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第7話 私は悪党ではない。

 ―観光中―

 会談は2日目、1日目は観光をするためちとせたちは人々が賑わう王国内の商店街へ向かった

「わぁ、人がいっぱい集まってるぞ!あ!!車!

 あ!!ロボット!!」

 ルナがそこら中を通っている車や店を宣伝している近未来的なロボットなどを見て目を輝かせている。

「お嬢様が楽しそうでよかったです……」

 そう親のように見守るアーロン

「ほら!お嬢ちゃん、美味しい野菜が売ってるよ!」

「お、お嬢ちゃん、ウチの魚見てってよ!!」

 そんな風に商店街に店を出している店主達がルナを見るや否や商売をしている。

 人がかなり賑わっており、ルナが迷子にならないようにアーロン達がすぐ側にいた。

 その時、

「おい、なんだ!!こいつ!」

「ふざけやがって……おい、誰かあいつを捕まえろ!!」

 少し離れた店の方から何か怒鳴り声が聞こえた。

「なんだ?」

「何かあったのかしら?」

「あれは、スリのようですね。」

 アーロンがハリーとシャーロットに説明しているとちとせに誰かがぶつかってきた。

「ん?…ちとせ!」

「ん?…痛!」

「おい!誰かそいつを捕まえろ!!」

「ちとせ、大丈夫か?」

 ルナがちとせの元へ行き心配している

「ああ、大丈夫ですよ、、少し当たっただけで……ん?」

 ちとせは異変に気づいた。

(あれ?)

「どうしましたか?ちとせさん。」

「財布取られまし……た!」

 そう言った途端、すぐさま先ほどのスリを追いかけるちとせだった。

「速!…まったく…しょうがない奴じゃな……」

「まぁ、ここまで頑張ってもらってましたし…今回は目を瞑りましょう……」

 そう思うルナとアーロンであった。

「チッ」

 舌打ちをする男が、そのちとせの様子を見ていた。なにやら、都合の悪いことがあったようだ。


 ―――――――――――――――――――


 グリットハッタの裏路地を、猛スピードで駆け抜ける少女

「はぁ、はぁ、」

(後ろいないな……)

 終われる中、後方を確認し安堵する

 紫色のショートヘアに黄色の瞳の少女。 

「さてと、今回の手柄は………結構儲かったな」

 そう言って複数の財布がポケットから出てきて一つずつ確認する

「ただ、この財布…結構入ってるな」

 そう思い手に持っている財布は、茶色の革の財布だった。ちとせのである。

 その時、

「待て!僕の財布だ!」

「うっそ!早!」

 そう言った瞬間、少女は光の速さで逃げてしまった。

 ほんとに光の速さだ。

「速!」

 それを見て驚くちとせ

「けど、、、今刀持ってないから速く走れる……」

 そう言ってちとせも猛スピードで走りなんと、

追いついてしまった。

「いやいや、意味わかんない!おかしいでしょ!!」

 そうツッコむ、少女。世は理不尽である。

 一瞬で捕まってしまった。

「さあ、ほら!返しなさい。」

「う〜〜いい稼ぎだったのに……」

 そう言って少女は渋々ちとせに財布を返した

「全部入ってるな…よし、よろしい。それも返しとけよ……って、ここ…どこ?」

 追いかけ、追いかけられすっかり遠くまできてしまった2人。

「いや〜私に聞かれても……どこ?」

 少し笑いながらそう返事をしている、どうやらこの少女も道が分からないようだ

「はぁ、」

 仕方なく、2人は辺りを歩くことにした。

(スマホ持ってても、ルナとか持ってないからな……繋がんねぇ。)

「なあなあ、あんたの名前、なんていうの?」

(ああ、だるいな)

「ちとせです。」

「ちとせか…珍しい名前だな。私はエリザベス・アバグネイルだ。」

 エリザベス・アバグネイルと名乗る少女、

 13歳。どうやら、昔からスリなど人を騙すことが得意らしい。両親とは疎遠で今はスリなどをして金を得ているそうだ。

 服装は少し露出の多い服を着ており、マフラーのような物を首にかけている

 そして、2人が彷徨っている中少しずつ暗くなっており夕方になってしまった。

「スマホ持ってるのか…L○NE繋ごう!!」

 そう提案してくるがキッパリと断る

「いや、結構だ。犯罪者とは繋げない。」

「ちぇ!つまんないの!」

 そんな時、不貞腐れたようにそう言うエリザベスの目の前に男達が現れた。

「お前か…この前うちの高級時計を盗んだのは…」

「うちは、お前に意味のわからん壺を買わされたぞ!」

 どうやら、エリザベスはスリ意外にも色々詐欺をやっていたようだ。

「えっと……」

 そういってちとせに目をやるエリザベス

「僕は知らん。」

「そんな!」

「ほら!さっさと金返せ!」

「時計はどこだ!?」

 ちとせに犯罪者を庇う義理はない。

 男達は凄い形相でエリザベスを見下ろしており、

 エリザベス自身は足がガクガク震えている

 そうして、連れられて行かれてしまうその時、

「許してよ〜、親に捨てられてずっとこんな生活なんだ!」

「知ったこっちゃねえよ!」

「そうだ!捨てられるお前が悪い。どうせ、なんかしたんだろ?」

 そう嘲笑うように言う男達

「………」

「ちとせ…」

 無言。だが、先ほど言った男達の言葉にちとせは少しイラついていた。

 次の瞬間。

「なんだ!こいつ。」

「ぐっっ!あ、、!」

 1人の男が倒れた。

「ちとせ!」

 ちとせが殴ったのだ。エリザベスの事はつい先程まではどうでもいいと思っていた。

 男達に連れられようが自業自得。

 だが、男達が言った言葉。親に捨てられた子に「捨てられるお前が悪い。どうせ、なんかした」

 そんな無責任な言葉、あってはならない。

「エリザベス、お前を助けるわけじゃないぞ。

 俺が腹たったから殴ったんだ。」

 エリザベスは少し驚いた。

 先ほどまで穏やかで、一緒にここまで歩いてきた人なのに、まるで別人のようにピリついている。

 目つきも少し鋭くなり怖さがあった。

「この野郎!!」

 男がちとせに殴りかかったが、受け止めて腕を引っ張りこちらに寄せお腹に膝蹴りをかました。

「くそっ!」

 横たわる男。エリザベスが解放されてすぐさまちとせが手を引っ張り逃げることに成功した。


 ――――――――――――――――――――


「ありがとうな。正直、ちとせは私のことどうでもいいと思ってるかと……その…嬉しかった。」

 少し頬を赤くして感謝を伝えるエリザベス。

 空はすっかり暗くなり星がよく見える。

「そうか……親に捨てられたんだって?気持ちは分かる、、お前は悪くないよ、悪いのは環境だ。」

「そうだな。ありがとう。励ましてくれて……

 ここを真っ直ぐ行けば多分帰れるぞ、

 会えるかわからないけど…また、どっかで会おう。それじゃ」

 そう言って去ろうとした時、ちとせがそれを止めた。

「おい、待てL○NE…交換するんだろ?」

 少し,ちとせも頬を赤らめ、そう先程の提案を了承した。

 エリザベスは、それを聞いて頬を掻き照れくさそうにして大きな声で返事をする。

「うん!」


 ――――――――――――――――――――


 ホテルに戻るとルナ達がテレビを見たりベッドで休んだり、皆くつろいでいた。

「すみません!遅れました、」

 慌ててドアを開けるちとせ

 それを見て頬をふっくらさせ睨むルナ

「おそーい!何をやってたんだ?!」

 声を大きくして叫ぶルナ

「財布は取り返したんですか?」

「ええ、まぁ…」

 そうして、取り返した財布を一応確認してみると1000円分抜き取られており、なにやら紙が入っていた。そこには少し荒い字が書かれていた。

(ちとせへ

 助けてくれてありがとう。色々楽しかったぞ!

 財布"は"返すよ。約束だからね。でも、1000円だけもらうよ〜"財布は返す"それが約束でしょ?)

(……!、、はぁ、あの詐欺師野郎…)

 詐欺師に嵌められたちとせであった。


 ――――――――――――――――――――


 就寝間近。だが、アーロンとハリー、シャーロットはすでに寝ていた。

 早すぎである。

「ルナお嬢様もう寝ますよ、」

 ちとせが窓の方で星を見ていたルナにそう声を掛けた。

「分かった……ここは、いいな。セレスタリアより星が見える。星はいつも暗い夜空を照らしてくれる。だから妾は星が好きだ。」

「星、僕も好きですよ。星の輝きは自分と周りも照らしてくれるから……」

 布団に入りながらそう話す2人

「妾も同感じゃ。ちとせ……暗い時妾を照らす人なって……くれ……」

 寝ぼけているのか、ルナはすぐに寝てしまった。

 それを追いかけるかのようにちとせもすぐに眠りに入った。


 ――――――――――――――――――――


 2日目の朝、ホテルは何やら賑やかだ。

 それもそのはず今日が会談の日であり、グリットハッタの国民達も皆楽しみにしており、会談には候補者達のスピーチもあるがそれより前に見に来ようと人が押し寄せているのだ。

「賑やかっすね〜」

「会談だからでしょ、」

 窓から覗き込みそう話している。

 エントランスの方には人が大量に来ているが、

 道路の方に黒い車が四台止まっており、それで移動するらしい。

「では、そろそろ移動しますよ。」

「お嬢様。ピンクのドレス似合ってますよ。」

 シャーロットが笑顔でそう言った

「そうか?フフフ」

 それを聞いて嬉しそうに笑っている。

 エントランスに行くと、人が多いがなんとか道を開けてもらい車に乗り込む。

 三人の候補者はすでに向かっているらしい。

 これから始まる会談。いよいよ、セレスタリアの王位継承をかけた戦いが始まる…


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