第60話 本当の自由な心とは『認める』ということである
13日投稿します!
ラストスパート
「くっ、、、」
勝利間近、しぐれの腹部を何かが貫いた。
それは、ちとせの式神である、犬神だった。
だが、それはただの犬神ではなく、烏がコピーした式神。本物ではないが攻撃はしっかりとしぐれにダメージを与えた。
「……しぐれさん!!」
井口がそう言ってしぐれを見つめる。
「しぐれ、、、」
つむぎもその様子に言葉を失う。
「……」
ちとせは、しぐれの事、そして、つむぎやすぐるが兄弟のことを少し気づいていた。
しぐれに関して今、蹲っていたものの声だけですぐに気づいた。
だが、ちとせは我慢した。
なにか事情があるから隠している。なら、それに付き合おう。ほんとは今すぐにでも昔の話をしたり、抱きつきたかったが我慢した。
亡くなったと思った家族が、生きてまた会えたのだから。
「お兄ちゃん………」
ちとせは立ち上がる、
「犬神、行け!」
烏の犬神は刀を抜き取りもう一撃腹部を突き刺す、
「はぁ……!」
「まだ息があるのか……」
そう言って烏はしぐれを見つめる。
ちとせの技は烏の目の前で行った技は基本的に、大罪スキル以外はコピーしている。
勝ったも同然、そう思っていた。
勝敗はついていた。
烏はそう思う。
「……バカが、、」
しぐれは血がついた両手で烏の胸ぐらを掴む。
「なに、何故そこまでして……戦う気になるんだ!」
烏は疑問に思う。
今まで自分の人生で人のために戦う、何かをする者など会ったことがない。
結局は皆自分のためなのだ。
「………兄だから、、守ろうと思えるんだよ!」
しぐれは、力を振り絞り烏の仮面を殴る。
今にも仮面が割れそうで素顔がバレそうになる。
烏は犬神に指示を送り、また刀で腹部を突き刺そうとしたその時、何者かの刀が烏の犬神の腹部を逆に貫いた。
そうして、黒い烏の犬神は消え、目の前にはちとせの本物の犬神がのこる。
烏の後ろにはちとせが立っており胸ぐらを掴んで吹き飛ばした。
しぐれとちとせは目を合わせる。
「会いたかったよ……」
「……ごめん、待たせたな……」
烏はすぐに瞬間移動で撤退しようとするも、しぐれとちとせはそれを見逃さない。
しぐれは、ちとせの手を借りなんとか立ち上がってちとせと背を合わせる。
「……霊装・零式……雷管……!」
(ハイルさんの、十八番……)
「……指鉄砲!!」
しぐれは、銃を構える。
ちとせは手を銃の形にして、ハイルの十八番である技を発動する。
2人とも高威力の魔力を込める青白い光線が、烏に向かって発射される。
烏は手から特殊な鏡を出して、ちとせとしぐれの技を防ごうとする。
おそらく最新の科学技術だろう。
だが、鏡には段々とひびが入っていきすぐに割れてしまう。
(……は、失敗か…………)
そうして、烏は光に包まれる。
跡形もなく辺りが殺風景に消えてしまい、烏も逃げたのかどうかもわからない。
「はぁ、ちと……せ。」
「お兄ちゃん!」
しぐれが倒れる。
すぐに近くに井口もおり、助けようと薬を探す。
「お兄ちゃん、」
ちとせは、そう言って指輪を指につけ、傷口に触れる。
そうすると、しぐれは段々と元気を取り戻した。
「はぁ、ありがとな。」
「うん………」
ちとせの脳裏に、リアムのことが浮かぶ。
この指輪があれば、生かせたのかもしれない。
そう思うと、悔しい気持ちでいっぱいだった。
そうして、無事に戦いが終わり、空間魔法も消え去ってしまい、辺りはただのビルに変化する。
「車でセレスタリアに向かうぞ。そこで全て話すさ。」
そう言って皆車に乗り、指輪も回収できたため、セレスタリアにすぐに戻るのだった。
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一方その頃、バミューダから少し離れた山で、
「なんだ、アイツ、、アストラル・ヒーロー強すぎるだろ!!」
ハリーがそう言ってシャーロットの手当を受けていた。
どうやら、梟以外皆ワイアットにコテンパンに絞められたそうだ。
「指輪、どうするの?」
シャーロットがハリーの怪我を手当てしながらそう言った。
「まずいな、出来れば時間内に全ての指輪を回収したかったが、烏もしくじっちゃって、、
PCHの動きも活発になってきて、時間がない。
勝負に出るしかないな、」
梟は淡々と話す。
「勝負って、何のことで?」
鷹がそう言って聞いてみる、
「……徹底的に潰す。アイツらを、、
次の王位継承戦、そこでアイツらをぶちのめす。
そこで、ファイナルラウンド、決着をつけよう。 アイツらの、物語を終わらせる。」
そう言って梟は、拳を握りしめる。
「ハイルと誰を戦わせるんだ?
余程のやつじゃないと、ハイルは倒せない……」
鷹がそう言うと、梟はニヤつく。どうやら、もう決まっているようだ。
「初代、アストラル・ヒーロー。指輪の最初の所有者で、最古の最強"超越者"充分だろ?」
「確かに、それぐらいないとキツイな……」
そうして、梟達は予定を組み直すのだった。
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「おいスター、ここに呼び出すなんて、何年振りだ?」
ハイルは夢の中で、ちとせがいた椿の花が辺りに広がる所に急に呼び出された。
「久しぶりじゃのう、ひなのでいいぞ」
「トリックスター、とかじゃ無かったのか?」
「気が変わったのじゃ!」
そう言ってハイルは、ひなのが座る席の正面に腰を下ろす。
「わしは未来が見える。
だから、言うが、わしはお前を殺すことになるじゃろう。」
そんな衝撃的なことを言うひなの。
久しぶりに現れたと思ったら、そんなことを言われびっくりのハイル。
「そうか、安心しろ。お前に俺は殺せない。」
満面の笑みでそう言うハイル。
「それは、それで腹が立つな。」
そう思うひなのであった。
そうして、久しぶりに会った2人は世間話に花を咲かせるのであった。
フレイム・コアが動き出していると言うのにである。




