初めての列車
列車に乗り込み適当な席に座る。床は踏むとギシギシ鳴って座席も狭い。でもあまりお金を持ってないけど列車に乗れるのは嬉しい。
「これが列車かー!まだ動かないのか?客が全然居ないぞ!俺達だけか、やったなリディア」
列車に乗るのが初めてのレオは興奮して座席からぴょんぴょん跳ねて騒いでいた。
「…レオうるさいよ。お客さんなら私達のほかにも数人居るんだから静かにしないとダメだよ」
レオのうるささにこっちを覗きこむおじさんに怖そうなお婆さんの視線が居たかった。でも楽しそうにはしゃぐレオに私は少し笑ってしまう。レオは感情をすぐ表に出せる。でも私は━━━━━━━
「どうかしたのか?」
「ほわあああ!!」
れ、レオの顔が近くにあって思わず変な言葉が出てしまった。でもよく見るとレオはかなりの美形だ。それはずっと前から分かってたけど。癖毛が無くて綺麗な赤色の髪、整った顔立ち。そして背。学校に入学したらモテるかもしれない。
《御乗車ありがとうございます、この列車は首都ファミール行きです》
アナウンスが流れていよいよ出発の時が来た。列車はゆっくりと動き始め、私達が育った村がどんどん遠ざかっていった。その事に心を痛ませたけどようやく夢が実現する。
「村の外はあーなってんだな!」
窓の景色はまだ木ばっかりだけどレオは何だか嬉しそうだ。これから長い列車の旅になる。少しでも休んでおかないと体力がもたない。
「レオ、今のうちに休んでおこう?」
「ん?俺は大丈夫だ。全然眠くないし疲れてないからな。お前は寝てろよ」
元気だというアピールをされお言葉に甘えて少し休む事にした。レオも居るから安心して眠れそうだ。これが一人だったら眠れないだろう。
「……ありがとう、サミュルに着いたら起こしてね」
そう伝えて私は眠りに落ちた。
◇◇◇
「きろ…起きろ……ディア………リディア!」
レオが体を揺らすから嫌でも目を覚ましてしまった。窓から射す温かい日差し。もう朝になったんだ。私、だいぶ寝ちゃったな。
「もうサミュルに着いた?」
「あぁ。水の都だってさ!早く行ってみようぜ!腹減ったし昼にして……あ、いい匂いだ」
あ、本当だ。いい匂い
「行ってみようか」
そう言うとレオは嬉しそうに微笑んだ。




