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第85話 未来は、夢を見る者の中にある。

第三の指輪

アルゲントゥム・レグレッソ

ジョージ・サンタヤナ

--過去を記憶できない者は、それを繰り返す運命にある-


第四の指輪

シクラ・ヴィンテリス

ロマン・ロラン

--英雄とは、自分のできることをする人のことだ--



「カルロ……」

 目の前に現れたカルロそれは、姿は透き通った霊体

 たが、まるで生きているかのように、ちとせのノアの目の前には現れる。

「どうした?踏ん張れよ、さっきのアーサーとか言うやつは、強かったが、瀕死だった。だから、思うように力が出せなかった。けど、次は本気で行くぞ!」

 彼が手を重ねると、空間に魔力が脈打つ。

 眩い光が、辺りを包み込んでいく。

「指……いや、三頭獣・地獄ケルベロス・インフェルノ……

「神牙剣・量子断界クォンタム・リミッター!」

疾駆一閃・御名刃しっくいっせん・みょうなじん!」

 そうして3人から出る高出力のエネルギー波は、梟に命中する。

「まだ、、まだ!やれる!!」

 激しい光の中、梟はなおも立ち向かおうとあがく。

その姿にルシファーが声を張り上げた。

「おい!ミカエル!アレス!協力しろ!」

 ルシファーが近くにいた3人を呼ぶ、

「仕方ないなぁ、」

「わかったよ!」

 3人の神々しい存在が並び立ち、それぞれの魔力を放つ。

 放たれる光がひとつに束ねられ、さらに巨大な力となって、梟を飲み込んでいく。

「おい!レイ、ルーナ、ラムネ、ベルゼブブ、踏ん張れ……俺らも行くぞ?」

「おま、、コーディ……」

「ボロ雑……コーディさん、、」

 レイ達の目の前に、昔の仲間が現れる。

 それは、ちとせの上着に入った血の持ち主、コーディというハイル達とアザトースを倒し、世界を救った英雄の1人だった。

「あいよ!」

「わかった!」

「もちろんだ!」

 そうして、3人も手を合わせて、梟に向かって放つ、

「クルー、みんな頑張ってんぞ?」

「そうだ……」

「、!兄さん、、、デイビス、わかったよ!」

 クルーもまた、協力をする。

 霊体でありながらも、その様子を見ていたデバートや、リアム、その他亡くなった者たちもまた姿を表し、それぞれの想いと共に、今この瞬間に力を注いでいく。

「イザベラ!泣かないで!」

「え?」

 泣いていたイザベラの目の前には、エマ、ミア、そしてアーサーなども集まった。

「妾もいるぞ!」

 そうして、一同はちとせを信じて見守るのだった。

「しぐれ!」

「篠原さん、、」

 しぐれの目の前に篠原が現れる。

「ごめん、守れなくて、、」

「いいんですよ、ここまで思ってくれてありがとうございます。」

 その2人は少しの間だけ、再会を楽しんだ。

 押し返そうにも、もはやその気力は無く、限界の梟は負けを認める。

「……これが、アイツのアイツらの力か……」

 そうして、梟は圧倒的な絆の力を前に、かすれた声で言葉を残し、彼は一つ目の指輪を落として、光に溶けるように消えていった。

「梟、、いや、智……これがお前の望んでた事なのか……」

 元は智の最後を見届ける。


 指輪を拾い上げるノア。

ちとせはその場に座り込み、大きく息をつく。

「やった、、疲れた!!」

 ちとせは、その場に座り込む。

「やったな!」

 そうして、カルロは笑いながら手を差し出す。

「おう!」

 3人は手を重ね、ハイタッチを交わす。

「……じゃ、またな!早く来るなよ?」

 そう言い残し、カルロの魂は光の粒となり、静かに消えていった。

「……終わったか、」

 そのときだった。

空間がひずみ、あたりの魔素が一気に集まり出す。

 暴走する魔素。それはかつてちとせを呑み込んだ

“扉”と酷似していた。

「うそ!」

 ちとせは、すぐ近くにあった岩に捕まる。

 だが、ノアは引きずられるようにその渦へと吸い込まれていく。

 すぐに、ちとせは手を伸ばす。

 必死に伸ばされたちとせの手は、ノアの指輪を掴んだ。

「ノア!だめ!!」

「ちとせ、、大丈夫!またすぐに会える、待ってろ!」

 だが、死ぬかもしれない、そんな可能性がちとせの脳裏に浮かび上がる。

「でも、、」

「ちとせ!お前まで吸い込まれて、逸れたらそれこそアウトだ!

 まだ、カルロの元へ行く気は無い!」

 最後まで笑っていたノアは、自らの意志でちとせの手を振りほどいた。

 その姿は渦の中へと飲まれていく。

 ちとせは、魔素の暴走を止めるため、すぐに切り替変えようとする。

「止めるには、、指輪はノアが待ってて、、、なら!琥珀さん!」

 そうして、ちとせは琥珀を呼ぶ。

 即座に駆けつけた琥珀は状況を読み、力を集中させる。

「わかったです!回復した魔素を一気に消費しますが、、最大の高出力での……強制解除ッ!!」

 そうして、魔力の暴走は抑えられ消え去った。

 辺りには、静寂が残る。

 全てが終わったのだ。

「ノア……」

 ちとせは、下を向く、だがそこには四つ目の過去に戻れる指輪があることに気づく。

 ずっと持っていた指輪、

 人の命に関わることは、原則として禁止、サムソンでさえも守ったルール。

「ちとせ!ダメだ!」

 琥珀や、スターリンがそれを止めようとするも、

 ちとせは行動した。


 時間を遡り、半年前のレバインファクトリーへ。

 そこで、ノアが取り押さえられ過去のちとせが吸い込まれそうになる所に今のちとせは、現れる。

 すぐに物影に隠れ、ノアを救出しようとしたその時、

 ルナ達との日々の思い出が脳裏を過ぎる。

「やり直したら、、全部、、」

 そうして、ちとせは工場の隅の方で涙を堪えたのだえ、何もしないと言う選択をする。

 そのあと、ちとせは過去に戻る前の過去に戻り、なんとか元の正しい時間軸へと戻って来た。

 するとそこへ、しぐれの部下である井口が到着する。

「しぐれさん、記者達が、、」 

「……わかった!」


 そうして、そこに各国から来た記者が登場し、新たなセレスタリアの王妃について記事を撮ろうとしにやって来た。

「ロイ国王!新たな、王妃は!、」

「まぁまぁ、静かに、」

 その様子を影でコソコソ見守る。

 ルナとイザベラ、ソフィアは気絶。

「イザベラ!おめでとう!」

 ルナが、小さい拍手をしてイザベラを見つめる。

「なんでよ、あんたでしょ?」

「え?」

 そうして、ロイは名前を呼ぶ。

「ルナ・エリオット!来なさい!」

「まだ8歳!?」

「8歳だが、ちゃんとした王妃だ。」

 笑顔で記者達にそう通すロイ国王。

「何故妾?」

 疑問のルナ王妃

「当たり前だ、君の戦いぶりは見事だった。

 イザベラくんも良かったがね?」

 そう言って、ロイはイザベラに目をやる。

「えっと、ルナ王妃の護衛は誰ですか?」

 記者の1人がそう言って質問をする。

「はぇ?えっと、、

 沢山いるが………ちとせ……日浦ちとせが妾の護衛じゃ!」

「え?僕、でも、、期限が……」

 ちとせが護衛なのは王位継承まで、

 護衛契約は終わっているはずのちとせに、ルナは当然のように言い放つ。

「いいや!妾が言うんだから!護衛じゃ!」

「いいんですか?」

「お嬢様が言うなら、そうでしょう、」

 アーロンもそう言って笑顔で見届けていた。

「そっか、はい!護衛の日浦ちとせ!能力者です、」

「ほぉー!えっと、異名とかってありますか!?」

「何その質問?」

 1人の記者が変な質問をするが、ルナは自信満々に答える。

「え?、、えっと、、妾の輝く星の英雄(アストラル・ヒーロー)じゃ!!」

「アストラル・ヒーロー、、いいですね!でも、なんで?」

「それは、妾を照らしてくれる、妾にとって光り輝く星だから!」

 ルナは笑顔でちとせを見つめる。

「あの時の……はい、ルナを照らす、そして守る人、

そんな、アストラル・ヒーローになります、!」

 そうして、ルナ王妃がセレスタリアの王女になった。 

 そのことは世界各国にすぐに報道された。


 ――8年後――

 結婚式場、控え室。

「おい!早くしないと、、」

「分かってるって!……どう?お兄ちゃん!お姉ちゃん!」

「いいんじゃない?」

 口を揃えて、2人は綺麗の自慢の新婦を見ている。

 そこで、扉を勢いよく開けて3人が入ってきた。

「、、、綺麗!!妾も着たいなぁ〜!」

「お嬢様は、まだいい人を見つけてからです、」

「ちぇ、ケチ、、」

 お嬢様は不満気に、口を尖らせる。

「さ、早く、しないと新郎が待ちくたびれるぞ?

みんなまってる、行ってこい。」

「はい、行ってきます!」

 そうして、扉を開けて新婦は控え室から出て行く。

「俺らも行こうぜ!」

 そう言って、手をかざす兄。だが、開かないことに一瞬困惑するが、すぐに理解する。

「無くしたんだった、無いってなると結構不便だよな?」

「元の地球に戻ったってわけだ。

 まぁ、奇跡的に生還して戻ってきてアイツのおかげで、新婦上機嫌、まさか未来に送られてるのは予想外だけどね、」

 そうして、兄と姉は仲良さそうに喋っている。

「さ、お嬢様。私たちも行きますよ?」

「わかってる!セレスタリアを挙げての今日はお祭りだからね!」

「何食べよっかな、、」

 そうして、お嬢様と2人の執事は部屋を出た。

 式へ向かう一同の背には、飾られた一枚の集合写真があった。


 ――人里離れた田舎の村で――


「お〜い、デレク。夕食できるぞ、庭の掃除はいいから、入ってこい。」

「はい!」

 そうして、1人の少年は家に向かう。

 人が見ていないことを確認して、持っている箒を浮かし、元あった場所に勝手に戻る箒を見届け、家に入ったのだった。

「おつかれ、よくやってたな、」

「今日は、デレクが好きなハンバーグよ!」

「やった!」

 家に入る少年と、笑い合う家族。仲睦まじい光景に、穏やかな食卓。

「どうだ?やるべき事は、終わったか?」

 父の問いに、少年は笑顔で頷いた

「うん!"終わったよ"!」


 ちとせ達が救った世界は、今日も静かで平和な

優しい日々を続ける。

 そして、ちとせ達の物語は――ひとまず……

 幕を下ろすのだった。


 第Ⅲ部 アストラル・ヒーロー 〜護衛対象は8歳。難易度SS級。王女候補で、命を狙われてます――半年間、守りきれますか?〜

                     完結


完結!ありがとう!!

マジで感謝!評価してくれた人や、ブッグマークをしてくれた数少ない人、それのおかげでここまで来れました。

次はいよいよ止まっていた作品達を動かそうと思います。Ⅱ部から動きます、ぜひ読んでみてください!

Ⅲ部読んでくれてホントにありがとね!

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