ドラゴンの正体
「……聞いてくれ。このまま一人で戦ってもあの龍は倒せない。だが、力を合わせれば勝てるかもしれない」
ギル君が皆の前に立ってそう言った。確かに一斉に攻撃すれば更なるダメージを与えられるかもしれない。
「いい考えね、私は賛成よ」
皆の答えは既に決まっていた。ギル君の作戦に決まり、皆が倒すべき鉄の龍の方へ向いて命令する。
『ちょっ、ストップじゃ』
お爺さんの声が空間中に響く。誰が喋っているのか探してみると答えは自然に見つかった。敵である鉄の龍からだ。
「な……喋ったぞ?」
私達は唖然とした。喋るのは人間と魔獣、稀にアンナチュナルでそれ以外はありえない。つまりこの龍は魔獣かアンナチュナルのどちらかなのだ。
「……臆するな、もう一度攻撃だ」
『待てと言っておるじゃろ!我はお前達の味方じゃ、むしろ元々は人間なのだぞ』
喋る龍は私達の味方だと、しかも元々は人間だと言った。でもまだ安心は出来ない。皆も同じらしく構えたまま。
『…驚くな?我はこのナチュラル育成学校を創った創始者なのだ』
「そ、創始者って何だ?」
「あのね…分かりやすく言うとこのナチュラル育成学校を創った人だよ」
教えてあげるとレオは信じられないと言った表情で龍を見つめた。レオだけじゃない、皆同じだ。
『ふむ。言ったじゃろ?我は元々は人間…人間だった時にこの学校を創ったのじゃ…』
そう言う龍の表情はどこか寂しそうで嘘を付いてるようには思えなくなった。
「……では、何故俺達を試すような事をした。既に試験は合格し正式に月影部隊所属と認められている。俺達は入学式を受けに来たんだ」
そうだ。ナチュラル育成学校に入学する前、実技の試験を受け、勿論合格した。ギル君の言う通り、今日は入学式を受けに来た。
『……入学する前の試験とは違う。お前達を試したのは絆だ……月影は最前線でアンナチュナルと戦う過酷な部隊、故に途中で命を落とす者も少なくはない…だから絆は大切なのじゃ。勿論、チームワークにも繋がるからの』
「それでこんなめちゃくちゃな試験を…」
『まぁ、まだ不合格な所もあるが、我に傷を付けたという事で合格じゃ……ほれよっと』
校長先生は巨大な体を移動させる。と、真下に魔法陣があった。その魔法陣は大きく、人が30人乗れそうだ。
「……何に使うんだ…この魔法陣」
『この魔法陣は我の魔法じゃ。ここに乗れば一瞬で地上、つまりお前達が元居た旧校舎に行けるという訳じゃ』
そんな強大な魔法を使えるなんて、このドラゴンが校長先生だという話が本当のような気がしてきた。それはともかく私達は早速魔法陣に乗る。私達が乗ってもまだ余裕はある。
「あれ、校長先生は乗らないのですか?」
校長先生が私達の試練の為にこの地下空間に居たのならもうここに居る必要は無くなった筈だ。
『…ふむ、我はここから動けぬようになっておるのじゃ。我の事よりお前達の事じゃ…これはアドバイスだと思って聞くとよい』
そう言って校長先生は課題を出してくれた。
『まずはチームワークじゃの。一人、途中で単独行動をしたの…それはダメじゃ。次はお前さんじゃ』
校長先生はレオをじっと見つめる。レオは素直に謝っていた。お前さんという言葉と一緒に私の方を向く。
『見た所、魔獣と上手く行ってないようじゃのぉ』
やはりその事か。皆も薄々、いや気付いているかもしれない。
『地上へ戻ったらお前達の教官が居る。そこで個別に魔獣との事を聞くと良い。望むなら個別授業も受け付けているそうじゃよ……ではな、若き月影のナチュラル達よ』
「あ、ちょっと」
質問しようとした時、ちょうど魔法陣が光り始め目の前が真っ白になった。そして私達は地下空間から地上へと戻ったのだった。
なんか長くなってしまい、すいません。
実は書くの3回目です。
1、2回目は途中まで書いてたんですが、充電無くなったりなどのアクシデントで更新が遅くなってしまいました、ごめんなさい。




