ナチュラル育成学校
「…………うっ……ここは…」
目を覚ますとベッドの上だった。天井を見ながら私は倒れる前の事を思い出す。倒れたのは確か、お爺さんが吸血鬼から奪った剣を触ろうとした時だった。
「…スー…スー」
レオが規則正しい寝息を立てて眠っている。どうやらずっと側に居てくれたようだ。眠っているレオの髪を触る。サラサラで砂を触ってるみたいに思える。
「…んんっ………あ、リディア!!」
いけない、起こしちゃった。
「起こしちゃってごめんね、レオ。ずっと側に居てくれてありがとう」
「いや、いいんだ。良かった…昨日はビックリしたぞ!いきなり倒れるんだからな」
そっか。レオにはいきなりだったんだ。私にはまるでスローモーションに見えた。
「ごめんごめん、もう大丈夫だから心配しないで」
そう言ってレオを安心させてから部屋を出る。するとちょうど朝食の準備をするアーシェさん、アイリス、マナ、アルムにお爺さんがいた。勢揃いだ。
「り、リディア!体は大丈夫なの?」
「うん。心配かけてごめん……アーシェさん、お爺さんもご迷惑おかけしてすいません」
「いいのよ。無事に目をさましたんだもの…それより今日はいよいよ入学式ね」
アーシェさんの言葉にハッとする。村を出てもう三日が経ったんだ。そして今日、私達はアンナチュナルと最前線で戦う月影に入るんだ。
それから時間が経つのが速かった。朝食を済ませ楽しい時間は終わりを告げる。これからは過酷で命懸けの生活が待ってる。だから少し寂しい。
「それじゃ、母さんにアルム。お爺様。行ってきます」
アイリスがそう言って私達もそれぞれお世話になったお礼を言う。温かいアイリスの家族に見送られて私達は去った。
最初の人数は二人、今は四人。二人増えただけで気分も気持ちも違う。賑やかになって楽しい。今私達は列車の中に居る。列車の中だとますます賑やかでレオとアイリスが子供のようにはしゃぐ。
「やっぱり学校に近づいてくと学校の制服着てる人が目立って来るね」
隣に座るマナに言う。ちなみに席はじゃんけんで決め私とマナ、レオとアイリスという席順になっている。列車の座席は二人ずつだ。レオとアイリス、私とマナという順番だ。
「そうだね。ほら、あの碧の制服は正義だよ!」
この列車にもちらほら制服姿の人が目立つ。私も周りを見るけど同じ、赤色の制服の人は見当たらなかった。
《次はナチュラル育成学校がある、ウィンシェルン、ウィンシェルン》
アナウンスが流れる。どうやら着くみたいだ。
「ほら二人供、ウィンシェルンだよ。降りる支度しなさい」
こうしてみるとマナはお母さんみたいだな、と思って少し笑ってしまった。
「…こらこら、何笑ってるのかなー?」
「きゃあっ」
そんな事もありながら無事、ウィンシェルンに着いた。駅から出てすぐに見つかった。何故かと言うと、この近所で一番デカイ建物が学校だからだ。駅を出ると目の前に公園がある。公園の近くには白い建物と碧の建物。よく分からない。
一際目立つデカイ建物、ナチュラル育成学校を目指して歩く。その頃になると白と碧の制服が同じ場所を目指し歩く。やっとの思いで坂道を上がると巨大な門が姿を現した。




