仲間割れ
「起きて、レオ兄ちゃん!!」
んだよ。せっかく気持ちよく寝てたってのに。目を開けると心配そうな顔をしているシアが目に映った。そして同時にある異変に気付く。
「……明るいぞ?」
天井というか天井に照明が着いてて仰向けで寝てた俺はとにかく眩しかった。急いで起き上がるが、目がチカチカする。
「全く、ようやくお目覚め?」
その声の主はアイリスだった。その隣にはユリウスが居る。二人の顔付きは何やら深刻そうだ。
「…で、何処だここ。さっきまで旧校舎に居たよな?しかもリディアは何処だよ」
「私が知る訳ないでしょ!私達が少し見回ってみたけどリディア達には会えなかったわ」
って事は俺達はリディアとバラバラになったって事かよ!
「…怪我はしていないようだし、先へ進もう。恐らく向こうも同じ空間に居る筈だ」
クソッ、無事で居ろよリディア。
「あれ、なんか落ちてくるよっ!!」
シアの言葉に天井を見上げると本当に落ちて来た。ドシンという凄まじい音と砂煙が一気に襲う。
「…なるほど、俺達は簡単に進めないようだ」
砂煙が収まり姿が見える。まさかここで会う事になるなんてな。……蝶のアンナチュナル。
「な、何で蝶のアンナチュナルが!これはサミュルで倒した筈じゃない」
確かにアイリスの言う通りだ。俺達じゃ歯も足も出なかった相手。あの時はマナが居たから倒せたが、今回は居ない。
「サミュルで倒した?一度、同じ相手と戦ったというのか」
「えぇ。その時はちゃんと倒した筈よ……まさか仲間が居たのかしら」
「…よくわかんねぇけど、あのアンナチュナルを倒せばいいって事だろ。求めるは力!出てこいっ、虎!」
アンナチュナルを倒せば先へ行ける。倒してリディアを探しに行くんだ。
「ちょっと、レオ!まずは作戦を考えてからじゃないとダメよ」
「うっせー!行くぞ、虎。あのアンナチュナルにアタックだ」
『……承知』
虎はアンナチュナルに向かってアタックする。が、前回同様虎の攻撃は当たらない。何故ならサミュルの時と同じように水を防御壁としているからだ。
「どういう事?まさかサミュルで水を貯えたというの!こら、レオ。少しは人の話聞きなさい」
「うるせーよ、アイリス。奴は俺が倒すんだ!お前こそ邪魔すんじゃねぇよ」
もはやこの二人には協力という言葉は効かない。何故かは既に分かっているとは思う。
「レオ。ここはアイリスの言う通りだ、まずは作戦を練ってからどう攻撃するかを考えた方がいい。このままでは怪我人が出るぞ」
ユリウスが言う。ったく、早く倒さないとリディアの所に行けない。
「…俺はそんなチンタラするのは嫌だね。こっから別行動だ…ま、せいぜい頑張れよ」
俺はそう言って立ち去ろうとするが簡単には無理だった。
「本気なの?」
「…あぁ」
アイリスの問いに短く答える。
「……もういい、アイリス。いくら言っても無駄だと思うからな」
「へへっ、じゃあな」
これでリディアを探しに行ける。俺は元の道を引き返すように一人で走る。




