第67話 どのみち死なねばならぬなら、 私は、なっとくして死にたいのだ
「指鉄砲!」
ハイルがそう言うと、指を開き、その瞬間5本の指から一斉に高威力のエネルギー波がひなのを襲う。
ひなのは全て避けようとするものの、流石に厳しく腕など致命傷を受ける。
「唯識解放!神妙開闢!」
ひなのがそう言うと、またしても唯識を解放する。
ひなのの脳はすでに限界状態であり、コレで勝てたとしても後遺症がひどく残ってしまうほどにボロボロになっていた。
そうして、揺れが起こり、ハイルの超越者の能力がさらに制限を受け弱体化を受ける。
(チッ!超越者なんだが!)
超越者は全ての能力の頂点に君臨する神そのものを上まる能力であり、全ての能力をも超えてしまう最強の超能力。
それをここまで対等に戦えるのは、この世界で前の超越者の持ち主であり、歴代最強の能力者、初代アストラルヒーローのひなのによる、戦歴の賜物であろう。
「………まずいんじゃ無いか?」
そう言ってひなのが煽るも、直ぐにハイルは超越者によって能力を無効化しひなのを蹴りで吹き飛ばす。
「………うっせぇな、」
(ちとまずいわ、これ、)
ハイルも内心焦っていた。
「なぁ、コレ勝てるのか?」
ルナが心配そうにハイルを見ている。
他の候補者達もハイルを見届けている。
ハイルがここで負ければ、ひなのに勝てる者は居なくなる。
超越者は世界に1人しかいなく、その能力は突如目覚める者では無い、継承していかなければ途絶えてしまう。
ハイルが死んだら、、
梟陣営の勝ちが確定してしまう。
「ハイル、、、」
レイは珍しく、心配していた。
ひなのの唯識解放は自身にも強大なバフがかかり、
相手の能力を無効化することができる。
「ひなの!」
ハイルがそう言ってひなのに向かって大量の魔力弾を投げ込むも、ひなのは片手で全て弾く。
「無駄だ!」
そうして、ひなのは黒色に変化する。
超越者は白く、ひなのの物は黒く変化した。
それは、超越者の下位互換であるものの、戦うには十分な力を持っている"凌駕者"であった。
「力技でいかせてもらう!」
ひなのがそう言うと、ハイルに向かって押し飛ばす。
(知らんてそれ!)
ハイルは混乱しながらもなんとか応戦する。
「なんじゃ!あれ!」
ルナがそう言ってひなのを指差す。
「いや、アレ……見たことない…」
マリーでさえも知らない能力に一同焦りが見えていた。
梟達は、勝ちを確信したようで余裕の笑みを浮かべている。
ルシファーが人型になり指パッチンをして、再度強化結界を張り巡らせる。
「どうした?終わりか?」
ひなのがそう言ってハイルに近づく。
(超越者、負けるか………でもまだ、、)
「お前を削れてないな……」
そう言って膝跨いだ状態でハイルは、ひなのを見つめる。
(何言ってんだ?コイツ、まぁいい、矢軌・一閃……)
そう無詠唱でひなのはハイルに向かって技を発動しようとしたその時、
ハイルは寸前で避けた。
「危な、」
ハイルは、和泉の記憶読心によってひなの記憶を読んだのだ。
ひなのは油断した。
その瞬間、ハイルはファエトンを呼びひなのに向かって技を放つ。
「ハイランダー・ストライク!」
そうして、ひなのは吹き飛ばされる。
「まだ、最後までやらんとな、スレッド・サイクロン!」
そうして、ハイルは手から糸を出し、高強度の糸を出し竜巻を発生させる。
ひなのの身体が小さく切り刻まれていく。
「クソが、」
「ウィンドストライク!
ディバイン・サンダーストライク!」
ハイルがそう言って直ぐに二つの技を連発する。
(コイツ、技を、しかも最高出力で、、展開してやがる……どんだけの魔力量だ、、)
凌駕者でも防ぎきれない強力な技、超越者とハイルの技を合わせてここまで強力に仕上げた。
「アイツ、あの技……」
「………覚えてたんだ……」
レイと和泉がハイルを見つめる。
ハイルはレイの方を少し見つめた。そんな気がした。
「ひなの、たのしかった……本気でやらなくてごめんな!ファエトン……あと頼んだ、
唯識解放!最大出力!紫電一閃!」
ハイルは死ぬ気で技を発動させる。
その時、ハイルの目の前に1人の人物が現れる。
「……魔…王………?」
「そ、うか……」
その人物とハイルは少し話し笑みを浮かべる。
「達者でな、、」
そうして、辺りから雷が鳴り響き、それは刃の形をしてひなのを襲う。
「クソが、、」
ハイルは脳が焼き切れてしまった、
その場に倒れ込む、その瞬間、最後の力を振り絞り、超越者により死を数秒遅らせる。
「指………鉄…砲…」
そうして、ひなのは唯識解放に気を取られたその時、ハイルの指鉄砲を直で喰らう。
そうして、追い打ちをかけるように、紫色のオーラを纏う雷がひなのを天から突き刺す。
そうして、ハイルは最期にひなのに致命傷を与え、後継者に託すのだった。
ハイル・アクロイド……死亡。
そうして、突如として、ちとせ、エディ、アーサー、黒子の4人がアーロンの足元から出現する。
「あずな!なんとか出られた!」
「俺の作戦通りだな!」
「君は何もしてないだろ、、」
「………」
そうして、4人が出てきたその時、ちとせの視界に地面に倒れ込むハイルの姿が目の前に映る。
「え……」
ちとせがそれを脳で認識するよりも早く、隣から誰かが素早く、動き出す。
《ハイル・アクロイドの創造神の能力により、
能力譲渡の権限を獲得、能力を個体名、鈴木琥珀にハイル・アクロイドが死亡した場合、即座に譲渡します。》
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3日前、
「琥珀、真剣な相談なんだが、」
「なんです?」
琥珀がソファーの上でぐーたら漫画を読んでいる時に、ハイルは話しかける。
「俺が死んだ場合、お前に能力を譲渡する。」
「は?え、全て?」
「考え中、一部か、全てか、使いこなせればいいからさ、」
ハイルは満面の笑みでそう告げる、
琥珀は疑問だった。
何故、あったばかりの自分なのか、そして、何故死ぬかもしれないのに、こんなに能天気なのか、
「なんで僕?」
「お前は信用してる。めんどくさがりだし、飽き性だしだらしないけど、強さは紛うことなき本物。だからだ、」
(意味わかんねぇ、)
「……死なないでくださいよ、」
「え?なんて?」
「なんでもないです、とっとと死んでください、」
「おいおい、辛辣だな、まぁ頼むわ。」
「はいはい、」
「はいは、一回な」
そうして、琥珀はハイルに託された。
―――――――――――――――――――――
「たのんだ、琥珀……」
「……はい、」
琥珀は自分の武器を持って、ひなのに向かってもう特急で飛んでいく。
「ファエトン!」
琥珀がそう言うと、横からファエトンが琥珀に向かって飛んできて片手に収まる。
ファエトンが新しい所有者として認めた瞬間であった。
そうして、ひなのの前に立ち塞がる、
「……ハイルのやつ、やっぱ、本気出してなかったか……
お前に託すとは思わなかったよ……」
(にしても、能力譲渡という事は自分でも一部能力、規制を掛けていたのか、それでアレって、バケモンかよ、)
そうして、受け継がれたバトンによって新たな戦いが幕を開ける。
ハイル、酒井、お疲れ様。
1日休載、Ⅰ部を明日投稿します




