第66話 何事も成し遂げるまではいつも不可能に見える
それぞれ二つの唯識解放がぶつかり合う。
紫色の光が刃の形となって、辺りを切り刻む。
それによって周りの建物が全て細切れになる、だがひなのの唯識解放によって辺りが揺れ地が割れる。
二つの唯識のぶつかり合い、それによりハイルとひなのがそれぞれ張った強化結界にヒビが入る。
そうして、それは貫通をし、梟が張った結界は割れてしまい、ルシファーの張った結界でさえにもヒビが入る。
「マジかよ……」
ルシファーでさえも、驚くその威力はまるで神そのものを軽く凌駕している。
(これが、魔法全盛期の最強、それと張り合う現最強か、)
梟は2人を見てそう思った。
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「いや、どうするの?」
暗い部屋の中でちとせが3人にそう聞いてみる。
周りにはアーサー、エディ、黒子しかいなく、どうやら黄色いポータルに吸い込まれその中のようだ。
4人は能力がなくなってしまい、武器も取られた。
どうすることもできない。
「ん〜、諦めるか……」
アーサーが考え抜いた結果答えに辿り着いた。
「いや!無理だろ、!」
エディがアーサーに突っ込む。
「あなたは?どうするの?」
ちとせがずっと無言の黒子に聞く。
「………」
黒子は黙ったまま、何か都合が悪いのだろうか、
ちとせと目を合わせようとしない。
それを気がかりに思いつつも、そんな事より今の目の前のことを考えるちとせ。
「……指輪だよね、能力、て事はさ……」
ちとせはふと思う、ハイルの強制解除によって出ることができるのではないかと、
「だとしても、あの人の能力を使える人、世界であの人しかいないだろ?」
エディがちとせにそう言う。
正論である。
「いや、ちょっと待て、、、」
アーサーがそう言ってエディの言葉を遮る。
「強制解除の原理は、相手の技を強制的にキャンセルさせる事、、それと同じ原理を作ればいい、強制は難しいがキャンセルぐらいはできるだろう。」
「どうやって?」
「力技で?」
「アイツが持っていた指輪は、閉じ込めていると言うことになる、今までの指輪にそんな能力はない。はず、」
「保険かけんな、」
「と言う事は?これは、指輪の能力じゃなくて、単に白服の能力?」
「その可能性が高いな。」
そうして、話がまとまる。
つまり、指輪の能力ではなく単に白服の能力によって閉じ込められており、吸い込まれると言う事は吐き出される能力、出口を持っている可能性がある。
「幸い、スマホは繋がるよ?」
「と言う事は、ここは現実か……」
そうして、、ちとせはしぐれに電話を掛ける。
「……なるほどな、」
隣の建物で、腰を下ろす白いスーツの男をしぐれは見下ろす。
どうやら、しぐれは何かわかったようだ。
「俺に任せろ、」
しぐれはそう言うと、白いスーツの男に向かって発砲をする。
それも、ものすごい量を、
そうして、狙い通り、男はすぐに感知しまたしても、ポータルに吸い込んでいく。
(なるほど、自分の能力と指輪の力をうまいこと使ってやがるな、、でも、お前は調査済みだ。)
しぐれは男の弱点を知っていた。
男はあくまでポータルの中に保存をするだけであり、
消しているわけではない、つまり上限がくれば最初に吸い込んだものから順にでていく、
(厄介なんだよ、)
男はそう思いつつ、取り込んでいく。
「あぶな!!」
ちとせの頭上に銃弾が降ってくる。
すぐに4人は避け、段々と近づく出口を待つのだった。
――――――――――――――――――――――
「……ハイル!!」
ハイルはひなのの唯識解放をモロにくらい、大地は砕け能力が一部封じられた。
「そんなもんか!!」
ひなのがそう言ってハイルに近づく。
ハイルは身体中から血が吹き出る。
ひなのの唯識解放に含まれる強大な魔素の影響をもろに受けた為である。
「ねぇ、ルシファー、コレまずいんじゃ?」
「ああ、これ、、、少しヤバいかもな、そもそも戦っている相手がバグ的な能力なんだが、」
ルシファーがそう言うと、後ろからマリーが出てくる。
「これ、ひなのの方は、経験とスキル、ハイルの方は、運と手札の量って感じだろ?
今も唯識解放でも押されてるし、不味いんじゃないか?」
そう言うも、ルシファーは何かを思い出したようにハイルを微笑みながら見つめる。
「………そうか、」
「ん?」
ルシファー以外は頭にはてなが浮かぶ。
ひなのがハイルに近づいたその時、ハイルの唯識解放が押されていたと思われていた、紫電一閃が突如として辺りを雷のような速さで切り刻んでいく。
そして、それはひなのの顔や身体全てに切り傷ができ、再生ができない。
首にもやがて血が吹き出る。
「ハッ!喰らってんじゃねぇかよ!」
そうして、ハイルは近づいてきたひなのの顔面に近距離で放つ。
(指鉄砲!)
指から魔力エネルギーが放出され、雲を突き抜ける。
「貴様………」
「はぁ、、」
(頭逝った、)
ハイルは頭を抱える。
そうして、畳み掛けるようにハイルは"超越者"へと姿を変える。
髪は白髪になり、目は黄色に変化する。
神々しいオーラがハイルを包む。
超越者になったその衝撃でまたしても、地から天を突き抜けるような巨大な光の柱がそりたってきえた。
「継承者、僕が預けたの僕に使うか?普通、」
ひなのが頬を膨らませ、ハイルに文句を言う。
「こっちも、ガチなんでね、」
そうして、ハイルは超越者となってひなのに勝負を挑むのだった。




