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しるし(詩集)

one afternoon

作者: さゆみ

私は葉ばかりの桜の並木道を歩く

わさわさ生い重なる濃い緑の葉は降り注ぐ日差しを抱きとめるから

道はひんやりとして心地よい


桜の幹に寄り添う紫陽花は薄れゆく花色を悲しむかのように俯いている

美容室帰りの私の髪を大人しい風がふわっと揺らせば

桜の葉 紫陽花の葉 つつじの葉 ひまわりの葉

それぞれの葉の緑の濃淡が瞳の中に押し寄せてくる


日差しが緑をこんなに鮮やかに染め上げるのは

太陽が緑を愛してしまったから

緑が太陽の愛を享け入れてしまったから 

それなら私は両方に恋をして

今だけはこの自然のハーモニーの中に溶けてしまおう


去ってゆく紫陽花の花は不意に回りだす”さようなら また来年会いましょう”

それぞれの花たちは口々にそう言い合っているのだろうか


私は葉ばかりの桜の並木道を歩く

美容室でのマッサージが効いたのか緑の神秘の力なのか

からだはすっきり軽くなり青蛙になって跳ねてみたくなる


ある日の午後ーー



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― 新着の感想 ―
[良い点] 自然のハーモニーと溶け合う・・なんてオシャレな表現なのでしょう!! 光とお花・・私もその瞬間を味わいたくなりました。 [一言] からだはすっきり軽くなり青蛙になって跳ねてみたくなる ↑…
2013/07/02 18:27 退会済み
管理
[一言] さゆみさま 勝手な解釈ですが、雨上がりの午後・・・という印象を持ちました。 桜やアジサイの葉の色も、太陽も、毎日同じ色ではないはずです。その移ろいを感じさせるような、穏やかさ。 6月も終わ…
2013/07/01 01:59 退会済み
管理
[一言] こんにちは(*´∀`) 読みながら鮮やかな情景を想像していました 梅雨から段々と夏へと変化をしていく様子を感じ、ついつい外へと出かけたくなる衝動にかられました
2013/06/30 19:09 退会済み
管理
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