変態な二人
ふと目覚めた俺は目の前の光景に驚いた。俺が世界で一番愛する女が男とキスを交わしているのだ。
あまりの衝撃に開いた口が塞がらなかった。
数秒後なんとか平静を取り戻す。
しかし、内からどんどん怒りがこみ上げてきた。
昨晩俺は彼女と唇を重ねた。己の切実な想いをそこに込めて……。彼女の独特な香りが心地よく、俺を安らかに眠らせてくれた。
もの凄い絶望感だ。俺が汗水垂らして稼いだ金をほとんど彼女に投資していたというのに、
彼女の唇は俺だけのものだ。でも、他の男に汚された。
よりにもよって父親に。
あれだけ彼女のことを口では汚していたにも関わらず……。
ツンデレだったのか……。
でも、いくら父親でも許せない。
世界で一番好きな女、俺の嫁、フィギュアを俺以外が触れてはならない。
父親は禁忌を犯した。
俺は父親を全力で殴る。