に行こ!」

「同じクラスだといいな~」

校舎の前の掲示板にたくさんの人だかりができている。

友達と一緒のクラスになった子や離れ離れになった子などいろいろな会話が飛び交っている。

「うわっすごい人・・・。」

芹香は人だかりを見て嫌そうな顔をしている。

「見えるかな?」

一番身長の低い美沙が一生懸命に背伸びをしているが、あまり意味がない。

とりあえず私が代表して見てくることになった。

「えっと~・・・あ!!」

なんと奇跡的に3人とも同じクラス。

「私たち縁あるね~。」

「腐れ縁ってやつだけどね。」

「もー沙良はすぐそういうこという!でも、良かったぁ。二人が一緒で。」

他愛もない話をしながら自分たちの教室に向かう。

「やだー!!私だけ席遠いよぉ~!」

美沙が叫ぶ。

席が50音順で並んでいるため美沙だけ離れた。

「仕方ないでしょ。私に言われても困るし。」

「うぅ~せりちゃん冷たい!」

頬を膨らませながら自分の席へと美沙は戻っていった。

見かけだけではなく中身まで小学生レベルに近い・・・。

私の席は芹香の真後ろだ。

「ざっと見、あんま大した男いなそうね~」

あんたは学校に何しに来てるのよ?

「私は興味ないから。」

「まだそんなこと言ってるの?もったいない。そこそこ勉強出来て、そこそこ性格良くてそこそこ可愛いんだから。夏は。」

そこそこうるさい!

別に男に好かれたいとか思ってないし!

「あっそー。」

・・・本当に冷たい女だ。

芹香と話していると隣の席の人がやってきた。

「俺の席はぁ~ここか。」

げ、男・・・。

「お、早速天敵1号現れたね!」

小声で芹香が言ってくる。

絶対馬鹿にしてる・・・。

ギッと睨むがすでに前を向いていた。

この女・・・。

「これからよろしくな~。」

隣の彼は私の方を向き笑顔で挨拶をしてきた。

馴れ馴れしすぎる!!

何なのその距離感信じられないありえない。

「あ、うん・・・・。」

ものすごくひきながら目線も合わさず返事をした。

そんな私におかまいなく自己紹介を始めるどこまでも馴れ馴れしい男。

「俺、森岡春もりおかはる。」

は?

「女みたいな名前だろ?よく間違われるんだよな~。ってどうしたの?」

呆然としている私に不思議そうな顔をしてこっちを見てる。

私の聴力、衰えたのかな?

聞き間違えかな?

「あの、今なんて?」

「よく間違われる?」

「もう少し前。」

「女みたいな名前?」

「その前!」

「森岡春。」

それだ!!って、えぇぇ!!?

「マジで!?」

「え、なに?」

突然叫ぶ私に驚いた様子をしている。

でも私はそれ以上に驚いている。

「だって・・・私の名前・・・森岡夏だもん・・・。」

あぁ神様、こんなことってあるのかしら・・・。

バラ色の高校生活がとても遠くに感じる。

目の前で肩を揺らしながら笑いを堪えている親友。

遠くで状況把握できていないすっとんきょんな顔をしてこっちを見ているもう一人の親友。


私の高校生活はどうなるのやら・・・。

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